来ました!!『電人ザボーガー』です! えっ、知らない?……そうかも知れませんね。
説明しよう! 『電人ザボーガー』とは、70年代の特撮ヒーロー全盛時代『ウルトラマン 』(円谷プロダクション)、『仮面ライダー 』(東映)、『マグマ大使 』(ピープロ)などなど、数え上げたらキリがないですけど、その中でピープロが『怪獣王子 』、『宇宙猿人ゴリ(スペクトルマン)] 』、『快傑ライオン丸 』、『風雲ライオン丸 』、『鉄人タイガーセブン 』に続いて制作したのが、この『電人ザボーガー 』なのである。今では『トランスフォーマー 』の原典ではないかと囁かれながら熱狂的ファンを現在でも獲得している作品だ。
秘密殺人強盗機関Σ(シグマ)から地球の平和を守るため、イカす格闘術を駆使し、“怒りの電流”を発生させ、亡き父が作った、変形型バイクロボット「ザボーガー」を操りともに日々闘い続ける痛快特撮ヒーローなのだ。う〜む、現役世代は今の50代前後か……。まさに、主人公の板尾創路(1963年生れ)世代だ。
物語は2部作で構成され「青年期の章」「熟年期の章」を経て主人公・大門豊と「ザボーガー」の半生に渡る絆を描くドラマとなっており、板尾はその「熟年期の章」の大門豊を演じる。青年時代は『炎神戦隊ゴーオンジャー 』などで活躍中の古原靖久が演じ、監督には、いまや日本のみならず海外ですさまじい人気を誇る『片腕マシンガール 』、『ロボゲイシャ 』の井口昇。監督自身今までの作品とはケタ違いの最高額の総製作費をかけ、この壮大なる特撮オペラに挑んだ。まさに特撮ヒーロー作品大好き人間には、はずせない映画だ!
『第1部 たたかえ!電人ザボーガー!』では、70年代のテレビ放送さながらの内容で無意味に派手なアクションの連発が痛快だ。ミスボーグ役の山崎真実の演技も弾けていて必見。というか、出演者すべての演技が濃いのである。もう、なんだか心が少年時代にタイムスリップしてしまう。
そして『第2部 耐えろ大門! 人生の海に!』は、それから25年後という、熟年大門豊は生活習慣病をかかえた、まさにリアルな現実の世界の男になっていた。しかし、そこから愛と正義と友情のため立ち上がるのである。がんばれ! 70年代特撮ヒーロー世代の男たちよ!
脇を固めるキャスト陣も豪華で、敵のΣの総帥、悪ノ宮博士に柄本明、主人公とともに悪を追う刑事が渡辺裕之、そして大門の父・大門勇が竹中直人と、彼らもまた、熱い熱い濃い演技を見せてくれる。そして、音楽も凝っている。子門真人バージョンが……感激!
今思えばピープロの特撮ヒーロー作品はレアだった。その中でもこの『電人ザボーガー』は凄い。勧善懲悪のストーリーと愛と正義と友情を、そう、純粋だったあのころに返ってみてはいかが?
監督・脚本:井口昇
★出演
大門豊(熟年期):板尾創路
大門豊(青年期):古原靖久
ミスボーグ:山崎真実
秋月玄:宮下雄也(RUN&GUN)
AKIKO:佐津川愛美
新田警部:渡辺裕之
悪ノ宮博士:柄本明
大門勇博士:竹中直人
★
製作:2011「電人ザボーガー」フィルム・パートナーズ
企画・原作:ピープロダクション
配給:ティ・ジョイ/キングレコード
配給協力:日活
公開:10月15日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー!
公式HP:www.zaborgar.com
©2011「電人ザボーガー」フィルム・パートナーズ