孤独な人間を観察することが趣味の“孤独ウォッチャー女”。人生に失望し、今まさに孤独死を迎えようとしている“頑固一徹 爺さん”。そんな2人が繰り広げる超高齢化社会という重たい背景を吹き飛ばすような破壊力満点のブラックコメディ、映画『グレイトフルデッド』の試写イベント舞台挨拶とミニライブが、10月30日(木)に、都内渋谷区のclubasia(クラブエイジア)で行なわれ、瀧内公美(冴島ナミ役)、笹野高史(塩見三十郎役)、矢部太郎(村佐古役)、木下ほうか(塩見清直役)、Heartbeat(ハービー/主題歌:「Paradise」担当 )、そして内田英治(監督)が登場した。
(MCとして木下ほうかが登場)
木下:やっとこの日が迎えられました。今から2年前に制作し、明後日(11月1日)初日を迎えます。試写会の後にライブがございます。まずは、Heartbeat(ハービー)さん、どうぞ!!
Heartbeat:ハービーです!
木下:エンドロールで主題歌が流れますが、書き下ろしということで……。
Heartbeat:映画が完成する前にお話をいただいて、完成前(未完成)の作品を観させていただいて書かせていただきました。
木下:初めて知りました(笑)。それでは、内田英治監督です。(その後、順番にキャストの瀧内公美、笹野高史が登場)
以上のメンバーでおおくりしま……、
矢部:ちょっとまってください!! いますから!!
木下:コイツです! どうぞ!
矢部:雑じゃないですか? 紹介が!!
木下:おめかししてきましたね!
矢部:プレミアム試写会なので、プレミアムな矢部太郎で来ました!
木下:それでは、ひとことご挨拶をお願いします。
内田監督:実は、この場所(クラブエイジア)は10年前に初めて映画を撮った場所なんです。10年ぶりの記念すべき日に、みなさんにどんな感想を持っていただけるか、楽しみにしています。
瀧内:主人公の冴島ナミを演じました瀧内公美です。今日は、上映後にハービーさんのライブもあります。楽しんでいただければ、うれしいなと思います。
笹野:え〜木村拓哉と申します!(会場笑) 間違えました! 笹野と申します。塩見という老人を演じさせていただきました。どうぞ、楽しんでいってくださいまし! ご覧になったならば、ご近所の方に、ご風潮くださいましね!(会場笑) これ、一番大事なことですよ。プレミアム試写会に来たからには義務でございます(会場笑)。
木下:以上のメンバーで……
矢部:以上じゃない!!(会場笑) みなさん、ご宣伝の方は、ツイッター、フェイスブック、あと……ミクシィなどでね! ぜひ〜。
木下:僕はプロデューサーとしても参加していますが、監督との最初の話しの中で、すでに瀧内さんのイメージがありましたね。
内田監督:500人以上の方をオーディションしましたが、今、主流のふんわり爽やかな女優じゃなくて、野良犬みたいな女優がイイなって思っていて……。瀧内さんは、今は洗練されているんですけど、2年前はムチムチしていて、田舎から出てきたような野性的な感じだったので彼女に決めたんです。が、今はダイエットしてスリムになって……。
木下:今は、イマイチ?
内田監督:そうですね(笑)。
木下:昔は良かったと(会場笑)。
矢部:イマイチになっちゃったんですか!!
内田監督:こんな美女じゃなかったですね。
矢部:確かに!! 今はすごい美女ですね。
瀧内:矢部さん! わざとらしいですよ!! 本音ですか?
矢部:本音です!
木下:瀧内さん、初主演映画はいかがでしたか?
瀧内:毎日、怒られました。辛くて苦しかった思い出が多くて、でも、まわりが(スタッフ・キャスト)映画の愛にあふれた方たちばかりだったので、その環境にいられたことが幸せだったんだなって、振り返ってみて思います。
笹野:私は“しわよせ”です(会場笑)。
木下:監督から、この老人の役はどうしても笹野さんでやりたいと相
談されて…。
笹野:ホテルのロビーの喫茶店でお話をいただいて、そのまま部屋に……!?
矢部:監督と部屋に入ってどうするんですかっ!!(会場笑)
木下:いかがでしたか?
笹野:監督のキラキラした目が気に入って、内容が衝撃的で、僕にできるのかな?って思って、ちょっと躊躇もしたんですが「面白い! やらせていただきましょう!」と。仕事を断らないことがモットーです。
木下:矢部さん、エピソードはありますか?
矢部:やったことのない役だったので、不安もあったんですけど、監督が「矢部くんは、今回ミスキャストだと思っている」って、言われて(会場笑)「ミスキャストだけど、それがなにかの間違えでうまくいったらイイな」って!
笹野:そんなことを……。いきなり脱げって言われなかった?
矢部:その場で脱がされました!(会場笑)
木下:意外な役ですが……。矢部さんに決めたきっかけは?
内田監督:最後に2人の候補になって、どちらにしようかと……。
監督のマイクの持ち方が気になって、それを真似る笹野。ロックンローラーのように……木下:ちょっとした賭けで、外れるかもしれないのに、なぜ彼を選んだんですか?
内田監督:最初に芝居(リハーサル)を見た時には失敗したなって。
矢部:えっ!(会場笑)
内田監督:でも、直しをお願いしたら次から変わってきたので、ビックリしました。
木下:進歩したと……。
内田監督:進歩率の高い方です。
木下:潜在的な能力が高いということですね。
笹野:あ〜そうそう、あ〜そうそう(会場笑)。
木下:笹野さん、瀧内さんはいかがでしたか?
笹野:よく怒られてましたね。
瀧内:笹野さんには、逆にまったく怒られてないんですよ。
笹野:監督がお父さん役をしているので、僕はお母さん役をしないといけないのかなって。なぐさめるしかないよね。
瀧内:笹野さんがいなければ、もたなかったですね。現場を逃げ出したことがあって……。
木下:何回か脱走して……、中断しかけて。
瀧内:笹野さんに助けていただきました。
木下:最後にひとことずつメッセージをお願いします。
内田監督:今日はライブハウスということで、爆音になってます。普通の映画館よりも迫力のなる音になっていますのでお楽しみください。
笹野:この映画は、お蔵入りで日の目を見ないものだと諦めておりました。ずいぶんと前に撮った映画なので、若干、僕が若いかもしれません(会場笑)。
瀧内:映画でしか出来ないことが集まった、今の日本に切り込むような素晴らしい作品です。
矢部:えっと……(沈黙……そして)。
笹野:ありがとう!(会場笑)
Heartbeat:主題歌の「Paradise」は、10月29日より、iTunesから配信がスタートしました。みなさん、ぜったいゲットしてください。
★その後の囲み取材では……
Q:今回はオリジナル脚本ですが、物語を作ったきっかけは?
内田監督:日本の孤独、それと、その当時に興味があった、人間の信仰心とは?といったことをテーマに、重い感じで始まりましたが、気づけばコメディなものに仕上がりました。
Q:海外(映画祭)での反応はいかがでしたか?
内田監督:海外では、みなさん笑い転げて観ていただいたことが印象に残っています。Q&Aでは、あなたは神を信じますか?と必ず聞かれましたね。海外では宗教と切り離せない映画が多いので。
Q:瀧内さん、初主演ではいかがでしたか?
瀧内:オーディションの時は、この世界に入って、まだ6カ月といった感じで、役作りもどうしたら良いのかわからないといった状態でした。脚本を読んで、主人公のナミの役が、生きる力の強い女の子の役だったので「気持ちだけは負けられない!」なって思いで挑みました。監督には、なにも持っていない私を選んでいただいたことが嬉しくて、人生のすべてを懸けようと思
いました。
Q:笹野さんの印象は?
瀧内:笹野さんからは、なにも言われなかったんですけど、ずっと隣にいてくださいました。なにも言わないけど安心できる居場所でした。
笹野:歴史的な大事なことを言ったはずだぞ〜!?
瀧内:え〜? 歴史的な??
笹野:名言を言ったぞっ!
瀧内:そうですか〜???
笹野:憶えてないな〜(笑)。
Q:脚本については?
笹野:監督から、あなたが主役ですって言われて、出来上がってみたら主役じゃないなって(笑)。やっぱり女優さんが主役なんだって。それで良かったなって(笑)。
Q:瀧内さんの印象は?
笹野:監督が選びに選んだ女優さんなんだなって、ご尊敬しておりました。ウソっぽく聞こえました?(笑)
Q:役作りは?
笹野:孤独というところを深く考えました。子供のころはひとりで遊ぶことが多く、年をとっても孤独であるということは、どういうことなのか?を考えて、フィルムにはウソを映したくないので、昔のことを思い出しながら演技しました。孤独死とは……? あなたの身にも起こるかもしれないーー!!!
Q:矢部さん、オファーがあった時には?
矢部:木下さんから脚本を送っていただいて、すぐに読んで、返信したんですけど、早すぎて「読んでないだろっ!」って。でも、本当に読んだんですよ〜。僕のイメージとはちがった役どころだったので、嬉しかったです。
Q:役作りは?
矢部:監督から「知性を伴わない暴力は恐いよね」とアドバイスをいただきましたね。
Q:木下さん、プロデューサーとしていかがでしたか?
木下:低予算で撮影期間が短い中、僕自身もスタッフの一員として、弁当、車の手配などをしました。撮影先の人を怒らせて「もう、貸せない」といわれて、泣きながら土下座して許してもらったこともありました。
監督:劇中の女優さんの前張りを木下さんが付けてましたね。
矢部:僕も木下さんに前張りを作ってもらいました。即席のガムテープで……。はがす時に痛かった。
木下:あれは、わざとだよ。いやがらせです(取材陣笑)。
Q:矢部さんを選ばれたのは?
木下:近所なんです。僕の家から2分のところに住んでいて、家の留守番をしてもらったりと。そのお礼に……。
矢部:そういった時に、演技の片鱗が見えて。
木下:いや、近所だから、お礼に。
矢部:あんまり公には……(取材陣笑)。
Q:Heartbeat(ハービー)さん、主題歌のオファーを受けた時のお気持ちは?
Heartbeat:監督から、一週間後に必要だからって言われて「えっ!?」って。歌詞やメロディラインなどは、私が作らせていただきました。
笹野:いい曲だよね〜。
Q:最後に、見どころをお願いします。
笹野:(演劇風な口調で)低予算の中、一生懸命、物語や作品というものは、お金があれば立派になるとは限らない。予算のないところでどうするか? 知恵を出し合って作った代表的な作品になっていると思います。どんな作品になっているか? 日本人は観るべきだっ!!
……なので、楽しいと思います。丁寧に作りましたよ。
映画上映後に、Heartbeat(ハービー)によるミニライブが行われ、主題歌の「Paradise」を含め2曲を熱唱! 主題歌にたいする思いを「作品のテーマは光と闇。人生の中では、苦しいことの方が多い気がします。その中で、楽しいとか嬉しいとか誰かに優しくされたとか、この歌の中では、その部分を光として、いつか死ぬ時にその光がたくさん集まって、苦しかったけど、死ぬことは恐くないなって「Love is Crazy 」「This is Great」っていいながら、死んでいけたらという気持ちで作らせていただきました」と語った。
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シネマピア/グレイトフルデッド
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監督:内田英治
脚本:内田英治/平谷悦郎
出演:瀧内公美/笹野高史
キム・コッピ/矢部太郎/酒井若菜/木下ほうか/松田賢二
主題歌:「Paradise」 Heartbeat(ハービー)
配給・制作:アークエンタテインメント
制作協力:杜方
製作:「グレイトフルデッド」製作委員会
公式HP:http://greatfuldead-movie.com/
公開:11月1日(土)より新宿ミラノほか全国順次ロードショー
©2013「グレイトフルデッド」製作委員会