【No Train,No Life】日本横断ウルトラ新幹線の旅(夢想編)

前回に続いて新幹線のおはなし。

現在、我が国で新たに開通を目指している新幹線の路線は四路線ある。前回お伝えした、2015年3月に、現在の長野新幹経由で東京―金沢の部分開通がほぼ確定している「北陸新幹線」、そして夢の超特急であるリニア新幹線である「中央新幹線」。そして新青森から青函トンネルを通り、札幌までを結ぶ「北海道新幹線」。もうひとつが3年前に博多―鹿児島中央の“鹿児島ルート”が開通した「九州新幹線」のうち、博多から鹿児島ではなく長崎を結ぶ“西九州ルート”。これら四つである。
ちなみに北海道新幹線は新青森から新函館(仮称・新駅)までの部分開通を2016年(2015年度)に予定しているが、札幌までの全線開通となると現在で2035年ころとされている。リニアの全線開通予定である2045年ころとあまり変わらないということは、こちらも私は見ることなく朽ち果てていくことになるのかもしれない。無念だ。なお、“西九州ルート”は現在のところ「2022年の完成」(国土交通省見解。「開通」ではない)」という段階になっている。

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2016年部分開通予定の北海道新幹線・新函館までのルート。
新函館(仮称)は函館本線・渡島大野駅を改修、改称する予定
(画像は「北海道新幹線2015新函館開業webサイト」より)
さて、現在のところ「本州を縦横断して九州も縦断」という、まもなく乗り入れる北海道、そして九州からの鉄道乗り入れがまったく現実的でない沖縄を除けば(四国も入ってないですね、すみません)、ほぼ日本列島を新幹線が繋いだことになっている。新青森から西下していくとすると、東北新幹線→東海道新幹線→山陽新幹線→九州新幹線で鹿児島中央に到着することができる。
そう、“できる”のだ。できるとあらばやってみたくなるのが人情(あくまで“鉄”の)、というわけで実際に乗って……みたつもりで調べてみた。いや、“乗り鉄”として本心からやってみたいのだが、そこには時間やらフトコロやら様々な事情があるのですよ、はい。

新青森から新幹線だけを使って鹿児島中央に向かう場合、朝6時17分発の東北新幹線はやぶさ4号を皮切りに、東京駅で9時40分発東海道新幹線のぞみ219号に乗り替え、次に新大阪駅で12時59分発山陽・九州新幹線さくら557号に再度乗り替えると、その電車の終点が鹿児島中央。ここに着く17時5分が1日での新青森→鹿児島中央の最速だ。ちなみに東京での乗り替えを10時10分発東海道・山陽新幹線のぞみ23号にすると博多まで進むことになり、そこで同じさくら557号に乗って鹿児島中央に向かうことになる。
気になる料金は運賃2万1320円、そこに特急料金2万390円(通常期・全車指定席利用・はやぶさ利用※はやて利用の場合は500円減)が加算された4万1710円。もし空路で青森→鹿児島と移動した場合(JAL利用)、直行便がないので青森→羽田、羽田→鹿児島と乗り継いでの料金約4万5000円を下回っており、まあオトクな料金設定と言えなくもないだろう。

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鹿児島中央へ向けて博多を間もなく出発する九州新幹線さくら。
九州新幹線にはさくらより少し早いみずほ、各駅のつばめの3種が走っています。
ただまあその分、所要時間は飛行機は乗り継いでも3時間強なのに対し、新幹線は10時間強(笑)。よほどの酔狂(呼びましたか)でない限り空路を採るところだが、ここでこんな提案がある。
新青森から鹿児島中央までは路線距離で2177キロある。乗車券は100キロを超えると有効期限が当日限りではなくなり、この距離だと有効期限は「12日間」となる。以前『ウンチク』でお伝えしたことがあるが、乗車券はザックリ言うと「前進し続けていれば途中下車ができる」(詳細はリンクをご覧ください)ので、新青森から12日間、仕事やら観光やらを挟みつつ鹿児島中央を目指すことが可能だ。もちろんその分、宿泊費や特急券(特急券は降りる駅までそのつど必要)が加算されていくのだが、こんな気長なレジャーならば、“私たち”だけでなくあなたも新幹線での旅を選びたくなるはずだ。
ならない?