うちのチビ太の3.11


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またとない快晴の阿弥陀岳北陵の山行だった。
赤岳鉱泉へ戻ってカレーを食べ、美濃戸口へ降りたのは午後2時過ぎだった。
車に乗り込んで帰路に着く。
「そう言えば、今日は3.11だね」

「帰宅困難者だったよ」
「歩いて帰ったのよ」
なんて当時を思い起こしたり、
「何か役に立ちたいとは思うけど、下手なことしてもね」
「だよね、おばさんが邪魔してるだけになってもね」
「むしろ、もうちょっと落ち着いたら、教育支援とかならできるかな?」
長年中学の教師をしていたMさんがハンドルを握りながら言う。

自宅まで送ってもらって、晩ご飯してTVの前に寝そべっていたら、長男のヨメさんから電話。
「あとでケーキ切るから、食べに来て!」
ん?ケーキって?!

あ、そーかあ!ショータ、誕生日だったんだー!

たまたま帰ってきたジーも交じってハピバスデ大合唱。

「去年とかどーしたのよ」
「ケーキは用意してあったんだけど、余震が来るし、たんびに二人息子抱えてテーブルの下に潜んなきゃだし、誕生日どころじゃなかったわ」
「そっかー、ショーちゃんとか覚えてるかなあ?」
「案外覚えてるんよ」
「よかったねー、5歳の誕生日は無事にハピバスデができて」

「よほど物覚えの悪いジー、バーでもうちのおチビの誕生日は金輪際、忘れることはなくなったねえ」
「だよね~」

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