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「あなたには観る義務がある」「今年最も恐ろしい映画」「あなたの一生を変えるはずだ」と、各誌が今までにないコメントを寄せている本作。

アメリカの元副大統領アル・ゴアが、地球温暖化によって引き起こされる現実を各地で講演し、危機を訴えて歩く姿を描いたドキュメンタリーだ。ニューヨーカーが選ぶ「ナショナル・ボード・オブ・レビュー」ドキュメンタリー映画賞を受賞するほか、ワシントンDC地域映画批評協会最優秀ドキュメンタリー映画賞受賞、ロサンゼルス映画批評協会ドキュメンタリー/ノン・フィクション映画賞受賞、ゴールデン・サテライト賞ドキュメンタリー映画賞ノミネートなど、早くも各所から絶賛の呼び声が高まっている。

ドキュメンタリーといっても退屈なものではなく、映像はどれも視覚に訴える効果的なものだ。観る者を飽きさせず、ユーモアを交えながら様々な研究結果と驚愕の事実を示していくアル・ゴアのエンターテイナーとしての資質にも感服させられる。

私たちが何気なく日常生活を送っているこの瞬間にも地球温暖化が進み、悲惨な状況が広がり続けているという事実は驚愕そのものだ。だが、あまりにも保護されすぎた環境にいるため、人類がその事実に気づくのは容易なことではない。

人間という動物は他の野生動物と比べて自然環境の悪化による直接的被害は受けにくくできている。建物、衣服、空調設備などにより、不快な思いは最低限に抑えられているから、“温暖化”と聞いても今ひとつピンとこなかったりするのだ。しかし、溺死した北極グマ、種の絶滅、年々異常さを増す自然災害といったものを目の当たりにしたとき、将来人類にも訪れる危機を想像することができる。「チーム・マイナス6％」が提言するところの、各人が負担なくできるほんの少しの努力の重要性を知らしめてくれるのだ。

我々がどんな生き方をしようと、責めるわけでもなく足元を支え続けていてくれる大地。この大いなる愛に精一杯こたえていこうと思わせてくれる、崇高な作品だ。