紅花のふる里、長南町の『紅花フェスティバル』

090709_01.jpg 090709_02.jpg 6月21日、雨もようの休日に、千葉県長南町の長福寿寺『紅花フェスティバル』を訪ねた。
ぬかるみの参道を抜け、門をくぐるとお寺の敷地内に模擬店のテントが並び、紅花の花束が山のように積まれている。
「畑はどこですか?」
「すぐそこですよ」
テントの裏、一面に紅花の畑が。甘い香りがあたりに漂っている。紅花の香り、今まで知らなかったな。のぼりには“べに花のふる里 長南町”と書いてある。えっ本当なの?

平安時代から紅花を献上していたという房総の長南一族。紅花といえば山形が有名だけど、それは室町時代に離散した長南一族の人々が山形に種を持って行ったのが始まりだとか。ちなみに長南氏は“天神様”菅原道真公の子・滋殖(しげいく)が934年に現在の長南町三途台に移り住み、「長南次郎」と名乗ったのがはじまり。それ以降、房総半島の特産品となった紅花が、皇室や山形に渡ったというわけだ。そして現在の房総では、一時下火となった紅花作りが、有志の集いである「べに花を育てる会(会長・石井敏夫氏)」の活動によって復活。10万本の紅花を毎年咲かせている。

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べに花染めも体験できる
紅花染めの体験を見学。なんともやさしい色合いにうっとりしてしまう。花はオレンジ色なのに、どうして黄色や濃いピンクに染まるんだろう。花と同じオレンジ色にするには、「黄色と濃いピンクの両方を混ぜるときれいに染まります」とのこと。微妙に調節したらすてきなグラデーションができるね。大人に混じって小さい子もハンカチを染めていた。定番のスカーフも綺麗だけど、ちりめんのストラップやコサージュがかわいい! 和菓子みたい! 食べたい!

………と思ったら、向こうの模擬店ではクッキーが売っているぞ。やはり良いものは味わわなければ……というわけで、べに花クッキーと、べに花そばを購入。

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花びらが入っている
「べに花クッキー」
クッキーのほうは、マカロンとドロップクッキーと型抜きクッキーの3種類が入って400円。クッキー生地が染まっているというわけではなく、花びらがそのまま入っているのが特徴。歯ごたえのある固さ。手作り感あふれるクッキーだった。
そして、紅花の色を活かしたきれいなピンク色のべに花そば。今年採取した紅花の花びらを散りばめている。紅花って、染めるだけじゃなくて健康にもいいらしい。「肌荒れ・便秘・肩こり・動脈硬化・高血圧・更年期障害」に優れた薬効があるそうな。パッケージをよく見ると「ぼくたちのべに花そば」と書いてある。「ぼくたちの」というネーミングに、「育てる会」の人たちの心意気が感じられて、なんだかハッピーな気分になった。
このべに花そば、ご本尊である『福寿阿弥陀如来』さま(別名・お元気阿弥陀さま)の御前にて特別にご祈願したものだから、「元気・長寿の御利益」もあるんだって! さすがお寺!

家に帰ってさっそく茹でてみる。ピンク色のおそばは、見ているだけでワクワクする。味も美味しかった。心がほっとする味だった。
歴史に埋もれていた史実をひもといて現在に伝えようとする人たちが、10万本の紅花とそれを使った品々、ほのぼのとした「お祭り」を育てている。

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ピンク色の「べに花そば」。おうちで茹でていただきましょう
『紅花フェスティバル』の模様も掲載中! 
長福寿寺ホームページもご覧あれ……
http://www.choufukujuji.com/index.html