4月15日 佐賀県唐津市 ボートレース唐津
唐津とは、佐賀県唐津市。「唐津くんち」で有名な町である。ここは、東京から向かうと実に遠い。全国24ボートレース場のなかで、間違いなくもっとも遠方のレース場である。なにしろ、空港がなんとも中途半端な場所にある。佐賀空港より福岡空港のほうが近いのだ。近いといっても、福岡空港からは電車で1時間30分ほどかかる。在来線でえっちらおっちら進むのは、精神的にもこたえる。なんともはや、行きにくい土地なのだ。唐津出張となると、まずは移動に憂鬱となるのが常なのである。
しかし! 辿り着いてしまえば、唐津はサイコーなのだ! 酒が美味い! 魚が美味い! 人が優しい! 海も山も川もある街並みはなんとも美しく、街を見下ろす唐津城は雄大だ。4月中旬のマスターズチャンピオン(名人戦)取材は実に8泊の長期戦だったが、8泊では物足りないほど、居心地は抜群である。
まずは、イカ! 唐津といえば、何をさておいても、イカである。「呼子のイカ」といえばもはやブランド。唐津の中心地から車で数十分、ここのイカはたぶん世界一だと思う。
コレは世界一でしょ、という呼子のイカ。
透き通ってます、そして光ってますなんでも、呼子から唐津市内まで運ぶだけでも味がやや落ちるといい、ということは最高のイカを食うためのデッドラインが唐津市内ということ。本当は呼子まで行って食うのがベストだが、取材ともなればその時間もないのが残念。それでも、唐津市内で食っても文句なしに日本一クラスなのだから、素敵すぎるわけである。まあ、写真を見てくれ。この透明度! 歯ごたえパキパキ、甘味強烈、こんなイカに出会えるのは幸福というほかない。ゲソやエンペラは天ぷらにしてくれて、これがまた究極のゲソ天である。このイカを食うだけで唐津に行く価値はある。というか、イカ好きなら生きている間に絶対に唐津に行くべし! 季節によって旬のイカが出されるので、いつ行っても問題なしです。
今回は都合3回もイカを食ったのだが、もっとも気に入ったのは唐津駅に近い「旬風」さん。サイズもデカいし、生け簀があるので新鮮度も高い。また、刺盛りを頼んだら、強烈なのが出てきたりして、これがまたすべて美味し! さらに、佐賀の地酒「鍋島」も呑めるのが嬉しすぎる。鍋島は、岡山「べんがら酒場」でたまたま呑んで以来、大のお気に入りなのだが、最近は入手困難なのか、唐津市内でもなかなかお目にかかれない。旬風さんで出会えたのは、これまた極上の幸せ! たぶん4人で2升は呑んだと思う。
イカに留まらずに「旬風」ではドドーンと大量の刺盛りも。
行きたくなってきましたねえ、唐津に唐津の幸せはイカだけではない。絶対に外せないのは、唐津駅前ガード下に並ぶ屋台街だ。屋台といっても、露天に並ぶものではなく、10数人も入れば満席の小さな店舗のなかに屋台状のものが収められたもの。ここで味わうべきは、人情、である。
こちら屋台街の「美好子」。4回も通ってしまいましたお気に入りは「美好子(みよこ)」。みよこママと会わねば、唐津に行った気がしないのだ。家庭料理はほっとする味わいだし、時に「クロちゃん、呑み過ぎ!」と叱ってくれる心遣いに癒される。佐賀支部所属のレーサーにも常連は多く、名曲「神田川」を作詞した喜多條忠先生と唐津で呑んだくれるときにはこの店が待ち合わせ場所になる。みよこママが作り出す空気が、何とも言えぬご馳走なのだ。今回は8泊中4回、みよこママに叱られながら呑んだくれた。イカ3回に美好子4回とは、幸せすぎて怖いほどである。
あ、そうそう。唐津に行かれる際は、それが唐津くんちの時期や夏場などの観光シーズンでなければ、唐津シーサイドホテルに泊まられることをオススメする。1泊6000円ほどだったので、ビジネスホテルだと思って行ってみたら、これが皇族の方も泊まられるという観光ホテル。ハイシーズンなら最低でも1泊2万円級のホテルだったのである。そして、ここの朝食バイキングが豪華すぎ! 通常なら2000円以上もする朝食だそうで、これが宿泊代に含まれていた。唐津市内のホテルが力を入れる「唐津朝茶漬け」は、イカ、鯛、カンパチなどを乗せた海鮮丼に出汁をかけるもので、毎朝おかわり必至の最強茶漬けである。1週間のロング出張のあとは、多かれ少なかれ、体重がやや減って帰京するものだが、今回は太っちゃいました、はい。次回の唐津遠征でも、必ずここに泊まる所存である。
さて、レース場グルメも。実は唐津ボートは食堂自体が少なく、かなり広いスタンドに「ホワイト」と「イエロー」の2軒しかない。しかもメニューが同じで、目新しいものもあまり見当たらない。ただ、さすが九州のレース場、ちゃんぽんはやはり絶品。スパイシーで濃厚なスープがクセになる味わいである。あと、カレーも美味かったな。スパイスがよく利いた逸品で、飽きのこない家庭的な風味にコクがプラスされてもいて、絶妙な味わいが醸し出されている。
あぁ、書いているうちに唐津に行きたくなってきたなあ。唐津には、あの長き旅路に耐えるだけの魅力がある、のである。
レース場でいただきましたちゃんぽん。
九州の場はちゃんぽんにハズレなし!
※次回は6月6日に公開です。今回の唐津・GIマスターズチャンピオン(名人戦)の模様がたっぷり『BOATBoy』は5月9日に発売。現場からのほぼリアルタイム更新『BOAT RACE ビッグレース現場レポート』は福岡・SGボートレースオールスター(笹川賞)の模様を前検日5月26日から最終日6月1日までお送りします。
そうそう、ご本人さま登場のインタビュー、答えが出ちゃいました「賞金女王展望」と「賞金王展望」もまだまだ楽しめます!