8月5日 福井県坂井市 ボートレース三国
ボートレース三国は、唯一の「日本海側にある」ボートレース場である。所在地は福井県坂井市。東尋坊がすぐ近くにある。また、目の前には芦原温泉があり、最寄駅も「JR芦原温泉駅」またはえちぜん鉄道「あわら湯のまち駅」。ということで、温泉宿に泊まって、のんびり徒歩でレース場出勤……が理想なのだが、1週間の長期滞在ではさすがに予算が足りない。しかも世の中は夏休み、さらに花火大会やらお祭りやらと日程が重なっていて、そもそも部屋が足りない&強烈に高いということで、宿泊は福井市内ということになるのであった。いつかは出張前に大穴ブチ当てて温泉で1週間かっぽれ……といきたいものである。
レース場ではこんなイベントも(ボートレース若松での公開予想)。
いい笑顔ですが、予想は惨敗しております(撮影・中尾茂幸)当欄が始まってから三国への長期出張は初めて。ここでレース場グルメを取り上げるのも初めてとなるわけだが、実は三国ボートは隠れたグルメ天国、なのである。
まずは、なんといってもソースかつ丼だ。
ソースかつ丼といえば桐生ボートの名物でもあるが、実は三国でもこれを名物グルメとしている。それぞれが“当地発祥のおらがまち自慢グルメ”と認識しており、そこにはお互いプライドを抱いているようでもある。まあ、ボートレース以外には当地にゆかりのない当方としては、どっちが発祥でもかまわない。だって、どっちも美味い、のである。
福井が元祖?な「ソースカツ丼」。
場内の「三国売店」でぜひどうぞ20年以上の付き合いになる内池久貴が上梓した『福井の逆襲』(言視舎)によると、福井市内にある名店「ヨーロッパ軒」のソースかつ丼は「味カツ」と呼ばれるものを用いている。「味カツ」とは肉を薄く切り、極細のパン粉をまぶすものだとか。そう、桐生のソースかつ丼のカツはヒレカツが使われており、三国のソースかつ丼はその味カツが使われていた。食感は当然、かなり異なっており、三国のそれは40代半ば過ぎのオッサンでも毎日食える軽快さがある。ちなみに、そのヨーロッパ軒こそが最初にソースかつ丼を出したという説があり、これが福井発祥論の根拠となっているようだ。なお、場内の他の食堂でもソースかつ丼を食したが、もっとも“元祖”に近いのは「三国売店」で出されているもので、味わいもここがナンバーワンであった。
この三国売店では、中華そばも食わねばならない。激ウマなのだ。あっさり醤油味のシンプルなラーメンで、見た目に特筆されるものは何もない。これが美味いのだ。スープを一口すすると、まず優しい味わいにホッとさせられる。そこにやや強めの塩っ気がガツンとやってきて、パンチ感も味わえる。あとは一気! 優しさと激しさのコンビネーションを感じながら、あっという間に完食してしまう。ラーメン通からすればケチつけたいところもいろいろあるだろうが、バクチ通からすればこのラーメンこそ最高! B級グルメ(BはBOATRACEのB)界では、まさに至高の中華そば、なのである。
レース場ラーメンでも屈指の美味さ、シンプルなラーメンも「三国売店」で福井のグルメといえば、やっぱりカニ、なのであるが、食えるのは冬である。残念……などということはまったくなかった。カニなどいなくても、美味しものは山ほどあるのだ、福井には。
まずは、なんといっても「へしこ」である。ご存知でしょうか。その正体はサバ。もともとは保存食で、サバに塩を振って糠漬けにしたものである。これがサバい……もとい、ヤバいのである。ご飯のおかずにしても美味かろうが(茶漬けもアリ)、日本酒に合わせたら極楽の美味さ。とにかく酒が進むのだ(そして呑み過ぎるのだ)。三国に行って、これを土産に買って帰らなかったことは一度もない。土産ったって、人にあげるんじゃなくて、自分で食うのである。
日本海ですもの、やっぱり魚も美味。
うっかり途中まで食べちゃう美味しさの「アジのたたき」in「味の王様」魚もたいがい美味いが、今回は「味の王様」という冗談のような名前の店で食べたアジのたたきが美味かった。皿に細かく切ったアジが無造作に乗せられ、ねぎとしょうがをまぶし、そこに直接醤油をぶっかけて、混ぜて食べるのである。アジも絶品だが、この食い方が良い! 帰京後にスーパーでアジのたたきを買ってきてやってみたが、明らかにこっちのほう美味い! 醤油の加減さえ間違わなければ、アジの味わいはより強く感じられるのである。
酒は、福井といえば「黒龍」が有名だが、今回はあえて選ばず「梵」、「一本義」をたっぷり味わった。福井駅構内の「八兆屋」では、お隣・石川県の地酒である萬歳楽を青竹に入れる「青竹冷酒」を呑んだが、清涼な雰囲気がグッド。というわけで、1週間毎晩、これらの酒をローテーションで楽しんだのであった。あぁ、幸せな福井の夜よ……。
福井の地酒「梵」の「ときしらず」を。
実はこれ、娘さんの応援に来ていた平高奈菜選手のご家族からいただきました
※次回は10月10日に公開です。この三国で行なわれたGIレディースチャンピオン(女子王座決定戦)の模様、そして若松・SGボートレースメモリアル(MB記念)の速報は9月11日発売の『BOATBoy』にて。現場からのほぼリアルタイム更新『BOAT RACE ビッグレース現場レポート』は、戸田・GIヤングダービー(女子王座決定戦)を前検日9月22日から最終日28日までお送りいたします。
そうそう、ご本人さま登場のインタビュー、もう半年も経ちました「賞金女王展望」と「賞金王展望」もまだまだ楽しめます!