ついに夏本番がやって来ちゃいましたねー。外を歩くのが怖いくらいの暑さってどうなのよ……。さて、今回は7月9日に渋谷クラブクアトロで行なわれたJAKE E.LEE’S RED DRAGON CARTEL(以下RDC)のライヴレポート後編をお届け(前編はこちら)。ジェイク・E・リー25年振りの来日公演は、RDCの楽曲のみならずオジー・オズボーンやBADLANDSの楽曲もプレイされ、ライヴ中盤を迎えてさらなる盛り上がりを見せております!
ダレン・スミスが素晴らしいヴォーカルを披露した『In A Dream 』に続いてプレイされたのは、同じくBADLANDSの『Rumbling Train 』。この曲では長めのギターソロタイムが挟まれて、ジェイクのギターを存分に堪能。フィードバックを利用したノーピッキングのプレイや、ウイスキーのミニボトルを使ったスライドプレイには痺れた! ジェイクはトリッキーなプレイが取り沙汰される事が多いけど、基本のテクニックがしっかりしていて、ひとつひとつのプレイが音楽的なんだよね。ブルージーなソロでの“タメ”には色気があるし、叫ぶようなチョーキングやワイルドなヴィブラートは実にエモーショナルだ。速弾きは以前に比べると怪しくなってるけど、プレイそのものには円熟味が加わって、以前よりも魅力的かもしれない。メンバーが演奏を終えると、素晴らしいソロとメンバーの手堅いプレイに、この日いちばんの大きな拍手が送られた。
続いて、ジェイクのお気に入りだという『Sun Red Sun 』をプレイ。個人的にはそんなに良い曲だと思わないんだけど、今聴いてもまったく古さを感じさせないのは凄い。翌日のライヴではジェイクがこの曲のイントロをミスり、舌を出すという微笑ましい場面も。57歳のてへぺろ! ライヴにミスは付きもの。あんまり細かいことは言いません……でも、ミスとは違うけど、MCの間にギターの音を鳴らしちゃったりするのは気になったなあ。そういう行為はプロフェッショナルじゃないと感じるんだよね。意見が分かれるところだろうけど、少なくともオジーのライヴでは許されないでしょ? そんなに大きくないクラブでやる分には、ゆるい雰囲気も味になるのかもしれないけど。
『In A Dream〜Rumbling Train』
最近のライヴ動画。Rumbling Trainでジェイクのギターソロが堪能出来ます!
「For Japan Only!」とのMCの後に始まったのは、パンキッシュで勢いのある『Wasted 』。アルバム では元IRON MAIDEN のポール・ディアノ が歌っているからか、これまではやっていなかったらしいんだけど、日本では何か特別な事をしたいとセットリストに入れてくれたみたい。きっと、俺がRDC公式Twitter にこの曲と『Killer Of Giants 』が聴きたいと書き込んだからだと思うよ(笑)! 『Killer〜』も聴きたかったなあ。ただ、『Wasted』はライヴ映えのする良い曲だったけど、ダレンの歌い方がポールの物真似っぽくて、コピーバンドじゃないんだから……と、ちょっと興醒め。まあ、いろんな歌い方の出来る器用な人なんだろうね。
大盛り上がりの『Feeder 』でライヴ本編は一旦締め。そしてアンコールは、ジェイクといえばこの曲、皆が待ち望んでいた『Bark At The Moon 』だ! それまでも充分にスシ詰め状態だった客席が、興奮して前方に押し掛けるファンでさらに密度を増した。曲の頭からダレンの声が聴こえなくなるほどの大声で皆が歌い、大サビではダレンと一緒に遠吠えをする。ライヴ終盤でもこの盛り上がり! 実は、ジェイクのギターでこの曲を生で聴くのが初めてだった俺は(クリニックでは聴いたけど)、目の前でジェイクがあの名リフを弾いているのが信じられなくて、頭がどうにかなりそうだった。ああ、この瞬間がずっと続けばいいのに……。しかし、アンコールはこの1曲のみであっさり終了、全体でもたったの12曲しかやってくれなかったのにはガッカリ。それでも、ライヴ終了後に手が届く範囲のファンとたっぷり握手を交わし(俺とも!)、 大きな歓声に応えるメンバー達の顔に満足そうな笑みが浮かんでいるのを見たら、こっちも嬉しくなったよ。
『Bark At The Moon』
ジェイクといえばこの曲! 86年のライヴ映像。最近の見た目と比べちゃダメよ
完璧なライヴだったとは言えないし、オジーやBADLANDSに比べると、どうしてもバンドのスケールが小さいと感じずにはいられなかったけど、ジェイクは17年も隠居してたんだもの。再スタートとしては、充分過ぎるほどの素晴らしいライヴだった。そしてもちろん、RDCが今後も続くなら、これ以上のものを見せてほしいと思う。でも、ジェイクはまた引退したって構わないと発言しているんだよなあ。次はないかもしれない、そう思って、しっかりと目と耳の両方に焼き付けたけど、25年振りにライヴを観られるという奇跡が起こったんだから、また次もあるんじゃないかと期待してしまう。ジェイクにもきっと、皆がどれだけ自分のことを待っていたのかが伝わったはずだ。引退するなんて言わないで、またライヴをやりに戻って来てね……。
渋谷クラブクアトロ セットリスト (7月9、10日共通)
ワンマンライヴなのに12曲ってやっぱり少ないよねえ。
1.Ultimate Sin (OZZY OSBOURNE)
2.Deceived (RED DRAGON CARTEL)
3.War Machine (RED DRAGON CARTEL)
4.High Wire (BADLANDS)
5.Shine ON (BADLANDS)
6.Shout It Out (RED DRAGON CARTEL)
7.In A Dream (BADLANDS)
8.Rumbling Train (BADLANDS)
9.Sun Red Sun (BADLANDS)
10.Wasted (RED DRAGON CARTEL)
11.Feeder (RED DRAGON CARTEL)
En.1 Bark At The Moon (OZZY OSBOURNE)
※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
とにかくここから アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/