和田竜の同名ベストセラー小説を映画化した『のぼうの城』が、11月2日(金)より全国公開となる。今回『第25回東京国際映画祭』の特別招待作品として10月23日(火)に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映された。その上映前に、主演の野村萬斎をはじめ、榮倉奈々、上地雄輔、芦田愛菜が和装姿で、そして共同で監督を務めた犬童一心監督と樋口真嗣監督は兜とタキシード姿で舞台あいさつに登場した。
客席から登場した出演者たちに拍手と歓声があがり大興奮の中、舞台あいさつが始まった。
MC:みなさんからひと言ずつご挨拶をお願いします。
犬童監督:この作品は今から8年前に構想があり、萬斎さんには7年ほどつき合っていただいています。去年映画が完成して、本日みんさんに観ていただけることがとても嬉しいです。
樋口監督:兜が非常に重くて首がかなり限界に達してます(観客笑)。お辞儀をしたいのですが、頭を戻すことが痛いので、尊大な態度をとっているように見えるかをしれませんが、お許しください。今までのお客さんは無料だったんですけど、本日は初めてお金を払って観に来ていただいたということで、ありがとうございます(観客笑)。
野村:監督からお話をいただいたのが7年前でした。私はその時まだ30代だったんですけど、映画を撮影したのが40代前半で公開されるのが40代後半に入ってと……(観客笑)。寝かせておいて、芳醇な香り湧き立つ作品になっています。ぜひ、本日はお楽しみいただきたいと思います。
榮倉:この映画は戦闘シーンも迫力満載で……(野村の方を見て)萬斎で……(観客笑)、絶対に映画館で観るべき映画です。
上地:え〜、あの〜、外国人の方いますか?(客席から手があがり)Oh! Hello! Hello! (観客笑)(客席からThank youと声がかかると)You are welcome!(またまた観客笑)世界のあらゆる人たちが来てくださっているということで、ほんとに嬉しく思います(観客笑)。
※東京国際映画祭は国際的な映画祭ということで、海外のお客さまのために通訳があります。
芦田:この映画に出演してから、歴史に興味をもちました。ちょっと難しいかもしれないけど、私と同年代の人にも観てほしいです。
MC:撮影現場で驚いたこと、または笑ってしまったことは?
犬童監督:映画の中で水攻めのシーンがあるんですけど、CGを使いたくないということで、巨大な水を落とす装置を作り試した時に、あまりの凄さで見ていた担当ディレクターがびしょ濡れになってしまいました。
樋口監督:戦の後の村や田畑がめちゃくちゃになったシーンで、時間の都合でめちゃくちゃにできていない場所が後方にあったんですけど、まあ、後で画像処理すれば良いかなくらいに思っていたら、犬童さんがパワーショベルを大きくした重機に同乗して「あそこが壊れてないからーあそこを壊すぞー」って叫びながら、壊しているシーンに一番驚きました(観客笑)。
野村:両監督がこんなに喜んでくださるとは思いませんでした。カットがかかるたびに笑いがおこって……。両監督がそれぞれの監督の真似をずっと休憩中されていたことが面白かったですね。
榮倉:北海道に建てたオープンセットが……(上地を見て)あっ、言おうと思ってましたね!(観客笑)お先に!!
上地:ここまで、言われてなかったって思ってたのに〜!(悔しがる上地)
榮倉:じゃあ、半分言いますか?
上地:イイよ!(観客笑)
榮倉:東京ドーム20個分の土地を使ってセットを建てて……(上地を見て)撮影したんですよね! ウン!! アミューズメントパークみたいで、この映画の大きさをあらためて実感しましたね。
上地:え〜、(考えていたコメントを言われ困った様子)……両監督がとても仲が良く、最初は“こっちかな”って思いました。現場でも寄り添いあって、顔を近づけて……(観客笑)うなずいているところを見るとやっぱり“こっちかな”って……(またまた観客笑)三人で旅行した時にやっぱりって確信しました。あっ、ほんとは違いますよ〜。(観客大笑)二人の関係に僕は嫉妬しました。
通訳:○□△○□△ two Director ○□△○□△ Gay!(観客大笑)
MC:まさか、その英語が出るとは思いませんでした……(観客大笑)。続きまして芦田さんお願いします。
芦田:私は農民の役でしたので、濃いファンデーションを塗って、眼だけがギョロギョロってなっていくところが楽しかったです(観客から可愛い〜の声が)。
MC:さて、本日のメイン・イベントです。東京国際映画祭というインターナショナルな映画祭にちなんで、どちらが大将にふさわしいか? 大将外国語スピーチ対決です。どちらの大将のスピーチに熱意を感じたのかを、榮倉奈々さんと芦田愛菜さんに判定していただきます。
上地:では、フランス語で行きます。モントリオールでいっぱいしゃべったので……。(腕に貼られたカンペを見ながら)ボンソワ〜○□△○□△ ユウスケ・カミジ(観客笑)。(たどたどしいフランス語が続き……。そして、最後になぜか英語でThank you!)(観客から拍手)Thank youって言っちゃった! メルシ!!
MC:上地さん、今なんと言われましたか? 訳していただけますか?
上地:はぁ〜?(観客笑)すごく面白いことを言いましたよ。フランスの方がいらっしゃらないことが残念です。
野村:ほんとにいないのかな?
上地:え〜、自己紹介をしまして、ちょっとした小粋なジョークと……、凱旋門とか、エッフェル塔とか、『のぼうの城』も好きですみたいなことを……。そんな内容って通訳の人が言ってました。フランスだったら大爆笑でしたね。
野村:Good evening ladies and gentleman!(観客から歓声が)(その後、留学経験のある野村は、わかりやすく丁寧な英語で余裕のスピーチを披露。そして、Can you understand Mr. Kamiji’s speech?の問いかけに客席からはNo!の言葉が……)
上地:けっこう、英語が通じているのね〜(観客笑)。
MC:みなさん、英語がおわかりになられているようですが、訳していただいてもいいですか?
野村:そうですね。彼(上地)はユニークな男ですが、映画の中ではクールです。私はふだんクールですけど、映画の中ではユニークです。奈々ちゃんは美しいですけど、映画の中では美しくもあり、強くもあります。愛菜ちゃんは、可愛くもあるけど、映画の中では可愛く、美しいんだね。人間としてかな? そして、二人の監督は二人の監督です(観客笑)。
MC:さあ! それでは、どちらの大将のスピーチに熱意を感じたのか? ついていきたい大将はどちらか?
榮倉:なやむなぁ〜(まったく悩んでいない様子)
MC:芦田さん!
芦田:はい! 野村さんです。本当の外人さんみたいで、すごく格好良かったです。
上地:僕もフランス人ぽかったでしょ〜?
芦田:う〜ん……。
MC:それでは、榮倉さん!
榮倉:(上地を見て)ユニークで賞!
上地:よっし!(自分に軍配があがったと勘違いする上地)
榮倉:違う!!(野村を見て)やっぱり“ついて行きたいで賞”(観客から拍手)
(勝った野村には襷が榮倉から贈られた)
野村:天にも昇るような……。ありがとうございます。
フォトセッションの後、野村からあいさつが……。
MC:最後にひとことお願いします。
野村:時代劇でありながら現代劇に通じるような、生き生きとしたキャラクターで、ひとりひとりの人物像が浮き立っており、そしてこれほどのスケールの大きな映画に出演できたことを誇りに思います。久々に日本が世界に誇れる映画だと思います。
『のぼうの城』
監督:犬童一心/樋口真嗣
脚本:和田竜(小学館『のぼうの城』)
出演:
野村萬斎
榮倉奈々 成宮寛貴 山口智充 ・ 上地雄輔 山田孝之 平岳大
西村雅彦 平泉成 夏八木勲 中原丈雄 鈴木保奈美 ・ 前田吟 中尾明慶 尾野真千子 芦田愛菜/市村正親
佐藤浩市
音楽:上野耕路
主題歌:エレファントカシマシ 「ズレてる方がいい」(ユニバーサル シグマ)
制作:C&Iエンタテインメント、アスミック・エース エンタテインメント
製作:『のぼうの城』フィルムパートナーズ
配給:東宝、アスミック・エース
公式HP:http://nobou-movie.jp
公開:11月2日(金)全国超拡大ロードショー
©2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ
★第25回東京国際映画祭
10月20日(土)〜10月28日(日)
会場:TOHOシネマズ六本木ヒルズほか
公式HP:http://www.tiff-jp.net
【関連記事】
東京国際映画祭グリーンカーペットに豪華ゲスト登場!
第25回東京国際映画祭『のぼうの城』野村萬斎VS上地雄輔!
『第25回東京国際映画祭』高良健吾、吉高由里子、伊藤歩登場!
第25回東京国際映画祭・特別オープニング作品『JAPAN IN A DAY』
『第25回東京国際映画祭』グリーンカーペットに上戸彩登場!
『第25回東京国際映画祭』グリーンカーペットに前田敦子登場!
第25回東京国際映画祭コンペティションラインアップ!
第25回東京国際映画祭記者会見に前田敦子登場!