アベンジャーズの内輪もめ? キャプテン・アメリカ、アイアンマン、ホークアイ、ブラック・ウィドウ、スカーレット・ウィッチ、ヴィジョンら、そうそうたる顔ぶれのマーベルのスーパーヒーローたちがそれぞれの大義名分を背負い、真っ二つに分かれて大乱闘! 本当の正義とは、友情とは、果たして……?
人類の平和を守るため、身を粉にして戦ってきたアベンジャーズ。だが、一見華々しく見える彼らの活躍の影では、その戦いに巻き込まれて命を落としてしまう何の罪もない一般市民も少なからず存在していた。そんなアベンジャーズを危険視する声は日に日に高まり、ついに彼らは国際的政府組織の管理下に置かれることになる。これに従おうとするアイアンマンと反発するキャプテン・アメリカは、それぞれの同志とともに熾烈な内戦(シビル・ウォー)を繰り広げる……。
どちからが間違っていてどちらかが正しい、といった単純な話ではないところが本作の大きな魅力のひとつだ。その人間味あふれるドラマに乗っかり、ある者は社会正義のため、ある者は友情のため、超人的パワーを駆使してガチバトルを展開する。アクションシーンは息をつかせぬ迫力で、特殊能力炸裂のオンパレード。まばたきをする暇もない。だが悪者をやっつけるパターンとは違い、「相手を殺すまではやんないでしょ?」という妙な安心感もあるのもまた事実。実際はウォー(戦い)というよりはファイト(喧嘩)なのだが、残念ながらそんな楽観的観測から外れて命の危険にさらされるキャラも皆無ではない。また、この対立とは別の動線も同時進行しており、さらにラストには胸をえぐられるような事実も発覚する。……すなわち、なんだかんだでハラハラしながら見るっきゃないのだ。
配給会社の垣根を超え、ソニーピクチャーズの新スパイダーマン、トム・ホランドが堂々の初登場。逆に、ソニーの新スパイダーマンにもアイアンマン役のロバート・ダウニー・Jrが正式に出演することが決定したばかり。
個人的には、スカーレット・ウィッチを見つめるヴィジョンの視線に胸アツ。天才的人工知能は、果たして完璧な恋愛が可能なのか? この二人の今後の関係性にも大注目なところだ。
とかく豪華なアベンジャーズのキャラに目が行きがちではあるが、今回の悪役であるダニエル・ブリュール(『グッバイ、レーニン!』、『サルバドールの朝』)の重厚な存在感にも惜しみない賛辞を贈りたい。彼こそが本ストーリーの影の立役者であり、裏舞台を一枚岩で支える重要な存在なのだ。
監督:アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ
脚本:クリストファー・マルクス&スティーヴン・マクフィーリー
出演:ロバート・ダウニーJr.、クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、セバスチャン・スタン、アンソニー・マッキー、ドン・チードル、ポール・ベタニー、エリザベス・オルセン、チャッドウィック・ボーズマン、ポール・ラッド
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
公開:4月29日(金)全国ロードショー
公式HP:Marvel-japan.jp/Civilwar
©2016 Marvel.