アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン

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完璧な平和維持システムを作り上げるはずの人口知能が暴走し、人類を襲う――。世界の危機を救うために、あのアベンジャーズが再び終結! 全世界歴代興行収入ランキングでは、あのアナ雪、ハリポタを抜き、世界中が熱狂。マーベル&ディズニーが、堂々の実力を見せつけた!

戦う実業家アイアンマンことトニー・スタークは、仲間のアベンジャーズにも内緒でとある計画を進めていた。その計画とは、人口知能による完璧な平和維持システム「ウルトロン計画」。だが、完璧だったはずの人口知能は暴走を始め、人類とアベンジャーズに攻撃をけしかける……。

2012年の『アベンジャーズ』の続編である本作。1作目を超えるためにはそれ相応のアイデアが必要だが、それを見事にクリアし切った続編だ。王道を「ありきたり」ではなく「王道たらしめる」ためには、並大抵の努力では足りない。奇をてらったストーリーや描写では観客の感情移入が難しいし、かといってフォーマットをなぞっただけでは何の面白味もない。本作はその絶妙なラインを堂々と渡り切っている。

20150622cpic_a.jpgそれぞれのキャラの描写も素晴らしい。ストーリーの要となる人口知能はピントがずれた抽象的なことをよく喋る。本人は頭脳明晰なつもりなのだろうが、目は座っており(機械なのにそう見えるのが凄い!)、傍目には雄弁な知能犯、人の言うことに耳を貸さないサイコ、あげ足を取って絡んでくる狂人のようにも見える。また、今回初登場の双子の姉はメンタルが弱いが、それを払拭するあるシーンが観客の心をわしづかみにする。他のキャラもいちいち面白いセリフをぶっ込んでくるので、都度都度笑える。人工知能に対峙する超強力キャラもお目見えするのだが、マスコミ用パンフではその勇姿がない(クレジットはされているが)。隠されているわけではないので検索すればそれが誰なのか、どのキャラを演じているのかは明らかになるのだが、それ自体がネタバレになる気がするのでここで語るのは控えておく。ちなみに私は、その俳優が誰かはエンドロールで名前を見るまで全くわからなかった。

テレビやネットの予告CMではまるで『アルマゲドン』を意識したかのような壮大な曲が流れており、この曲はこの曲で非常に感動的なのだが、本編中では流れない。挿入歌ではなくあくまでイメージソングとしての位置づけに留まっている。また、本国のマーベルのサイトでもこの曲が公式ソングだという記述は一切ない。何らかの事情により日本ではこの曲が宣伝“のみ”に使われることになったのだろうが、今のところCD販売の情報はなく、iTunesでの配信のみ。曲はなかなか良いだけに、この扱いにどこかモヤッとしたものを感じてしまう。

スケールも大きいし、ハラハラドキドキもするし、ロマンスもあるし、思わず涙も出ちゃったし、アベンジャーズ同士の力関係も組織内の攻防も、友情も、愛情も、見事なバランスで調和し、作品自体が大きなエネルギーを発している傑作。是非、大劇場でご鑑賞いただきたい。私もまた、試写では飽き足らないので公開日が来たら再度劇場で観るつもりでいる。それくらい面白かった作品なのだ。

・脚本&監督:ジョス・ウェドン
・出演:ロバート・ダウニー Jr、クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、ドン・チードル、アーロン・テイラー=ジョンソン、エリザベス・オルセン
・配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
・公開: 7月4日(土)ロードショー
・公式サイト:http://marvel.disney.co.jp/movie/avengers.html

 

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