「ススキノ行かない?」
札幌市在住酒飲み組老若男女、お父さんもおひとりさまも、カップルも合コン組も、その名を聞くと思わずにんまりしてしまう。
そんな夏のススキノ最大の夏の見どころは、今年で第45回目を迎える「すすきの祭り」。歩行者天国となるネオン街には、約100軒の屋台が並び、花魁道中、御神輿渡御、YOSAKOIソーラン踊りなど、様々な催しが行なわれる。特に花魁道中の太夫役は地元ススキノから選ばれ、札幌っ子も注目するススキノならではのイベント。ずらりと並んだ特設屋台には、日中の疲れを吹き飛ばそうと大勢の人が集まった。
すすきの祭りは開幕の前夜、ラリーカードを持った約3500人がネオン街ではしご酒に挑戦する「すすきのはしご酒」から始まる。クラブ、キャバレー、スナックから寿司、焼き鳥、居酒屋まで、参加200店の中から指定された5店舗を2時間以内に走破する苛酷なイベント。夏の一夜、ススキノは千鳥足で次の店へ向かう参加者で賑わう。
屋台舞台裏
YOSAKOI 札幌が誇る繁華街、ススキノが誕生したのは明治4年。当時の岩村通俊判官は考えた。札幌本府建設のために妻子を東京に残してきた、請負人・大工・職人・人夫らをこの地に引きとめておく方策は何かないものか? そして明治4年に誕生したのが、ススキノである。岩村判官は現在のススキノの地の2町四方を区画して、貸座敷・旅人宿・飲食店を移したのだ。このため、ススキノは官許遊郭と呼ばれるようになった。移り変わる時代とともに変貌を遂げながら、今年で139年を迎える。
眠らない街ススキノの夜の人口は約8万人。こんなススキノのもうひとつの特徴は治安のよさ。宵越しに若い女性ばかりで飲み明かしてもまず安全という全国でも稀な歓楽街。
名物ラーメン横町 会社帰りの女性2人組は、「ススキノに来ると、解放的な気分になって楽しめる」
そして。
私自身も実はすすきの祭りの会場を、あっちで1杯こっちで1皿と始発の時間までひとりでうろうろしていたのであった。え? さぞ寂しかっただろうって? いいえ、今年の「すすきのはしご酒」では、おひとりさまの参加者が非常に多かったということですから!