Play back 2012-2 アララト登山-1

もちろん、母を亡くしたからといって、年がら年中陰々滅滅メソメソしていたわけでは決してない。いかにもエキゾチックな地・トルコへでかける。しかもあの聖書のエピソード・ノアの方舟が、世界が水没しても海上に頭を出していた峰先にたどり着いたというアララト山に登るとあっては、誰でも胸が躍ろうというもの。

7月19日
イスタンブールに入り、20日にはワン空港へ飛んだ。そこからアララト山登山の基地ドゥバヤズィットまでは車で3時間。


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ドゥバヤズィットで昼食。現地ガイドさんが地元住人にも人気の店に連れて行ってくれ、地元ならではのメニューをオーダーしてくれた。


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7月21日
ドゥバヤズィットから1時間、車で移動。2250m地点から、いよいよ3200mのキャンプ地まで歩き始める。


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トウバヤズイットもだが登山道も乾燥しきっていて荒涼としている。緑の木々は皆無だが、それでも生えている植物が高度が上がるにつれ、アザミやモウズイカのような大振りのものから、背丈に低い寒風に耐性のあるものへと変わっていくのが手に取るようにわかる。


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4時間ほどでBC3350mへ到着。歩き始めは至極、順調だったんだが、途中からペースが上がらなくなったのは何故なんだろうと思いながら…


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その夜、体調に猛烈な異変。腹が差し込むように痛くなった。冷えたかな?ま、そのうち、よくなるんじゃない?などという楽観を見事裏切って、時間経過で腹痛は激化し、猛烈なピーになった。一晩に何度もトイレテントへ駆け込む。寝てらんない!!

7月22日
高度順応を兼ねて、BC3350mから4200mC1へのピストンなんだが、歩き出してものの20分もいかないうちにギブ。腹が痛過ぎ!とてもじゃないが歩けない!BCに舞い戻ってバタンキュ!1日腹痛&ピーと格闘!!食欲、皆無。

7月23日
BCからC1へ移動。どいうわけか前夜から同じ症状に陥った本郷さんと、必死の形相で歩く。二人で何回う●●するために岩陰に身を潜めたことか!!!
這う這うの体、フラフラでCI到着。やっぱり食欲皆無。ってか、ギボジヴァリ〜
本郷さんもテントに沈没。

       


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7月24日
いよいよアタック。早朝2時スタート。
なんとか頑張りたいとは思うんだがダメ〜
風がビュービュー吹いていて寒いもんだから、なおのこと腹に来る。鼻の頭に脂汗がにじむぐらい腹が射し込む。
「just a moment! Wanna go to toilet」

何度も、う●●を催す。
岩陰に隠れてお尻を出すだに、寒い。頻繁なもんだから、大して量はないが、その分液状物が靴に着かないように気を使う。
あのね、言ったように風がものすごい勢いでビュービューなのよね。排泄物は具合よく地面に吸収されていくんだが、お尻拭いたティッシュがあ〜
手を離れるが早いか、上から石など乗っける間もなく、すっ飛んでいくのよ。
オーマイガッ!カ、カカミよ!!!
アタシのう●●のっけて、fly me to the moon!!!

それでも、なんとか頂目指して頑張りたい!
気持ちはあるんだが…
「したい」意識と「出る」状況が自身の管理下になくなったりするんだ、これが。段差のあるところを踏み越えようと踏ん張ると「あ!」「い!」「う?」「え?」「お!!!」だよ。
「あ」の段、全部読み切っちゃって、ツルツル足を伝わって、足首に垂れてきたってしることか!な勢いで進もうったって、こう腹が痛くちゃ、どうにもならない。
「go back?」
見かねたガイドについ
「yes.I had better」と答えた途端、涙がこぼれた。ガイドに抱きついて号泣!

テントに舞い戻って沈没。仰向けに寝ると腹が痛くてたまらないから。横向いて、身体を「く」の字に折り曲げて、腹押さえて意識不明!

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