【イベント】ビートニク映画祭

Kerouac-TONE01.jpg魂を震わせろ!<ビートニク映画祭>開催!

幻の日本未公開作品『ジャック・ケルアック/キング・オブ・ザ・ビート』プレミア上映!
ビートとはひとつの時代のことである。もしそれを一人の人間で代表することが許されるとするなら、それはジャック・ケルアックになるだろう。ケルアックこそがオリジナル・ビートニクであり、ビートとはケルアックのことである。
柳下毅一郎 (映画評論家)

2014年3月22日(土)よりオーディトリウム渋谷にて<ビートニク映画祭>が一週間に渡って開催される。
今回が日本初公開となるのは、小説『オン・ザ・ロード/路上』で一躍時代の寵児となり、ビート・ジェネレーションを代表する人物ジャック・ケルアックのドキュメンタリードラマ『ジャック・ケルアック/キング・オブ・ザ・ビート』(1985)。
本作は、ケルアックの人生をドラマ化したパートと、作家本人の映像、さらにはアレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズなど知己のあった人々の貴重な証言などをリミックスして見事に構成。ケルアックの幼少期から放浪期、そして晩年に至るまでをまとめた貴重な作品。
他には、アルコール・ドラッグ中毒の治療にサナトリウムを訪れた男が体験する幻想世界を、シュールなタッチで描く異色作、コンラッド・ルークスの初監督作品『チャパクア』(1987)。同じくルークスの第2作にして最後の作品、文豪ヘルマン・ヘッセの世界的ベストセラーで、ビートニク世代のバイブルと言われた同名小説を原作に、シッダールタ(釈迦)の悩める一生を描く『シッダールタ』(1972)。現代写真家の巨匠、ロバート・フランクがメガホンをとり、トム・ウェイツ、Dr.ジョン、J・ストラマーなど玄人好みのミュージシャンが多数ゲスト出演するロードムービー『キャンディ・マウンテン』(1990)。ウィリアム・バロウズ原作、デヴィッド・クローネンバーグ監督『裸のランチ』(1992)、ボブ・ディランの若き日の姿をリアルに映し出した『ドント・ルック・バック』(1967)、60年代のポップ文化が咲き乱れたロンドンを鮮やかに切り取った伝説のドキュメンタリー『スウィンギング・ロンドン1&2』(1967/1977)など、これぞ“ビートニク”な一筋縄ではいかない作品が集められた。

Kerouac-TONE02.jpg<ビートニク映画祭>開催概要&上映作品

■期間:2014年3月22日(土)〜3月28日(金)
■場所:オーディトリウム渋谷
〒150-0044 東京都渋谷区円山町1−5 KINOHAUS2F
TEL 03-6809-0538
■料金:一般¥1,400/前売一回券¥1,200/前売3回券¥3,000
■公式HP:king-of-the-beats.com

■上映作品
『ジャック・ケルアック/キング・オブ・ザ・ビート』
(アメリカ/1985/72分/カラー&モノクロ)※日本初公開
原題:Jack Kerouac: King of the Beats
監督:ジョン・アントネッリ
出演:ジャック・ケルアック、ウィリアム・バロウズ、アレン・ギンズバーグ、ジャック・クルター(ケルアック役)ほか
内容:1957年に発表した『オン・ザ・ロード/路上』で一躍時代の寵児にのぼりつめたジャック・ケルアック。この映画は”ビートニクの帝王”としていまだに根強い人気をもち続けるケルアックのドラマチックな人生を再現したドキュドラマである。マサチューセッツの小さな街ロウエルに出現した時から,マリン・カウンティ、そしてカリフォルニアにいたるまでのケルアックの姿がドラマと本人の映像、バロウズやギンズバーグなどの証言によって浮き彫りにされる。

『チャパクア』(アメリカ/1966/82分)
監督・脚本:コンラッド・ルークス/撮影:ロバート・フランク/美術:レギ・パグニズ
/音楽:ラヴィ・シャンカール/音楽監修:フィリップ・グラス
出演:ジャン・ルイ・バロー、コンラッド・ルークス、ウィリアム・バロウズ、アレン・ギンズバーグ、ラヴィ・シャンカール、オーネット・コールマン、ムーンドッグ
内容:アルコール・ドラッグ中毒の治療にサナトリウムを訪れた男が体験する幻想世界をシュールなタッチで描く異色ドラマ。監督・主演・脚本・製作は伝説の映画監督コンラッド・ルークス。撮影は『キャンディ・マウンテン』(監督)の写真家・映画監督のロバート・フランク。音楽は世界的なシタール奏者ラヴィ・シャンカール。

『シッダールタ』(アメリカ/1972/85分)※35mm上映
監督・脚本:コンラッド・ルークス/原作:ヘルマン・ヘッセ/撮影:スヴェン・ニクヴィスト/美術:マルコム・ゴールディング/音楽:ヘマン・クレール 、グリプラサンナ
出演:シャシ・カプール、シミ・ガーレワール、ロメーシュ・シャールマー
内容:文豪ヘルマン・ヘッセの世界的ベストセラーで、ビートニク世代のバイブルと言われた同名小説を原作に、シッダールタ(釈迦)の悩める一生を描く。ビートニクたちと交流し東洋思想に傾倒していたコンラッド・ルークスの『チャパクア』に続く2作目にして最後の作品。撮影はイングマール・ベルイマン作品で知られるスヴェン・ニクヴィスト。72年ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞。

『キャンディ・マウンテン』(スイス・フランス・カナダ/1987/91分)※35mm上映
監督:ロバート・フランク、ルディ・ワーリッツァー/脚本:ルディ・ワーリッツァー/撮影:ピオ・コラッディ/音楽:ハル・ウィルナー、デヴィッド・ヨハンセン
出演:ケヴィン・J・オコナー、ハリス・ユーリン、トム・ウェイツ、Dr.ジョン、J・ストラマーほか
内容:現代を代表する写真家でもあり、ビートニク直系のロバート・フランクとライター、ワーリッツァーの共同監督による、ジム・ジャームッシュなどに大きく影響を与えたロードムービー。トム・ウェイツ、Dr.ジョン、J・ストラマーなど玄人好みのミュージシャンが多数出演しているのも見どころのひとつ。

『裸のランチ』(イギリス・カナダ/1991/117分)
監督・脚本:デヴィッド・クローネンバーグ/原作:ウィリアム・バロウズ/撮影:ピーター・サシツキー/音楽:ハワード・ショア 出演:ピーター・ウェラー、ジュディ・デイヴィス、イアン・ホルム、ジュリアン・サンズ、ロイ・シャイダーほか
内容:59年に発表され、その先鋭的言語表現とドラッグ感覚に濃く彩られた内容で一大センセーションを巻き起こしたウィリアム・バロウズの同名小説の映画化。バロウズの愛読者で、映画化の企画を長年温めていたというデヴィッド・クロネンバーグが監督、脚本を手がけ、製作は『シェルタリング・スカイ』のジェレミー・トーマス、撮影は『戦慄の絆』のピーター・シャシスキー、音楽は『ビッグ』のハワード・ショアが担当。

『ドント・ルック・バック』(アメリカ/1967/96分)※35mm上映
監督:D・A・ペネベイカー
出演:ボブ・ディラン、ジョーン・バエズ、アラン・プライス、ドノバン
内容:フォーク・ロックムーヴメントの先駆者ボブ・ディランの、64年のイギリスツアーを追ったドキュメンタリー。アコースティック・ギターから転向した彼の、初のエレクトリック・アルバム“Bringing It All Back Home”に収録されている“Subterranean Homesick Blues”を冒頭に、ファンの嬌声と取材陣に迎えられてのロンドン空港到着の模様から始まり、約2週間にわたるツアーを、コンサート・シーンとプライヴェート・シーンを織り交ぜて映し出す。

『スウィンギング・ロンドン1&2』(イギリス/1967・1977/114分)
監督:ピーター・ホワイトヘッド
出演:ザ・ローリング・ストーンズ、エリック・バードン、マイケル・ケイン、ジュリー・クリスティ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、アレン・ギンズバーグ、ジミ・ヘンドリクス、ピンク・フロイド、ジョン・レノン
60年代後半、英国を席捲したいわゆる“スウィンギング・ロンドン”のムーブメントをめぐり、その中心地ロンドンの光景をとらえたドキュメンタリー。当時のカウンター・カルチャーを代表する音楽シーンから、ザ・ローリング・ストーンズを追った記録映像のほか、当時ニュー・タイプの映画スターとして売っていたマイケル・ケイン、ジュリー・クリスティ、ヴァネッサ・レッドグレイヴや、ポップ・アートの旗手アラン・オルドリッジ、デイヴィッド・ホックニーほかへのインタビューが当時を象徴する曲に乗せて綴られる。監督はザ・ローリング・ストーンズの「チャーリー・イズ・マイ・ダーリング」などの作品で知られる映像作家、ピーター・ホワイトヘッド。なお、最初の公開時のタイトルは、パート1が「トゥナイト・レッツ・オール・メイク・ラブ・イン・ロンドン」。パート2は「アクエリアス」である。

2014年3月22日(土)よりオーディトリウム渋谷にて開催!
以降、全国劇場にて順次公開

配給:アダンソニア
配給協力:カプリコンフィルム
協力:461(bar461.exblog.jp)、Rockcandy