バレンタインデーの違い――お国変われば


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デパート内でひと際目立つ
バレンタインエリア

去る2月13日、銀座へぶらりと出かけてみた。愛する日本国民(?)はデパートで何を買っているのか、どんなモノに興味を持っているのかと欧州と比較してみるのがけっこう楽しい。今日も用はないけれど、大手のデパートへ入って……驚く!

バレンタインの1日前だからか、1階はかなりのスペースを使って主にヨーロッパ産のチョコレートが売られていた。"お口の恋人"、そしてガーナでおなじみのロッテの調査によると、昨年のバレンタインシーズンに20―40歳代の女性は平均2525円をチョコレートに使ったという。今年はさらに増えて3000円以上購入するとか。
よく見ると惜しげもなく試食ができるようになっている。私もベルギーのチョコやスイスのチョコを次々に試食してみた。
ほどよい甘さ加減の懐かしい味が舌の上に広がり、やはり人を幸せにしてくれる。大学生の娘なぞ、チョコレートを試験勉強の前に300グラムも食べては頭を痛くしているが、それでも止める気配はない。



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綺麗にディスプレーされた店内。華やぎますね


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試食の客があとを絶たない。みなさん買いましょう(笑)

ふと店内を見渡すと、「本命の人に贈るチョコレートはこちら。草食系男子に贈るのはこのチョコ!」とポスターが貼られている。
それを見て、いまさらながら日本と欧米ではバレンタインデーの意味合いがかなり異なることを思い出す。
欧米では、夫婦、恋人同士の「カップルのための日」であり、2月14日に男性がパートナーの女性に花をあげる習慣がある。そこにカードを添えてもいいし、小さなプレゼントをあげることもある。同性の親友同士で「バレンタイン、おめでとう!」と電話やメールが来ることもある。


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落ち着く先は家飯!?バレンタインでオムライス

西暦269年、ローマ帝国の時代。兵士が結婚をすることは禁じられていた。残してきた妻子のことが戦地で心配で、戦争に身が入らないからという理由からだ。それは非人間的で過酷なことだと思った聖バレンタイン司教は、極秘で特別に兵士たちを結婚させていたのだ。ところが、いつの日か事が露見して処刑されてしまった……その司教の命日が2月14日なのである(「愛の日」とも言われている)。
日本の女性から男性に「愛の告白」なんていう習慣をそのまま、ヨーロッパでしてしまうと実に失態を演じるから要注意だ。

そんなことを考えつつ試食だけはとりあえずたっぷり楽しんだ私は、我が家では愛するダンナさまのため、平凡ではあるがハートのついたオムライスを作って楽しんだのだった。