“最後のひとつ前”――ブービー賞

一足早く開幕していた女子プロゴルフツアーに続き、先週は男子プロゴルフツアーも開幕した我が国日本。プロ野球、Jリーグ、そしてプロゴルフと、春から幕を開ける3大人気スポーツ競技がようやく出揃った4月も半ば。いずれもデーゲームとしてテレビ中継されることも多い週末は、テレビから離れられない向きも多いのではないだろうか(ついでに中央競馬などもあるし)。

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競馬から、今年の高松宮記念の結果。
「ブービー」はエーシンダックマン、
「ブービーメーカー」はベイリングボーイ、
てなわけですね
さて、そのゴルフ……だけではないが、多人数で個人競技を行なって順位を決める、いわゆる“コンペ”のようなものを開催した場合、たいていはある順位ごとに表彰がなされる。それはたとえば優勝であるとか準優勝、3位。さらに8位までは入賞にするとか、第13回大会だから13位に特別賞、10位ごとに“飛び賞”など一般的なもの以外にも様々ありそうだが、そのなかで「最下位からひとつ上」という順位に注目した「ブービー賞」というのがある。

英語の“ブービー(booby)”とは、直訳すると「馬鹿者」であり、それが転じて「最下位」の意味がある。それ故、ブービー賞が世に広まった当時は最下位の選手が対象で、その成績を揶揄するものであったらしい。ところが日本の場合、国民性からか「上位者だけが賞品にありつくなど、オイシイ思いが偏るのはよくない」とブービー賞が妙に権威付け(=賞品が豪華、など)され始め、そこで“最下位は誰でも狙って取れる”ことに大勢が気が付いたことから、それを防止するためにブービー賞は「最下位からひとつ上」が日本独自のシステム(?)となった……もちろん正式な記録があるわけではないが、おおむねこのように捉えられている。
さらに日本の場合だと、取って代わられた最下位にも“ブービー賞の生みの親”として「ブービーメーカー賞」を贈るということもある。そのような結果、参加者全員がなんだかんだと受賞をしていたりするのも、余談ながらうなずけよう。

今回は“最後のひとつ前”、ブービー賞にまつわるウンチクでした。