ジャジャッとおさらい-5月分NO.1-

振り返るに、初っ端、自信喪失して「もう何もかも止めちゃおっかな」ぐらい、めちゃめちゃ落ち込んだ5月。で、ああ、もう6月。一体、私はどこへ行く…

5月3日〜6日:北穂高東稜、前穂高北尾根
5月3日、沢渡の民宿「しるふれい」泊り。
5月4日、上高地→涸沢小屋。
本谷橋過ぎ、アイゼンをつけてしばらくして異変が。右足首がうずく。わずかな違和感だったくるぶしの下が徐々にはっきりと痛むようになって、それをかばって歩くせいか、息が上がって肩で息をする有様。小屋が見えてからウッドテラスにたどり着くまで、長いこと、長いこと。

datin14.6.10_01.jpg 5月5日、涸沢小屋→北穂東稜→北穂山頂→涸沢小屋
早朝3時起きの4時スタート。

datin14.6.10_02.jpg 長年の憧れの北穂東稜、しかも5月の残雪期。
なのにどーして、こーなるの!歩き出して早々、昨日涸沢に上がって来る時に覚えた不安、不吉な予感が気のせいではなかったと実感する。体が重くて歩けない。足が上がらない。息が上がる。異常に歩けない。汗だくのヘトヘト。
しかも途中でチラホラ降り出した雪は、稜線に上がるころにはジャンジャンな降りになり、しかも強風吹き荒れ、ガスガスで辺りは真っ白白の白。

datin14.6.10_03.jpg ところが、下山がまた悲惨だった。
アルパインルートとしては短い涸沢から東稜を経ての北穂高であるはずが、私は疲労困憊でバテバテ。ふくらはぎと前腿はぱんぱん。登りも歩けなかったが、下りも全然ダメダメ。
そこへ以てきてショートロープの前のメンバーと歩調を合わせてついて行けない。
結果、上がらない足をようやく少しばかり上げたポジションでロープがパンパンに張られるとバランスを崩して前につんのめる。と、どうなるか?!

そう、前にこける。しかも斜面が落ちている方へ向かってすっ飛ぶようにこける。その上わずか20分足らずの間に3回もこけた。
「3回死んでますよ」
篠原さんがロープを引いて止めてくれなければ100mは斜面を滑り落ちていた。実際、連休の前半で、同じように滑落して命を落とした登山者がいたという、まかり間違ってもこけてはいけないところでこけてしまった。
這う這うの体で小屋に戻ったものの、意気消沈。ましてや、ビールも少しも旨くはない。

datin14.6.10_04.jpg 朝4時に出て東稜を上がり、北穂山頂から涸沢小屋戻りが午前9時だから、そう遅かったわけではないが、私がメンバーについて行けなかったのは事実で、ヘタレだけなら、いざ知らず、3回もこけるという失態で、すっかり打ちのめされ、「無理ですね」と言われるまでもなく、翌日の山行予定の前穂高北尾根は到底参加する自信はなかった。

降りやまない雪は昼過ぎには雨に変わり、夜になってもざんざんぶりで、山頂付近では相当に積雪していると推測され、早い時間に翌日の山行はそれ自体に中止判断が下った。

明けて翌日はお天気自体は憎たらしいほど晴れたが、穂高の山並みは人を寄せ付けず、前日の荒れ具合を配慮せず山に入った登山者は大変なことになって報道陣を騒がせた。

datin14.6.10_052.jpg 涸沢から上高地までの下りも、足首痛との闘いだったことは言うまでもない。

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