いよいよ「星穴」へ降りる懸垂下降。
条件・要領は「あああぁぁぁーッ!!!ドカーン!!」の時と同じだが、何が違うって斜面はブッシュの土斜面ではなく岩。最初はほぼ重力に従って真下に下降だが、最後の最後が重力に逆らっての斜め下降。
先の反省を生かし、岩をつかみながら慎重が上に慎重にソロソロ。ほんの少しずつ体重をずらしながら進む。つかみ損ねて岩から身体が離れると谷底へぶら下がることになる。
「下に行くの!!!」
ところが怖がって岩にしがみつこうとすると、どうしても上へ上へ行ってしまう。すると、かぶり気味の岩面にヘルメットがぶつかった拍子にはねかえされそうになって、なおのこと怖い。
コワカタヨ~
着地してロープを外した時はいっぺんに緊張が解けてヘナヘナ。
なんとも不思議な眺め。人にはあらず仙人かはたまた天使か神か…自由に天を駆け巡ることの叶う神々しき存在がその羽を休めし、まさしく星の穴。不老不死の木の実をはみつつ「今度はどっちへ翔んで行こうか?!」など思案せしか?!
念願かなって降り立った「星穴」でついつい感傷に浸ってしまう。
「後は降りるだけだから」
なんて、ウソばっかり!!
とんでもない急斜面で、しかもさらさらだったりずるずるだったりの細かい粒子の土の上にしこたま枯葉が堆積していて、まるで雪面を降りるような感じ。
フラットフィッティングったって「限度があるよ~」ほど傾斜のきつい降りにてこずることったら!
降りるというより、あまりにも急で落ちるような感じなところは懸垂下降したりしながら。
調子に乗ってシャーシャー滑り降りる要領で行くと、時々変な感じで岩が顔を出していたりする。
なので、グッと腿のストッパーを利かせると時々なぜか左わき腹が「イグッ」。
それまで左わき腹のことなんか、すっかり忘れていた。
急な登りも、懸垂下降の時だって、振られて「あああぁぁぁーッ!!!ドカーン!!」の時でさえ痛くもかゆくもなかったのに、なんでやねん?!
もうね、山道に出て、普通に歩けるようになった時はフラフラですわ。車道をしばらく歩き駐車場に戻ったらぐったり。
車に乗ったら新宿まで、ほとんど寝てた。
すんません。
いつものことだけど…
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