2015年10月10日(土)、渋谷ユーロスペースより順次公開される近藤芳正初主演、窪田将治監督最新作『野良犬はダンスを踊る』の完成披露試写会が7月26日(日)、都内渋谷区の渋谷ユーロライブにて行われ、主演の近藤芳正をはじめ、加藤慶祐、鈴木勝吾、久保田秀敏、柳英里紗、窪田将治監督が登場した。
今作は8月にカナダで開催される『モントリオール世界映画祭“Focus on World Cinema”部門』に選出されることも決まっており、窪田監督は2010年『失恋殺人』2011年『RAZY-ISM クレイジズム』2012年『僕の中のオトコの娘』に続き3年ぶり4度目の選出となる。
主人公、黒澤宗之(近藤芳正)は高山組抱えの敏腕殺し屋として数十年に渡り活動している。今では若手の育成を含め2人の若衆、林田洋平(加藤慶介)と秋元創輝(鈴木勝吾)を連れ、日々の稼業に勤しんでいた。いつまでも若いと思い込んでいた黒澤だったが徐々に仕事でミスを犯すようになり年齢による衰えに苛立ちを感じはじめていた。そんな時、黒澤は常連のクラブのホステス米沢美織(柳英里紗)の優しさに触れ徐々に惹かれていく。黒澤の心の隙に入り込む美織の存在…黒澤は自身に鞭を打って仕事に励むが致命的なミスをしてしまう。そして家業の引退を決意するが…物心ついた時から裏社会で生きてきた男が黄昏時を迎えた時、どう決断し生きていくのか!?
MC(中野マサアキ):みなさん映画はいかがでしたか?(会場拍手)まずは、ひとこと挨拶をお願いします。
近藤:私にとっては初ハードボイルドで、高倉健さんのような映画になっています。そして、初のベットシーンも。英里紗さんちょ。あっ!噛んじゃった。(会場笑)『モントリオール世界映画祭』にも選出されましたので、これをきっかけに刺激的な出会いがあればと思います。
加藤:僕自身は、まだ観ていないので、次の回には観たいなと思っています。今回は“殺し屋”ということで、想像のできないところを演じたのですが、近藤さんはカッコイイ“殺し屋”で、ほれぼれする感じ……。
近藤:観てないんでしょ?(会場笑)
加藤:あっ!現場での空気感がカッコよかったってことです!
鈴木:初めて観させていただいたのですが、ドキドキでした。監督には、いろいろとご指導をいただき濃密な時間を過ごした作品です。みなさんにどう観ていただけたのか?気になるところです。
MC:では、“くぼた”さんお願いします。
窪田監督:はい!
MC:あっ!監督ではないです。(会場笑)
窪田監督:かぶるよね!
久保田:両端が“くぼた”で、すみません。(会場笑)先ほど、会場の後ろの席で観させていただいたんですが、僕が演じた川口一輝役は、嫌なキャラクターで、上の人にはペコペコして下の人には自分の都合のイイように。そういった川口のような人間にはなりたくないなって思いながら演じました。撮影中は窪田監督にしごかれて、アドバイスをいただきながら、イイ作品が撮れたなと思いました。
柳:先ほど観させていただき、みなさんと一緒に体感できて良かったなって思っています。観終わった感想は、全員が体当たりで挑んだ映画だなって。血のりあり、アクションあり、近藤さんと私は濡れ場ありと、この作品がどのように観られていくのか楽しみです。
窪田監督:最初にお客さんに見ていただく日というと、夜も寝れないくらい緊張しながら……、8時間くらい寝たかな?(会場笑)ひとりの黄昏時をむかえた“殺し屋”が、自分の年齢と戦いながら生きていくという話になっています。近藤さんをもとに企画を立てましたので、「近藤芳正をどうしたろうか!」と。これまでにないセクシーでチャーミングな近藤芳正になればと、いろいろと取り入れた作品です。
MC:現場の雰囲気はいかがでしたか?
近藤:監督は若者を鍛え上げる場といった考えもあったので、演技指導など熱心にされていました。熱い現場だったと思います。
MC:監督は有名ですよね。現場で若手を……。
窪田監督:可愛いいってだろ?
MC:可愛いというか、可愛がり?ビシバシと愛情のある演技指導……。
窪田監督:見たことあるの?(会場笑)
加藤:優しく可愛く指導していただいたひとりで(笑)、初日の近藤さんと勝吾と3人のシーンの撮影後では、自宅で1時間くらい放心状態で動けなかったです。可愛くしていただいたので……。(会場笑)現場では厳しいですが、撮影の間はお茶目な方で……褒めておかないと……。(会場笑)
鈴木:「勝吾、違うな、わかるやろ!」というのを永遠と……。厳しかったですけど、愛のある方だなって現場を通して感じました。
久保田:シーンによっては、10テイク以上撮りました。撮影は1年半くらい前だったんですけど、当時まだ演技経験が少なかったので、窪田監督のワークショップに参加して、監督の考える演技や感情の出し方などを教えていただきました。それを現場で出すことができました。監督の作品に参加できて良かったなと思いました。
窪田監督:ありがと!後で、チューしてやるよ!(会場笑)
久保田:待ってます!
柳:監督は、女の子には優しいです。(会場笑)男性陣に厳しいから、女の子たちはそれを和らげようとしていました。監督の意図だったのかな?
MC:全て監督の計算だと……。
柳:窪田監督ってすごいなって。
窪田監督:そやろ。(会場笑)ここにいる5人とは当時、初めての仕事だったんです。でも、主演の近藤さんが引っ張ってくださると思い、現場は近藤さん中心に進めました。
柳:現場で監督は、チョコを欲しがるんです。そこが可愛いなって。
窪田監督:キュートでキッシュな感じがするやろ。(会場笑)
鈴木:キッシュが、わかんない。(会場笑)
MC:今回の台本を読まれた時の感想は?
近藤:本を読んだときの感想は、喋りやすい作品だなと。特殊な役でしたけど、なにも作らずに演じられるなって。自分に近い役でしたね。もちろん人を殺したことはないですけど。(会場笑)
窪田監督:「こんな近藤芳正が見たかった」という気持ちが強かったですね。
加藤:近藤さんと勝吾との3人組がカッコイイなって。自分が知らない世界を演じることに魅力を感じていました。
鈴木:マイノリティーな世界感の作品ですが、主人公の心情はいろいろな人に置き換えられるんじゃないかなって思いました。その中で自分は、どのように演じようかなって考えました。
久保田:こういった、ハードボイルドという人間臭い芝居を演じたいと思っていました。クラブのボーイの役でしたが、僕のイメージと監督のイメージに相違があり、何テイクも撮りました。大好きな台本でした。
窪田監督:後で、チューするわ。(会場笑)
久保田:裏で待ってます。
MC:絡みのシーンがありましたが……。
久保田:そこは何テイクも撮りました。監督がガチギレで、休憩を挟んで。もう一回って。
窪田監督:慣れた風に見せたいからね。
柳:強い悲しみや、喜びをなどをいろいろ経験すると手相が濃くなるって聞きました。台本を読んで、窪田監督って手相が濃いんだろうなって。(会場笑)
窪田監督:まあまあ、濃いかな。
柳:私は、薄いんですよ〜。
MC:柳さんは、絡みのシーンはいかがでしたか?
柳:私は、絡みのシーンは初めてではなかったので、実は、近藤さんよりちょっと先輩。(会場笑)近藤さん、緊張されてましたよね?
近藤:緊張するよね〜。初対面ではなかったので、やりやすかったりやりにくかったり……。
柳:流れなど優しく気を使っていただき、“イイ濡れ場俳優さん”だなって。(会場笑)
MC:以前、共演された時は、先生と生徒役だったかと。
近藤:「私のあしたのつくり方」だったっけ?
柳:「あしたの私のつくり方」です。(会場笑)先生と生徒が、殺し屋とキャバ嬢になっちゃった。両方観ていただくと、もっと面白くなるかも。
MC:今回の映画で好きなシーンは?
近藤:初のベットシーンは特別な気持ちだったんですけど、自分が観てカッコイイなって思ったのは、久保田くんを一発で殴り飛ばすところ。今までは、殴っても必ず殴り返されてましたから。
加藤:完成を観ていないので……。次の回を観てからということで。
鈴木:僕のシーンじゃないですけど、ベットで話しているシーンが好きですね。後は、肩に手をまわす、あの手が好き。
久保田:やっぱり近藤さんに殴られたシーンですね。(会場笑)ありがとうございます。その後の、後姿はカッコ良かったです。僕もあんな大人になりたいです。殴っちゃダメですけど。
柳:木下ほうかさんと近藤さんの会話のシーンです。せつない気持ちになります。自分のシーンでは、走っているシーンが好きです。幻想的で綺麗だなって思いました。
窪田監督:スクリーンで観るのは、今日が初めてだったんですけど、グッとくるシーンがいくつもあって、内心ホッとしています。
MC:これから『モントリオール世界映画祭』ですが、いかがですか?
窪田監督:4回目なので、庭みたいな感じです(笑)。最初にこの企画がまとまった時に、初めて世界を目指そうと思ったんです。『モントリオール世界映画祭』が決まって、ホッとしました。
近藤:日本の映画が海外で上映される時は、反応が違ったりするという話をうかがっていますので、そこが楽しみですね。
MC:最後にひとことずつメッセージをお願いします。
近藤:映画は口コミが命です。宣伝したいただけると嬉しいです。お客さんと一緒に映画は育っていくものと思っていますので、応援のほど、よろしくお願いします。
加藤:この作品がみなさんにとって、2度3度観ていただける映画になったらいいなと思っています。僕もこの後2回観ます!
鈴木:どんな感想でも良いので、みなさんに伝えてください。監督に指導いただき、映画に対する考え方も変わった作品になりました。作品とともに成長できたらと思います。
久保田:『野良犬はダンスを踊る』という作品をみなさんに広めていただいて、多くの人に観ていただきたいです。『モントリオール世界映画祭』選出も嬉しく思います。
柳:がんばったなって。スタッフとキャストが一丸となって作りあげた作品です。10月10日に公開して、たくさんの方々に観ていただけることを楽しみにしています。
窪田監督:今日、観て「面白かったな」って思った人はツイッターやフェイスブック、ブログで「面白かった」と書いてもらって、そうじゃなかったひとも「面白かった」って(笑)、窪田映画はポジティブキャンペーンで。後、下の方に監督はイケメンだったと。
MC:それいります?
鈴木:映画のためだ!(会場笑)
柳:がんばろー!
窪田監督:みなさん、本日はありがとうございました。
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監督・脚本・編集:窪田将治
出演:近藤芳正 / 加藤慶祐 鈴木勝吾 / 久保田秀敏 山田ジェームス武 倉貫匡弘 / 川瀬陽太 柳憂怜 草野康太
/ 柳英里紗 / 木下ほうか
エグゼクティブプロデューサー:佐伯寛之 井上常明
撮影:西村博光
照明:高橋拓
録音:田邊茂男
美術:岩田有立
ヘアメイク:千野香那子
音楽:與語一平
制作プロダクション:FAITHentertainment クラスター
製作:「野良犬はダンスを踊る」製作委員会
配給:FAITHentertainment クラスター
公式HP:http://www.norainu.asia
公開:2015年10月10日(土)より渋谷ユーロスペース他、全国順次公開
©2015「野良犬はダンスを踊る」製作委員会