目覚めると妻さえも自分を「知らない」と言い、見知らぬ男が自分を名乗っていた……。そんな驚愕のストーリーが、『シンドラーのリスト』、『スターウォーズ』シリーズ、『ナルニア国物語』で名高いリーアム・ニーソン主演で全米初登場No.1のスタートとなった。
学会出席のため、ベルリンに降り立った植物学者のマーティン・ハリス博士(リーアム・ニーソン)と妻のリズ(ジャニュアリー・ジョーンズ)。空港にアタッシェケースを忘れたことに気づいたマーティンは、ホテルからタクシーに飛び乗って空港へ戻ろうとするが、交通事故に遭ってしまう。昏睡状態から目覚めた彼が真っ先にホテルにいる妻のもとに戻ると、彼女は彼を「知らない」と言い放つのだった……。
身分証も何もなく、確かなのは「自分は自分である」との記憶だけ。それだけならまだしも、最愛の人までもが自分を自分だと認めてくれない上に、顔も体つきもまったく違う見知らぬ他人が自分を名乗り、妻さえもそいつを夫だといい、おまけに命までもが狙われるという始末。まだ昏睡状態の中にあって夢でも見ているのかと思いたくもなるこの状況。種明かしをされれば「なんだ、そういうことか」と腑に落ちるが、まったくそれを予見させない見事なストーリー展開。お決まりのカーチェイスも迫力とリアル感満載で、エンタメの要素としては限りなく100点に近い。
俳優陣も豪華だ。リーアム・ニーソンはもとより、『フロスト×ニクソン』のフランク・ランジェラや『ヒトラー/最期の12日間』のブルーノ・ガンツ、『イングロリアス・バスターズ』のダイアン・クルーガー、そしてこの夏公開予定の『X-MEN』シリーズのジャニュアリー・ジョーンズ。特にジャニュアリー・ジョーンズのクールビューティー加減は溜息が出るほど。
我々が、自分が自分であることを証明するには? DNA鑑定という手もあるだろうが、本作のこの設定ならその情報すら何者かに操作されていても不思議ではない。ならばどうするか。自分を知っている誰かがそれを証明してくれる以外にない。その方法は、絶対ではなく相対なのだ。 結果、知りたかった"本当の自分"は、本当に自分が望んでいた姿だったのか。上質のミステリーであるとともに、"自分"というものを深く考えさせてくれる逸品。
ちなみに、当初は日本語タイトルの『身元不明』で公開予定だったが、先の地震の影響で原題どおりの『アンノウン』での公開となったそうである。
アンノウン(Blu-ray&DVDセット 初回限定生産)
原作:ディディエ・ヴァン・コーヴラール
監督:ジャウム・コレット=セラ『エスター』
脚本:オリバー・ブッチャー/スティーブン・コーンウェル
出演:リーアム・ニーソン/ダイアン・クルーガー/ジャニュアリー・ジョーンズ/エイダン・クイン/ブルーノ・ガンツ/フランク・ランジェラ
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開:新宿ピカデリー他 全国ロードショー
公式HP:http://wwws.warnerbros.co.jp/unknown/
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