毎回、テーマに沿った人物に質問をしていく当コーナー。今月はどうしようかね、春だしね……と検討していたところ、春らしく桜も桃も咲く場所をテーマにしてみようか、そんな意見から桃の里でもある山梨県の石和温泉郷にスポットを当ててみました。都心から2時間足らずで来られる東京の奥座敷。素直に暖かくならなかったせいで桃は咲いておりませんでしたが、石和のみなさんの気持ちは暖かでしたよ。そんなわけで、GO!
1・石和のお土産屋、「若美屋」の三富勲です。歳? こう見えて若い、というところでいいですかね、ははは
さ、まずは石和温泉駅に降り立って最初に目に入ったお土産屋さん、若美屋さんに突撃しましたよ
2・そうですねえ……ウチの店では山梨名物の「桔梗信玄餅」と山梨のワインを買ってもらってね、それで石和にもあるワイナリーでも見学して、それで笛吹川の雄大な河原でも見てちょうだい
3・覚えている人もいるかな、20年くらい前に俳優の梅宮辰夫さんが自家製の漬け物を「辰っちゃん漬け」って売り出したんだよね。それをウチの店でも当時扱ってご本人にお目にかかったこと、それにいまでも「すみません、『辰っちゃん漬け』は……?」ってお客さんが来てくれることだね。いまは商品流通はしていないはずで、もちろんウチでも扱ってないですよ
4・そうだねえ、いつも観光地で生活しているからなあ……でもまた京都や奈良には行ってみたいとは思いますね。外国は特にありません
5・ははは、それは思い浮かばないなあ(笑)。まあ富士山をはじめ山がきれいな場所だからね、「山がきれいだね」みたいなことを言いますよ。
若美屋
山梨県笛吹市石和町松本177-3
TEL 055-262-2521
左上、ほうとうせんべい、右上、信玄桃、
左下、ぶどうのオイル、レデューアグレープソース、右下、桔梗信玄餅
1・「ほったらかし温泉」の代表取締役、常岡太郎です。44歳です。若い? いやいやいや……(笑)
山梨市の駅から車で10分、山の中腹に湧く温泉からは富士山がくっきり! 日の出の1時間前から22時まで入れる「ほったらかし温泉」にやってきました
2・それはもう、温泉から見える景色そして富士山です。富士山は明け方から昼間、どうぞみなさん堪能されてください。それと夜景です。私どもの温泉の下には「笛吹川フルーツ公園」があるのですが、こちらの夜景は"新日本三大夜景"に制定されています。そこよりもちょっと上にありますから(笑)……最高です。ちょっと脇道に逸れますが、私は以前、東京で会社員をしていて、日々いろいろなストレスがありました。私だけでなくみなさんそうですよね。でも、「ほったらかし温泉」や石和には都心から車や電車で2時間もあれば来られる。そこがみどころ、というのも変ですが、ぜひ日ごろのストレスを落としにいらしてください。
3・それはですねえ……(笑)、ここに温泉が出ないだろうかと、採掘の段階から私の父と私で始めたのですが、「おお、やった、出た!」というところ……これも思い出ですよ、思い出ですけれども、ここでお金が尽きちゃって(笑)。温泉は出たもののしばらくなにもできなかった……はい、まさに「ほったらかし温泉」です(笑)。で、なんとか資金面の目途を付けて、開場に至った最初の日、お客さんが二人やって来られたんです。「やった!」と思ったら、ウチが目的じゃないのに勘違いでいらしたそうで帰っていかれました(笑)。でも、そういうことがあって、いまは"ごはん"をいただけるようになりました。この一連の経験がなにより思い出ですね、はい。
ログハウス休憩所案内
4・フジQ……ははは、富士吉田市にある「富士急ハイランド」ですね。好きなんですよ、フジQの絶叫マシンとかおばけ屋敷とか。怖いですよ、フジQのおばけ屋敷(笑)
5・ははは、なんかすごい質問ですね。露天風呂につかりながら……夜ですかね、夜景を見ながら「あの灯り、ひとつひとつにそれぞれの生活があるんだね」……なんて、客観的なことを言いそうですね。え、"僕らもそのひとつにならないか"って? ははは、そうですね(笑)
ほったらかし温泉
山梨県山梨市矢坪1669-18
TEL 055-262-2521
営業時間 日の出の1時間前〜22時(最終案内21時30分)
上1段目左から、あっちの湯朝日、あっちの湯夜景、
上から2段目左から、あっちの湯日野で、あっちの湯うす暮れ
上から3段目左から、こっちの湯岩風呂、こっちの湯
下段左から、案内看板、屋外休憩所
1・駅から2キロでシャトルバスも出ています「石和健康ランド」。こちらでフロント主任をしております菊島利恵です
温泉以外にも場外馬券場など娯楽も多い石和温泉。手軽な宿泊地として人気の「石和健康ランド」です。もうお昼から地元の人たちを中心に大賑わい
2・大浴場や温水プールのような"湯遊館"、お食事どころにカラオケルームや囲碁将棋ルームなどいっぱいあ
るのですが、私としては岩盤浴をオススメします。朝の10時から翌朝の8時まで、女性だけでなく男性も利用が可能です。たくさん汗をかけますから、デトックスとリラックスで日ごろのストレスを解消してください
3・私はフロントにおりますから、お客さまから「ありがとう」という声を掛けられるのがいちばんですね。名札を付けていますから、たびたび利用していただけるお客さまから「菊島さん、ありがとう」と名前も呼んでいただけたりすると本当に嬉しいものです。これは他のフロント職員もそうでしょうし、ここにいる支配人(石和健康ランド支配人・遠藤芳彦さん)をはじめ、働いている職員みんながそうでしょうね。
4・そうですね……石和の近所ですと、「笛吹川フルーツ公園」がきれいでいいですよね。夜景もきれいですし……その上の「ほったらかし温泉」? ああ、いいところですよね。フルーツ公園を見て、ほったらかし温泉に立ち寄って、石和健康ランドに泊まる。贅沢な休日ですね、うん(笑)。
5・あ、こんな質問があるから支配人が私に振ったんですね(笑)。そうですね……私どもの部屋には富士山が見える部屋もありますから、そこで二人きりで…………………………うん、「ありがとう」になりますよね。いつもありがとう、こんなところに連れてきてくれてありがとう……やはり私は「ありがとう」の言葉がいちばん好きなんですね(ニッコリ)。
石和健康ランド
山梨県笛吹市石和町松本868
TEL 055-263-7111
上段左から、岩盤浴・薬石洞、湯遊館
中段左から、寝ころび湯、信玄公隠塩湯『塩湯治』
下段左から、樽風呂、角質を食べてくれる『ガラルファ』による「さなDesu〜」
1・「モンデ酒造株式会社」で広報などを担当しております向山功一、35歳です
山梨県はもともとワインの名産地ですが、石和温泉駅の近所にも老舗ワイナリーがあります。そのうちの一軒、いつでも工場見学ができて試飲もできてしまうモンデ酒造にお邪魔いたしました
2・それはもう、私どもの工場を見学していただき、それからのワインやリキュール、ジュースなどの無料試飲が絶対のオススメですね。工場見学はHPなどからも申し込みができますが、ひとり旅などではお気軽に直接お出でください。また、工場見学ラインでは大変珍しいアルミ缶に入ったワインの製造過程をご覧いただけますよ
3・はい、これはいまの質問でも出ましたアルミ缶に入ったワイン、弊社の「プレミアム缶ワイン」ができたことです。これは4年ほど前にJR東日本さんなどと共同開発を行なった製品で、たとえば電車の車内、またアウトドアシーンでもお気軽に飲めるワインをということで開発に着手しました。商品化に成功した際は、全社を挙げてはもちろんのこと、私個人でも大変嬉しかったのを覚えていますね。見学で見ていただく際などは、「どうだ、スゴイだろ!」と感じていますよ、本当に(笑)。
4・そうですね……まあ、ウチの見学をしてから出発していただくとして(笑)、近所にも「マルス山梨ワイナリー」さんや、ちょっと行けば「勝沼ワイナリー」さんなどもあるワインの産地ですし、フルーツや桜、桃などの植物、そして富士山をはじめとする自然……みどころがたくさんある、それこそ「山梨」が私のオススメです。
5・工場見学をふたりでしながら、プレミアム缶ワインのラインに来て「どうだ、スゴイだろ!」と言いますか(笑)。でも、本当に嬉しかったできごとなので、一緒に来た相手にも見てもらいたいんですよね。その後はワインを試飲してほろ酔いで帰るなんて最高じゃないですかね
モンデ酒造
山梨県笛吹市石和町市部476
TEL 055-262-3161
右上、山梨県産ベリーA、甲州ワイン、左下、プレミアム缶ワイン
1・石和温泉の「華やぎの章 慶山」、女将の千須和慶子です。昭和35年にこの慶山の場所に温泉が湧きましたが、そのころにお嫁に来た、という年齢です(笑)
石和温泉郷と言えば南関東では熱海に次ぐ規模の温泉街。その中から「観光経済新聞社」による"5つ星認定"を受けたのが「華やぎの章 慶山」です
2・もちろん温泉です。自噴する自家源泉かけ流しの温泉は、肌がツルツルになりますよ。またお風呂は朝に男湯と女湯が入れ替わります。夜に入って、朝お目覚めの後にお風呂に行けば前日とは違ったお風呂場が使えるので、ぜひとも夜に朝にとお楽しみください。もちろん温泉の他にもお食事、お部屋、夜には従業員による和太鼓の演奏などもあり、滞在中はずっと楽しめる宿だと思っております
3・石和温泉郷のブドウ畑から温泉が湧いたのは昭和36年のことですが、この場所では一足早く温泉が湧いてまして、そこでいわゆる"立ち寄り湯"をやっておりました。そしてその後、温泉旅館としていまに至るのですが、そのときからいままでお客さまに感謝の言葉をいただくのがいちばんですね。そして私だけでなく従業員もそうですが、やはり感謝していただくにはキチッとした接客をさせていただかなければならない。常日頃からそう心がけ続けることによって、「ありがとう」と言っていただける。私達も「今日はいかがでしたか?」と自信を持ってうかがえるように、日々心がけています
4・そうですね……これはやっぱり仕事と結びついてしまうのですが、「北陸地方の温泉宿」ですね。私が修行をしていたのも北陸なのですが、あちらはおもてなしの心が全面に出
ているんですね。なので、旅行をするときも勉強も込みで北陸地方を選ぶことが多いです。たとえばある有名な温泉街には行く気がしないのですけれども、そちらはおもてなしにはあまり力を入れていないよう感じます。その点で、私は北陸地方をオススメします
5・温泉に入って、食事して……まあやはり「今日はありがとう」でしょうか。私としてはつい、今日していただいた接客がどうだったか、勉強のつもりで「今日はいかがでしたか?」と聞いてしまいそうですが、仕事をまったく忘れてでしたらやはり感謝の言葉を伝えたいですね
華やぎの章 慶山
山梨県笛吹市石和町市部822
TEL 055-262-2161
1・梨の「まるきた 花桃園」、有賀皓一。職業……? こちらの生涯園主ですが、年収でいちばん多いのは年金だね(笑)
山梨の誇るフルーツと言えば桃。春先にはまずハウス栽培の桃に満開の花が咲きますが、こちらには観賞用の桃の木が一面育てられている場所があるのです。それがここ「まるきた 花桃園」
2・それはもう、ここの花桃……花桃というのは観賞用の桃の花で、江戸時代には日本でも盛んに育てられていましたが、明治以降は食べる桃に取って代わられて、絶滅の危機に瀕したのですよ。それがを国が保存するために農林水産省果樹試験場が研究をして、「そういや山梨に変わったヤツがいるぞ、持っていくかい?」という花桃を育てて、70種類500本の桃の木があります。日本でしか見られないもの、中国のものなど様々です。それと、園にご案内する前には、いろいろな桃に関するエピソードや掛け軸、展示品などを“文化館”でご覧いただき解説します。まあ、説明が多いヘンな桃園なんだ、ウチは(笑)。ただね、せっかく来てもらったのに、残念ながらいまほとんど咲いていないのだよな(笑)。今年は遅れちゃったんだよね。
3・いろいろあるよ。たとえば花桃というのは……『三国志』で“桃園の誓い”というシーンがあるけれども、中国では花桃が中心なのですね。その流れから中国の北京市の町と笛吹市の交流の窓口にならせていただいている、とか。それと普通にしていたらお目にかかれない芸能人の人がテレビの取材でいらしてくれたり。(文化館の写真を示して)これは先日いらしたジュディ・オングさんと福留(功夫)さんだね。。
4・うーん。笛吹市の観光行政について私は……というのはおいといて(笑)、春は桃以外に桜もきれいに咲きますので桜を見たり……あと一宮町には重要文化財の神社なんかもありますから、ウチで桃を観たあとは「甲斐一宮浅間神社」などを回ってみるとかどうでしょうかね。あとは中国に行って花桃を
5・えーっ? ……思い浮かばないよ(笑)。うーん……あのね、以前のことなのだけれども、父親が亡くなったときに、いろいろと“モノ”が無くなっていったのよね。それで、手元に残していても形が一生くらいなくならない物……ということで、私は「和紙」をいまでも集めているのですよ。そんなわけで、「一生、形がなくならないでいたい」、そんなことでいかがでしょうかね(笑)
まるきた 花桃園
山梨県笛吹市一宮町下矢作399-1
TEL 0553-47-2667
※桃園の開園は春季のみ。見学には予約が必要ですので、お問い合わせ等も含めてお気軽にお電話ください