第17回 邦楽編 LOUDNESS――DNAから興奮する俺(つまりは勧めた姉ちゃんも同じなわけで)

さて、今回は日本が世界に誇るハードロック/ヘヴィメタル(以下HR/HM)バンド、「LOUDNESS」をご紹介! 実はもっと早くに書こうと思ってたバンドなんだけど、コアなうるさ型のファンも多いので、ヘタに書けない……と、後回しにしてました(笑)。でもね、今回ついに満を持しての登場です。アタシだって好きなんだから! キーっ!(笑)

LOUDNESSは81年に「LAZY」のメンバーが中心になり、「世界に通用するバンドを!」と結成されたバンド。ワールドツアーを何度も行ない、アルバムも日本人として初めてビルボードのトップ100に入っています。海外のアーティストでも彼らに影響を受けたと公言する人も多くて、そういう記事を読んだりすると、同じ日本人としてなんだか誇らしかったものでした(笑)。

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というわけで“気持ちの悪いジャケット”
ファーストアルバムの『THE BIRTHDAY EVE』
前に「VAN HALEN」でHR/HMに目覚め……、なんて書きましたが、実は、同じころにLOUDNESSのことも知り、何度もレコードを手に取ったりしてたんだけど、まだ小学生だった俺は、気持ちの悪いジャケットに恐れをなし、レジまで持っていけなかったのです(笑)。それでも中学に入ると、その気持ち悪いジャケットがカッコよく思えてきて……というのは嘘だけど、姉から(今度は上の姉)、「LOUDNESS聴いてみ」との指令が入りまして。うちの二人の姉は、俺の音楽活動を応援してくれいていて(面白がっていて?)、いろいろと情報をくれたり、レコードやビデオを借りてきてくれたりしたんですよ。

そんな姉の言うことは俺にとっては絶対で(笑)、急いで『CRAZY NIGHTS』というシングルを買ってきたんだけど、初めて聴いた夜のことを今でも覚えています。旭日旗をイメージしたジャケットや、バンドのロゴにヘヴィメタルの硬派さを感じ、さらに「ニ井原 実」、「高崎 晃」というメンバーの名前すらヘヴィメタルっぽく思えて(笑)、「ああ、俺の名前はなんてメタルに向いてないんだ!」と嘆き……(笑)。英語の歌詞カードにもびっくりしたなあ。そんな日本のバンド、それまで知らなかったしね。なんだか大人が聴くバンドというか、不良の仲間入りをしたような気がしたもんです(笑)。

そして、スピーカーからヘヴィなギターが聴こえてきたときの興奮といったらもう! その昔、『SMOKE ON THE WATER』を初めて聴いた人たちもかくや、というぐらい、俺には衝撃的でした。ギターのリフに続いてのド迫力のドラム、ベース、そして「こんな声聴いたことない!」という甲高くハスキーな歌声に、高揚感を煽るメロディ。さらに、今でもエアギターがやりたくなる(笑)印象的なギターソロ! 俺がLOUDNESSのファンになるには、この一曲だけで充分でした。

LOUDNESSは時代によってかなり音楽性が変わってきたバンドで、俺が買った『CRAZY NIGHTS』と、その当時のアルバム、『THUNDER IN THE EAST』は、本格的にアメリカ進出を始めたころのもの。今にして思えば、かなりアメリカナイズされたキャッチーな楽曲も多いんだけど、それでも、充分にヘヴィなそのサウンドは海外のバンドと比べてもまったく負けてなかったし、VAN HALENでHR/HMに目覚めた俺だけど、完全にのめりこむきっかけになったのは間違いなくLOUDNESS。そして「世界に通用するバンドを作るんだ!」と俺が本当に本気になったのは、やっぱりLOUDNESSのおかげ(せい?)だと思っています。

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『The Law Of Devil’s Land』。
こちらも“気持ちの悪いジャケット”ね
さて、CDで聴いても迫力充分のLOUDNESSだけど、生で聴くとさらに大迫力! バンド名のとおり、とにかく音がデカいんだけど、それだけじゃなく、メンバーそれぞれの音が凄い。ハードなワールドツアーを経験してきたからこそ得られるものなのか、小手先だけのテクニックじゃない凄みと重みがある。そして観ているこっちは血がたぎるというか……、俺の思い入れもあるんだろうけど、DNAから興奮してる感じ(笑)。そして、プロとしてギターを弾いたりしてる今でも、一瞬にして中学生の俺に戻っちゃう。ギタリストの高崎さんの指先に見とれる、単なるギター小僧に逆戻り(笑)。

でね、東京ってすごいところでね(笑)、メンバーと仕事をしてる人と友達になったり、知り合ったりするわけですよ! そんな人たちに普段のメンバーの様子を教えてもらったり、一度だけだけど、実際にお会いする機会もあって。学生時代に神様のように思ってた人たちに気さくに接してもらい、大感激したもんです。でも、そのころの俺はバンドをやっておらず、ファンとしてしか話せなかったのが今でも悔しい。もちろん会えただけでも嬉しかったんだけど、いつかちゃんとしたミュージシャンとして会いたい。大先輩に少しでも追いつけるよう、もっとがんばれ、俺!

今回紹介する曲はやっぱりこれ。『CRAZY NIGHTS』!! あ、それと最後にサードアルバムの『The Law Of Devil’s Land』もオススメしておきます。