通路の左右には果物を入れる木箱が
山のように積まれていた
知人に誘われ、リマの果物卸売市場に行ってきた。南米ペルーは東南アジアに負けず劣らずの果物天国。パパイヤやパイナップルは年中出回っているし、日本にはない果物もたくさんある。ペルー各地で栽培された様々な果物が、全国から集められるのがこの市場なのだ。夏真っ盛りのリマは紫外線がいっぱい。毎日果物を食べてビタミン補給を怠らないようにしている私だが、そのビタミン源がスーパーよりずっと安く購入できるとあって、喜んで同行させてもらった。
市場に入ると、ほのかに甘い匂いが漂ってきた。夏の果物、マンゴーの甘酸っぱい香りが鼻孔をくすぐる。見るものすべて今すぐ買いたいという衝動に駆られたが、まずは市場内をじっくり見て回ることに。良いものを手に入れるためには、焦りは禁物なのだ。
今が旬のマンゴーがいっぱい!
ペルーのスイカは、
ラグビーボール型が一般的
今回の戦利品。重い荷物も
カルガドールがいれば楽チンだ
奥へ進むと、今度はなんともいえぬ独特な臭いが漂ってきた。これはノニだ。栄養価が高く「奇跡のフルーツ」と称されるが、ドリアンと比較されるほど臭いことで有名なノニ。寒い冬ならここまで香りが漂うこともないのだろうが、いかんせんペルーは夏。暑い市場の中でさらに追熟が進んでいるらしく、私は息を止めながら急いでその場を離れた。
さて今回の目的は、知人がお世話になっている方に贈る果物を購入すること。そして予算は100ソーレス、約3000円。市場を回ってある程度目星を付けた知人は、気に入った果物を大胆に買い始めた。
まず手の平より大きなマンゴーケントが、一箱32個入り540円! マンゴーパパイヤと呼ばれる小ぶりのものが、一箱約500円! 6個入りの白いメロンも、20房近く入ったツヤツヤのブドウも、一箱だいたい500円! そして今回の目玉商品は白い桃。いくつあるか数えていないが、たっぷり入って一箱約800円! 途中、「そんなに買ってまだ予算はあるの?」と心配してしまったが、
これだけ買って3000円、日本ではあり得ない安さ!
知人は余裕の表情で計り売りのマンゴーエドワードまで購入していた。最後に荷物を運んでもらうため、カルガドール(荷物運搬人)に運搬を依頼。彼へのチップも入れて、見事予算内に納めてしまった。もうあっぱれとしか言いようがない。
もちろん私も果物を購入した。しかし持ち運びのことを考えてしまい、量り売りのものを少量ずつしか買えなかった。量り売りでも市価よりはずっと安いが、一箱単位の価格には遠く及ばない。卸売市場の醍醐味はやはり箱買いにあると実感した私は、次回はぜひこの「オトナ買い」に挑戦しようと思ったのだった。