なんでも知ってる?「円周率」――遙かなる数列の謎

底辺×高さ÷2
この式で求められるのは三角形の面積である。
ではこの式で求められるものは何か?
円周÷直径
これ、もっとも簡単な「円周率」を求める式である。

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円周率の最初のほう。
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円周率は、円周の長さと直径の比を表すものだが、その答えはごぞんじ「3.141592……」で常に一定となる。で、こちらもごぞんじの通り、「円周率は割り切れることなく、さらにその少数は循環しない」という性質を持っている。現在では小数点以下5兆桁ほどまで計算が進んでいるが、もちろん割り切れることなく、そして「10÷3=3.333333……」などの数列の循環も(あくまで現状では)確認されていない。
このように非常に知的好奇心をくすぐられる存在である円周率、たとえば「円周÷直径」以外の求め方や、紀元前以前からの円周率発見の歴史などさらに深い話もあるのだが、それはまたの機会に。しかしまあ、これは私見ではあるが、今回いろいろと調べた結論として、“ゆとり教育”という名目で「円周率は3」などとしてしまっては、小さいお子さんの知的想像力が低下するのもうなずける気がしてならない。余談でした。

さて、そんな円周率、「5兆桁でも割り切れず、また循環しない」という数列について、こんながある。
任意で選んだ数列は、必ず円周率の数列にも存在する
たとえば自分の社員番号が「1592番」だとすれば、3.141592……の小数点以下3桁目から登場する、そういう話である。

これを2億桁まで調べることができるサイトがこちら(Pi-Search Results)。

試しに筆者の生年月日「19770318」で検索をしてみると、小数点以下1600万4019桁目、3480万1192桁目、9621万1649桁目、1億1825万220桁目、1億9490万6063桁目の計5回出現しており、本日の日付「20111007」も、1393万1489桁目を皮切りに計3回出現した。また同じ数字の連続を調べてみると、「6」、「7」、「8」は9桁まで並ぶ数列が存在している(それ以外もすべて8桁連続まで存在している)。

そのほかにもいろいろな数列で検索をしてみたところ、8桁まではほぼヒットするが、11桁の携帯電話番号など、9桁以上はかなり狭き門になる様子。とはいえ、これは計算済みの5兆桁からしても小さすぎる2億桁の検索結果でしかない。果てがあるのかないのかもわからない遙かなる数列の中には、きっと自分の納税者番号もクレジットカード番号も、そしてこれから出会う大切な人の電話番号も入っている――そう考えるのが合理的にも、ロマン的にも正しいのではないだろうか。