昨年の夏、当コーナーに登場いただいた『桜丘のかき氷屋さん』。
昨夏限定の店舗だったので、去年にも増して暑い今年の夏に出逢えないのは残念ではあるのだが、それでもこちらでシロップに使っていた"ハチミツ"、それに今年も注目することととなった。
このハチミツは、桜丘のビルの屋上にミツバチの巣箱を置き、そこで採蜜をしている桜丘産のもの。少々前に、銀座のビルの屋上でハチミツを採取しているという報道がよくなされていたが、それが段々と広がりを見せ、「みつばちプロジェクト」として各地で活動をしている。その桜丘版が「渋谷みつばちプロジェクト」である。
そして「渋谷みつばちプロジェクト」だけでなく、街の緑化運動などを推進するNPO法人「渋谷さくら育樹の会」なども桜丘では活動をしていることから、このたび東京都環境局など関係者を招いての「東京都の環境についてのフォーラム」が開催された。
「渋谷みつばちプロジェクト」代表理事・佐藤勝さん
50人以上が詰めかけた
「“はちみつの日”を選びました(笑)」(「渋谷みつばちプロジェクト」代表理事の佐藤勝さん)、そんな8月3日、渋谷区文化総合センター大和田にて開催されたこのフォーラム。平日の午後にもかかわらず50人以上の参加者が集まり、桜丘での自然への関心の深さがうかがえる。
「渋谷みつばちプロジェクト」のメンバーでもある『trattoria bel mare』の木津秀幸さん、東京都議会議員の大津ひろ子さん、渋谷区議会議員の伊藤たけしさんの挨拶からフォーラムがスタート。
まずは東京都環境局による環境保護、整備に関する講演。「緑施策の新展開を含む都の緑施策全般について」と題された講演では、地球規模で森林が年間730万ヘクタール減少、生物4万種が絶滅しているという点や、校庭の芝生化など東京都が進めている"緑の東京10年プロジェクト"などを背景に、ただいま都が進めている緑化政策の紹介や解説が行なわれた。
続く「都の電力・エネルギー対策、自立・分散型エネルギー、再生可能エネルギー等に関する補助金について」の講演は、化石原料の枯渇化などで危惧されているエネルギー問題への取り組みを紹介。近年建設が進んでいる大型ビルなどで施工されている省エネルギーや再生エネルギーの仕組みなどを、実際の建造物を例にわかりやすく解説され、参加者も頷きながら聞き入っていた。
そして最後に東京都の公園などを運営する公益財団法人東京都公園協会による「都市緑化基金に基づく緑化助成事業について」。花の種子の配布や民間施設による緑化工事への助成など協会の活動などが紹介された。
桜丘某所のにあるミツバチの巣箱。
いっぱい空を飛んでいます
この後には「渋谷さくら育樹の会」、「渋谷みつばちプロジェクト」の活動報告。「渋谷さくら育樹の会」の代表として登壇した『nouvelle chinois 一品香』の佐野とも子さん。国道246号沿いや、インフォスタワー脇の小径にあるプランターは「渋谷さくら育樹の会」の活動によるものという報告には、参加者一同から感心の声が挙がった。
「渋谷みつばちプロジェクト」では、このプロジェクトが各地に広がった経緯などを紹介。試食用に配られたハチミツに参加者が舌鼓を打つ中、各地のみつばちプロジェクトから招かれたみなさんから、挨拶とともにプロジェクトを立ち上げてからのエピソードがそれぞれ語られた。
たっぷり二時間の講演や報告の後、質疑応答を経てフォーラムは終了。引き続いて「渋谷みつばちプロジェクト」でのミツバチの巣箱の見学会と、そこで採蜜されたハチミツを使っての料理やお酒が楽しめる懇親会が『bel mare caffe』にて催され、盛大な乾杯とともに幕を閉じた。
こちらが桜丘産のハチミツ
手にしたお酒はハチミツ入りレモンチェッロ