本格的な梅雨のシーズンに入ったみたいですねえ。なかなか乾かない洗濯物に日々鬱々としております……。さて今回は、これまでに何度も名前が出ているのに、一度も取り上げたことがなかったDIO をご紹介! DIOは、当時BLACK SABBATHを脱退したばかりのロニー・ジェイムズ・ディオが結成し、83年にデビューしたバンドで、このところ特集していたWHITESNAKEのダグ・アルドリッチや、ヴィヴィアン・キャンベル などのギタリスト達も在籍していました。
ロニー・ジェイムズ・ディオ。
この、いわゆるメロイックサインは、ロニーが広めたと言われています
RAINBOWやBLACK SABBATHでHR/HMの世界に様式美という概念を確立させたロニーは、イタリア系のアメリカ人でありながら甘いラヴソングは一切歌わず、ドラゴンや魔術といったファンタジーや、中世の騎士道などを好んで歌詞のモチーフにしていて、それはある種、自身のバンドだけでなくヘヴィメタルそのもののイメージにもなっています。そして、その力強く張りのある歌声とドラマティックな歌唱で多くのフォロワーを生み出し、あのリッチー・ブラックモアをして「私がシンガーだったらロニーのように歌いたい」とまで言わしめた、まさに”Voice Of Heavy Metal”という人物。そんなロニーが新たに始めたバンドだから、DIOのデビューは大いに話題なったようです。そのころの俺はまだ小学生だったし、さすがにリアルタイムじゃなくてね。初めて聴いたのはサードアルバム が出たころだったかな。
当時、見た目も派手でキャッチーな曲をやるLAメタルのバンドばかりを聴いてた俺には、魔法使いのような衣装を着た大ベテランのロニーはオジさんにしか見えなかったし、様式美の重厚な世界観もよくわからず、なんとなく敬遠してました。ヴィヴィアン・キャンベルもまだ若さ丸出しというか、荒々しい速弾きばかりが印象に残ってあんまり俺の好みじゃなかったし……現在のヴィヴィアン のプレイは大好物なんだけど。それでも、RAINBOWやBLACK SABBATHを聴くようになってロニーの凄さを知り、改めて聴いてみてようやくDIOの魅力にも気付いたんだよね。DIOはその2バンドのハイブリッドとでも呼べるようなサウンドで、実はとんでもなくカッコいいバンドでした。
『We Rock』
これぞDIO! 思わず拳を振り上げたくなるね。ギタリストはヴィヴィアン・キャンベル
ただ、DIOはあくまでロニーが中心のバンドで、メンバーチェンジも多く、残念ながら作曲パートナーになるギタリストによっては曲の出来にバラつきがあったと思う。あくまで個人的な意見だけど……正直言って、ヴィヴィアン以外のギタリストが書いた曲にはキラー・チューンと呼べるものが少なかった。こんなことを言うと熱狂的なファンには怒られるかもしれないけど、他の誰かが歌ったDIOのカヴァーを聴いて、こんなにつまらない曲だったっけ、と思ったことすらある。でも、ロニー本人の力強い歌声が乗ると、同じ曲が平均点を軽く超えた凄い曲に聴こえるんだよね。DIOの最大の魅力は、やっぱりロニーの歌声だ。曲そのものよりも、ロニーの歌声の魅力が勝っている。これでもっと曲が良ければ、と思っていたファンは俺だけじゃないはず(良い曲もたくさんありますよ、念のため)。
『Rock ‘N’ Roll Children』
こちらもヴィヴィアン時代の名曲。ロニーしか出てこないけど、良いPVです
ロニーにはもっと別のギタリストと組んでほしかった……リッチー・ブラックモアとか(笑)。ヴィヴィアンもダグも、その他のギタリスト達もとても良いギタリストだけど、リッチーとのRAINBOWを超えられなかったと思う。DIOの紹介をしてるのにそんなことを書くなって感じだけど、実際にそう望んでいたファンは多く、RAINBOWの再結成は何度も噂に上ったし、BLACK SABBATHは二度再結成、名前を変えてHEAVEN AND HELL としても活動した。RAINBOWの再結成が実現しなかったのは、本人たちの問題というよりも、マネージメント間の軋轢が原因らしい。残念。
RAINBOWの再結成は実現しなかったけど、HEAVEN AND HELLやDIOとしての活動を順調に行なっていたロニーは、胃癌を患い2010年に帰らぬ人となってしまう。60歳を越えていながらも、亡くなる前年まで精力的にライヴを行ない、変わらぬ力強い歌声を保っていたロニー。その歌声や、小柄ながらも存在感が大きいというイメージから、鉄人だとか、小さな巨人だとかいう印象をロニーに抱いている人が多かったと思う。闘病のニュースが伝わってきた時も、今思えばバカみたいだけど、ロニーなら治るだろう、なんて思っていた。そう思わせる強い人だった。実は、なぜだか毎回都合が合わず一度もDIOのライヴを観ていない。HEAVEN AND HELLのライヴにも行けなかった。無理してでも行けばよかったと今でも悔やんでるけど、一度も観ていない分、かえって亡くなったという実感がわかない。だから、あの小さな巨人は、今日もどこかでライヴをやって聴衆を圧倒している……そう思わずにいられないんだよね。
『I Could Have Been A Dreamer』
二代目ギタリストのクレイグ・ゴールディ時代の名曲。
クレイグってなぜかあんまり人気ないんだけど……、俺は結構好きでした。
曲もいいと思うけど、ちょっとポップ過ぎたかな?
※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
とにかくここから アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/