前夜祭ををさらにヒートアップさせる、ふるまい酒ならぬ「ふるまい焼酎」

祭りやイベントは「参加者」、「お客さん」として楽しむこともいいものですが、「主催者」側になるのも楽しいものです。

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ポリバケツいっぱいに
仕込まれる焼酎の水割り
……と、説得されたわけではないのですが、知人に声をかけられて7月に行なわれた「霧島国分夏まつり」の前夜祭で、ふるまい酒のお手伝いをしてきました。
「ふるまい酒」といいつつも、焼酎王国・鹿児島ではもちろん焼酎をふるまいます。

この「ふるまい酒」に協賛したのは、霧島地区の9つの焼酎蔵元とビールメーカー1社。
私が午後6時半過ぎに知人に指示された国分山形屋前に着くと、すでにふるまい酒の準備が進んでいました。大きなポリバケツに焼酎と水がほぼ目分量で投入され、豪快にかき回します。焼酎のアルコール度数は25度、水割りなら5:5の割合で作ることが多いのですが、味見をさせてもらうと踊り手に配るため普段よりはやや薄めに仕上がっています。焼酎が飲めない人のために麦茶も用意され、スタッフも各蔵元の法被を着て準備が整いました。

午後7時になり、いよいよ総踊りスタートです。合併して「霧島市」となった旧国分市には、京セラやソニーの工場、自衛隊駐屯地もあり、鹿児島県内でも特に人口が多く、夏まつり前夜祭とはいえ踊り手だけでも6000人ほどとのこと。職場、学校、サークル、町内会、さまざまな団体が色とりどりのコスチュームに身を包み、歩行者天国になった旧市街中心部を埋め尽くします。会場中央の舞台で地方(じかた)が生演奏する「おはら節」と「ハンヤ節」に合わせて踊る様子は、観ているだけでもテンションが上がります。 090831_02.jpg
注いだそばから焼酎も麦茶も持っていかれる
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ファンが多い「佐藤」の蔵元も参加、
思わず足を止める人も
まだ陽が落ちない中、10分も踊れば身体中が汗だく。踊りながらふるまい酒の前を通った踊り手たちが次々に焼酎や麦茶に手を伸ばしてきます。15分おきほどで挟まれる休憩タイムにもなると、まさに「群がるよう」に集まってきます。各踊り連も踊り手最後尾の台車にクーラーボックスを積んでビールやジュースを用意していますから、中には「飲み」に来ているのか「踊り」に来ているのかわからないほど真っ赤な顔をした人も(笑)。
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踊りの間に焼酎を注いでスタンバイ。
人気の「萬膳」の蔵元
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「明るい農村」の霧島町蒸留所、
「蘭」が人気の黄金酒造
総踊りの会場は十の字型になっているため、ふるまい酒コーナーは6カ所に分散していました。首からデジカメをぶら下げていた私には「報告用に使うから全部のふるまい酒コーナーの写真を撮ってきて」と知人から指令が下り、「撮影隊」と称してすべてのコーナーを回るハメに。でも行く先々で全蔵元の焼酎を味見ができるという、自他ともに認める“飲ん兵衛”な私には最適(笑)。

ポリバケツいっぱいに仕込んだ焼酎を配り終わるころ、盛り上がった約2時間の総踊りも花火を最後に終了しました。会場をうろつき、写真を撮りつつ焼酎を飲んでいただけのような気もしましたが、久しぶりに「熱い」祭りを体感したひとときでした。