「世界一の島」というおはなし。
『国際海洋条約』によると「島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるものをいう」とされている。これは世界各国の「領海」を線引きをする際、このような規定を設けていないと領海や排他的経済水域の問題がかなりややこしくなってしまうことから、『領海及び接続水域に関する条約』でも上記と同じように規定されている。
沖ノ鳥島。真ん中に「島」の部分があります
そんな「島」という存在で、世界でいちばん小さな島はどこなのだろうか。いきなり答え。「沖ノ鳥島」である。島の面積わずか9平方メートル。満潮時に水没し「島」でなくなると、200海里にも及ぶ排他的経済水域が消滅してしまうことから、風化や浸食を防ぐために護岸工事が施されている。近隣諸国から「沖ノ鳥島は島ではなく岩である」などの主張もあるが、現在はもちろん国際的に日本領内の島である。
では、世界でいちばん大きな島はどこなのだろうか。前記の通り、「島」とは「自然な周りを水に囲まれた沈まない地」である。となると、南北アメリカ大陸もユーラシア大陸も「島」であるのだが、今まさに書いたように「大陸」という概念が存在する。
日本語の違いだけでなく、英語表記でも「島=island」、「大陸=continent」と異なっていることから、国際的に区別が存在するのである。
現在、地理学上での「島」と「大陸」の区別は、「オーストラリア大陸より小さいものを島」としている。
それ故、世界でいちばん小さい大陸はその通りオーストラリア、そして世界でいちばん大きな島はデンマーク領グリーンランド、こうなるのである。