まだ『Royal Cabaret』が結成したてのころ、あるコミュニティにて偶然彼らのホームページを観た。私は一瞬で虜になり、いきなりライブ写真撮影の依頼をしていた。それから、彼らのライブ写真はもちろん、CDジャケット、アーティスト写真、イベント用イメージ等、さまざまな撮影に関わった。ある意味、私の現在の撮影スタイルは彼らと一緒に歩んで来たといってもいいだろう。
ロックンロール、ニューウェーブ、パンク、ゴス、オルタナティブをボーダレスに自分たちの感覚に任せるままに混ぜ込こんだサウンド、そしてそこに広がるのはvocalのmiyuが描くゴシックでフェティッシュでキャバレーな退廃的ステージ。一瞬にして『Royal Cabaret』の世界へと引きずりこむライブは一見の価値あり。デカダンでアヴァンギャルドな世界を堪能あれ。
■Royal Cabaretプロフィール
vocal:miyu/bass:haruhiko/drums:daisuke/support guitar:須一了祐
2009年 4月フランスの『le printemps de bourges FESTIVAL』に出演。Olympiaなど、パリを中心とした全5公演のフランスツアーを成功させた。
2011年4月 kozi(ex,MALICE MIZER) feat miyu(Royal Cabaret)というスペシャルユニットとしてショートヨーロッパツアーを行った。
2011年6月1st full album 『Waltz(ワルツ)』 全国リリース、世界配信決定!!
さて、そんな彼らに全国リリース&世界配信が決定した1st full album『"Waltz(ワルツ)』の製作エピソードについて話を聞いた。
Q:今回の1st full album『Waltz』 の製作のきっかけは?
miyu:前作、自主制作盤の『Vetigo Doll』を産み落としてから月日が経ち……そろそろ新作を作りたいなぁと思っていたところに愉快で最高のクルー"LoveUnlimited"の皆さんと劇的な出逢いを果たし、時が満ちたので創作に取り掛かりました。
haruhiko:なんでしょうか。忘れちゃいました。でもそれは小さな出来事であり、大きな意味を持つものだったような気がします。
Q:アルバム制作時の苦労話やエピソードなどを教えてください。
miyu:レコーディングは3月に入ると同時に始まりました。リズム隊を録り終え、満を持してヴォーカルレコーディング初日を控えていたその日は3月11日で……私は歩道を歩いていた時にあの揺れに襲われたのですが、交通機関が麻痺する前に帰宅できたし、私の頭の中はそんな事態だというのに、変わらずレコーディングのことでいっぱいだったので、緊急事態を感じることもなく、真夜中のレコーディングに備えてなんの疑問も抱かず仮眠をし……起きるとレコーディング中止のメールが届いていました。
異変を感じてテレビをつけるとそこには映画のような悪夢の世界が広がっていて……創作モードになっている私の脳は現実を受け止めることができないままでした。
その後、計画停電がはじまり、節電や余震が絶えない中で再開したレコーディングでした。日本中は、娯楽やアート活動などを不謹慎とする空気が激しく漂い、私の心の中はというと、一人の人間として初めて味わう不安や悲しみで覆われてしまい、そんな普通ではありえない環境下で進めなくてはいけない、ごく日常的な創作行為………今振り返っても、言葉で説明することのできない混沌とした気持ちでした。
しかし、ネガティブも一周させてポジティブにするコトをモットーとする私の脳は思いつくすべてのネガティブを、創作に必要なパワーとして変換して声でアウトプットしていました。もちろん、震災のためにレコーディングスケジュールはずれ込み、4月に行ったkozi(ex,MALICE MIZER)さんとのヨーロッパツアーを挟むことになったのですが、帰ってきて即日にヴォーカルレコーディングは再開して、超弾丸スケジュールのなか行なわれたツアーを終え、良き意味で退廃的に仕上がっていた喉と、ヨーロッパで肥やした感性とが混ざり合う私の声、帰ってきてから録った歌声は意外とお気に入りでもありますね。まぁ、このアルバムすべてがお気に入りですけれど。
haruhiko:曲に対するイメージや、世界観が常に自分の頭の中でカオスの状態にあり、それを具現化するのに苦労しました。
daisuke:アレンジを考えるのが大変でした。だいたいmiyuちゃんていう人はすごく抽象的な言葉でアレンジを提案してくるので、例えば「ここはコスモゾーンなんだけどいきなりキラキラ星が来た感じでやってみて」とか……。全然わからんし!って一人で困ってました(笑)。レコスタでの差し入れはほとんど僕が食べちゃいました(笑)。あと、なぜか眠気覚まし用で“G”(おろし生姜。ジンジャーの頭文字)が用意されてたんで、気合いいれるために食べてみたら気分悪くなって逆効果でした(笑)。
Q:PV撮影、アルバムジャケット作成の苦労話やエピソードなど教えてください。
miyu:Royal Cabaretとしては初めてのPV撮影でした。
そうですね、まず、『Angel Gnaw』という曲でPVを撮影するとは夢にも思っていなかったです。
皆さんはどう感じるかはわからないけれど、この曲は『Royal Cabaret』のなかではニュータイプな子というか……そんな子をPVにするとは想像もしていなかったのですが、監督のエディさんが“エンジェル”をお気に入りで、私たちも曲としてはかなりお気に入りだったのもあって、エディさんの「エンジェルで録るぞ!」との言葉を受け、うん、なんか面白そう、っと思ってこの子に決めました。そして初めてのPV撮影でしたが、よくわからないけれど、単純にエディさんとのクリエイティブなセッション、感性とのぶつかり合い、って感じで特にかしこまることもなく自然とやれました。
スチールの撮影は、『Royal Cabaret』が物心ついた頃から撮影してくださっているkogenさんに今回もお願いしたのですが、うん、毎度のことながら私の朧げなイメージを広げながらのセッションという感じにも関わらず、さすがkogenさんって感じの写真がたくさん撮れました。ジャケットはいっぱい撮った写真を見て、アルバムタイトルと照らし合わせながらパズルをするように選びました。タイトルは撮影後に決めたので。撮影やブックレットの素材として使った十字架や19世紀の生地や額縁などは私がヨーロッパのアンティークマーケットで買ったモノで、家の中はそんなモノでいっぱいなのですが、撮影で使ってしまうたびに、早くまた新しい子を買い付けてこないとって、今もソワソワしてます。
haruhiko:各種撮影が終わったあと、男三人でそれぞれを褒めちぎりあいながら、かっこいいポーズの撮影をしていました。
daisuke:自分が叩くドラムの生音で音源の音が聴こえなくて大変だったです。そしてまさかまさかのドラム用の椅子を忘れて……。代わりに撮影スタジオにあった椅子をドラムセットにおいてみたらみんなが「それカッコいい!」って……。確かにヴィンテージっぽいカッコイイ椅子でしたが、そんなのに座ってドラム叩くってねぇ(笑)。絶対みんなが僕のことうまいこと言って騙して楽しんでるに違いないってずっと疑ってました(笑)。
Q:それでは最後にアルバムの発売に関してみなさん、お願いいたします。
miyu:ずっと、国境や人種など関係なくひとりでも多くの人に聴いてみてほしいと思っていた私たちの音を、やっと届けられる事に喜びを。いままでもそしてこれからも、支えてくれたメンバーや仲間や応援してくれてる皆、そしてそんな環境を作ってくれたレーベルの皆さんに感謝でいっぱいです。ぜひ私達の"Waltz"というを世界を覗いてみてください。
haruhiko:今回は、今までで一番『Royal Canaret』らしさが出ている作品に仕上がったと思っています。私たちの"Waltz"の世界へ、どうぞひきこまれてみてください。
daisuke:このアルバムに今までの『Royal Cabaret』、そしてこれからの『Royal Cabaret』もすべて詰まってます。時間の許す限りこだわって今の自分達にできる精一杯のことや、これが好きだって物を表現できたと思ってます。自分的にもとても愛着のあるアルバムなんでぜひ聴いてみてくださいね!
Royal Cabaret 1st full album
『Waltz(ワルツ)』13曲収録 2500円
5月27日:ライブ会場限定先行発売
6月1日:世界配信開始
6月22日:全国発売
Label:Love Unlimited
■ライブ情報
5月27日(金)新宿MARZ
Royal Cabaret 1st album "Waltz" リリースパーティ
http://ameblo.jp/royalcabaret/entry-10849788348.html
6月25日(土)渋谷Chelsea Hotel
Love Unlimited present "Tokyo Rouge #1"
http://ameblo.jp/royalcabaret/entry-10875396120.html
Royal Cabaret HP:http://www.royalcabaret.com/
Royal Cabaret blog:http://ameblo.jp/royalcabaret/
miyu Twitter:http://twitter.com/xxxRCmiyuxxx