ラクシュマン・ジューラー橋は北インドのリシュケシュの町を流れるガンジス川にかかる吊り橋です。首都ニューデリーから北北西に約230km、車で約5?6時間のところにあるリシュケシュは、1968年ビートルズがマハーリシ•マヘーシュ•ヨーギのアシュラム(ヒンドゥー教の修行場)でヨガの修行をしながら新曲を多く作曲した場所で、一躍有名となりました。そのため世界中から観光客が絶える事がありません。あらゆる種類のヨガと瞑想の教室などがたくさんあるのを見ると圧倒されてしまいます。
橋は長さ約137mのつり橋です。幅が1,8mしかないので、車は通れません。しかし、バイクと神聖なる牛の通行がOKなのは、いかにもインド!この橋は1924年洪水で流された橋(長さ86m)を建て替えたもので、1927年から29年に建設され、翌年春に開通しました。なお、この橋のすこし下流にはラームジュラという別の橋があります。これは1986年に作られた近代的な橋です。インターネットでの旅の紹介や画像はラクシュマン・ジューラー橋とよく混同されているが別物です。
さて、ラクシュマン・ジューラー橋を渡ると向こう側にはアシュラムがたくさんありますが、大きいものは、まるでホテル並。ビートルズが修行した所は、ここから少し離れたもっと小さなアシュラムですが、観光客には解放されていません。そのような小さなアシュラムやヨガの修行をする所はこのリシュケシュには多くあり、まさにヒンドゥー教の聖地です。
同じガンジス河でも、ここから870km下流にあるあの有名なバラナシは、川が汚染されていますが、ここリシュケシュはそれに比べれば水がかなりきれいで、沐浴しても皮膚病になる危険性は少ないでしょう。しかしヒマラヤからの水を集めたこのあたりの水の流れが急なので、沐浴には多少不便です。渓谷に掛かる高い橋の上から見ると、川辺で少し水を手足に掛けている人を見かけるぐらいです。また、橋の上からは急流の川を利用したイカダ下りをする観光客が大きなゴムボートに乗ってはしゃいでいます。巡礼地にはなにか場違いな感じを受けますが、インドは「何でもあり!」なのです。
ビートルズの連中も人や牛を避けながらこの狭い橋を渡ったのかしら?と想像すると、つい足取りが軽くなります。今晩はビートルズのスタンダードナンバーを聴いてみましょうか?