炎天下で汗にまみれた北京オリンピックチケット争奪戦

20120611_bannar2.jpg自分が住んでいた都市で開催された2008年の北京オリンピック。私は、第2次チケット販売で野球の準決勝のチケットを入手できたが、第3次チケット販売ではすべて抽選からはずれてしまったので、最後の第4次チケット販売に望みをかけた。第4次チケット販売は、それまでの抽選販売ではなく、各競技場か指定売り場で早い者勝ちの窓口販売となる。私は、野球など中国でのマイナーな種目にしぼれば、チケットは買えると踏んでいた。

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長い行列に警官も

この日の気温は33度、強い日差しと高い湿度で日本の夏のようだ。10分経過したが、全然列は前に進まない。20分経過したところで、後方の人たちがどんどん割り込み始め、私たちはなぜか再び最後尾の端にいた! このままではずっと最後尾にいることになる。行列は前に進まなくとも、前方に小さなスペースがあれば、入り込む中国流の並び方だ。私たちは押されて人の「圧縮度」が高くなり、風通しが悪く、暑く、息苦しさも感じる。肩を動かせば男たちの汗ばんだ腕がペタリと当たり、後ろからは臭い息もかけられる。周囲360度からの体臭もキツイ。40分経過しても行列はあまり進まず、私たちは「ダメだ、もう限界!」と断念、結局買おうとしていた野球の販売窓口に近づくことすらできないまま去ることになった。
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憧れのチケット

ただ、ここで諦めるわけにはいかない。タクシーに乗り、向かったのはテニスの会場。しかしテニスセンターのかなり手前から交通規制が敷かれ、チケット販売所へはここで車を降りて40分も歩くという。再度タクシーに乗り、今度は柔道の会場である大学へ。しかし到着するとチケットはすでに売り切れた後でキャンパスの中は静まり返っていた。ここで購入を断念、1枚もチケットを手にすることができなく、汗と疲労感だけを持ち帰る事になった。

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メインスタジアムの「鳥の巣」はお祭りのような賑やかさ

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ソフトボール金メダルの瞬間

一時はもう無理かと思ったが、あの手この手で開会式直前にチケットを入手することができ、柔道やソフトボールでは日本の金メダル獲得の瞬間に立ち会うことができた。どうやって? いろんな手段はあるが、インターネット上のチケット売買サイトで、正規の値段よりは高くなるが購入できる。また、個人的に交換したり、譲ってもらうことも可能だ。ただし偽物もあるので、要注意。

オリンピックを観戦できるなんてそう何度もあることではないので、間違いなく一生の思い出になるはず。現地の、いや世界中のみなさん、今からでも間に合うかも!