NPO団体「温個知心の会」主催で、2月14日(日)に「ペコロスの母に会いに行く」を吉祥寺の武蔵野公会堂にて3回上映。
★映画「ペコロスの母に会いに行く」吉祥寺上映会
出演:赤木春恵 岩松了 原田和貴子 加瀬亮
監督:森崎東
2013年度 キネマ旬報ベストワン作品
日時:2月14日(日)
10時30分より
13時30分より
16時30分より (上映時間 113分)
会場:武蔵野公会堂 (吉祥寺駅北口 徒歩2分)
会費:前売り 1,000円 (当日 1,200円)学生半額
主催:NPO法人 温個知心の会
後援:武蔵野市社会福祉協議会
連絡先:090?7288?1489 (仲内)
『ペコロスの母に会いに行く』
■ストーリー
岡野ゆういちは長崎生まれの団塊世代。漫画を描いたり、音楽活動をしたりと趣味にうつつを抜かし、仕事に身が入らないダメサラリーマンだ。
「どんげんでんなる どんげんでんなる どんげんでんなるてゆうたろうが〜♪」。ライブハウスでオリジナルソングを歌い上げて悦に入っていると、それを邪魔するように携帯電話が鳴り響く。客席を睨みつけるが、鳴っていたのはゆういちの携帯。母親のみつえから「下水の工事が来た」という連絡だった。悪徳業者にだまされているみつえに、「お金ば払うちゃいかんぞー!」とシャウトすると帽子がポロリ。小さいたまねぎ“ペコロス”に似たゆういちのハゲ頭が露わになる。
みつえの認知症が始まったのは、夫のさとるが亡くなった頃からだ。それから10年、ある日はさとるのために酒を買いに出たところを孫のまさきに見つけられて連れ戻され、またある日はゆういちが帰ってくるのを駐車場で待ち続けて、危うく轢かれそうになった。そして、箪笥の引き出しから汚れた下着が大量に出てきたことも。ケアマネージャーに勧められたゆういちは、悩みながらもとうとう、みつえを介護施設に預けることにする。
みつえが入ることになったのは、老人たちがみんなで歌を合唱するような明るい雰囲気のグループホームだった。女学生時代に戻って恋をしているらしいまつ、誰にでもアメをねだるユリ、隙あらば美人介護士の胸を揉む洋次郎などなど、個性豊かな面々がみつえを歓迎する。しかし、みつえは「“ふせ”(当て布をして繕うこと)ばせんといかん」と部屋にこもり、他の人の目には見えない縫い物をし続ける。
みつえは10人兄弟の長女として育った。畑仕事でボロボロになった弟や妹たちの服を毎日繕うのがみつえの仕事。結婚後も、さとるが給料のすべてを酒に使ってしまうため苦労のしっぱなしで、さとるの背広やゆういちたち子供の服は“ふせ”だらけとなっていた。みつえの記憶は少しずつ過去へ遡っていっているようだった。ある日、みつえは、夫のさとる、幼なじみのちえこ、8歳で亡くなった妹のたかよが会いに来たと語る。「そうね」と素っ気なく答えるゆういちに、「死んでからのほうが、うちによう会いにくると」とうれしそうに微笑むみつえ。ゆういちは「ボケるとも悪かことばかりじゃなかかもな」と思い始めるのだった……。