嵐のような雨風であるとか“夜は寒い”であるとか、どうにも素直でなかったお天道さんがやっと機嫌をよくしてくれたらしい。すっかり春がやってきた我らが桜丘、自慢の桜通りの桜並木は超の付く満開で、カメラ片手の人たちで溢れかえっている。
そんなぽかぽか陽気が続くと、街を眺める目も少し違ってくる。恐ろしく暑い、厳しく寒い、そんなときには一心不乱に目的地に向かってしまって他のものが目に入らなかったりするが、暖かな空気に身を任せているときょろきょろする余裕が出てくる。そして、思わぬ発見とはそんなときにある。
その場所はいつも看板が多く出されている。当たり前の光景として見逃してしまいそうだったが、ふと「4月1日OPEN」の文字が目に入った。この日、4月2日。昨日オープンしたというこの『Rhythm(リズム)』というお店……当コーナーでは美容室の『RHYTHM』さんもかつて登場いただいたが、この直前に彼の地で営業されていたので移転ではない。さてどんなお店なのか……そう思いつつ4階のドアをノックした。
「こんにちは。昨日オープンいたしました『Rhythm』です。当店ではタイ古式マッサージというものをやっております。これまでは新宿区の飯田橋にて開業していたのですが、こちらに移転して参りました。えっ、どんなマッサージかご存じない? それでは早速ですがこちらへどうぞ」
創業者にして店長の齋藤創さんに案内されるがまま、タイ古式マッサージを受けてみると……(下の写真をどうぞ)、バリバリの身体をほぐすストレッチのような動きで、身体が気持ちよく伸び、心身ともにスッキリした感じが残る。
「そうですね。タイ古式マッサージは、ゆっくりとしたリズムで長い時間をかけて全身をほぐします。自分ではなかなか伸ばせない部分まで伸ばすことができまして、『二人で行なうヨガ』とも言われているんです。ゆったりと時間をかけて行なうマッサージですから、身体だけでなく精神的にも“癒し”になると思いますよ」
タイといえばかつて他国に侵略されたこともなく、遺跡なども多い王政の国。どことなく抱く穏やかなイメージに、この古式マッサージ、ピッタリ重なりそうだ。
齋藤さんがタイ古式マッサージに出会ったのは本場でのこと。
「私、マッサージって大嫌いだったんですよ(笑)。会社員だったころ、社員旅行とかで温泉に行って、それでマッサージをしてもらうと必ず“揉み返し”が来て痛くてしょうがなかった。ただ、それが友人のススメでタイに行ったときにやってもらったら、これが気持ちいい。それで日本でやれないかな、と思ったわけです」
思い立った齋藤さんが飯田橋に開業したのが05年のこと。タイ古式マッサージだけでなく、タイの小物やパーカーなどもHP上や店内で扱い、「古式マッサージと文化」を広めながら、このたびの桜丘登場となった。
「桜丘にやってきたのは、不動産屋さんが知り合いだったということだけでなく、センター街などに比べて落ち着いていますし、働いている人も住んでいる人も多い。そんなみなさんに心身ともに“癒し”が提供できればなあ、お役に立てればいいなあと思って、桜丘を移転先に決めました。桜丘でも古式マッサージだけでなく小物も扱っておりますし、どうかお気軽にいらしてみてください。今後ともよろしくお願いいたします」
暖かくなった空気が、新しい出会いを運んでくれた。
そう、春は出会いの季節。
本場・タイと変わらぬ穏やかな空間が、桜丘にやってきた。
Q・あなたにとって桜丘とは?
「これからは“塒(ねぐら)”です」
タイのリゾート施設ってこんな感じですよね。窓の外には海が見えそうです
リラックス空間への入口。仏様も見つめておられます
「けっこう自慢なんですよ、ぜひ撮ってください」とパチリのお手洗い。
「壁の絵は友人が描いてくれました」
店内だけでなく、HPでもバリ小物の購入ができますよ
Rhythmのロゴ入りパンツやパーカーなど、タイの衣類も豊富。
着こなしていたらどれもオシャレ
【今回の桜な人々】
Rhythm
齋藤 創さん
〒150-0031
東京都渋谷区桜丘町15-18 北沢ビル4F
(マップ)
ホームページ
http://www.thai-rhythm.com/