その生涯にわたり夢を追い求め、夢を実現し続けてきたウォルト・ディズニー。「今、我々は夢が叶えられる世界に生きている」という彼の言葉通り、実現不可能と言われた夢を叶えた映像プロジェクトがウォルト生誕110周年記念作品として公開される。
あの『スター・ウォーズ 』、『アバター 』に多大なインスピレーションを与えたと言われる『ターザン 』でも有名な小説家エドガー・ライス・バローズの伝説的SF小説を原作に、ディズニー/ピクサー作品である『ファインディング・ニモ 』、『ウォーリー 』、で全世界を沸かせたアンドリュー・スタントン監督が初の実写映画化に挑んだ、世紀のディズニー・スペクタクル巨編『ジョン・カーター』が、いよいよ公開。
1881年のニューヨーク。ジョン・カーターという名の大富豪が謎の失踪を遂げる。愛する妻と娘を失って以来、他人とのつき合いを絶ってきた彼は、唯一心を許していた甥のエドガー・ライス・バローズに一冊の日記を残す。そこに記されていたのは、想像を絶する彼の“体験談”だった。生きる意味を見失っていたジョン・カーターは、ある不思議な現象によって未知なる惑星“バルスーム”に迷い込む。地球を凌駕する高度な文明を持ったこの星は、全宇宙を支配しつつある“マタイ・シャン”によって滅亡の危機に瀕していた。バルスームの民たちと心を通わせるジョン・カーターだったが、かつて妻と娘を救うことができなかった無力感が、彼らとともに戦うことを躊躇させていた。だが、マタイ・シャンの無慈悲な攻撃にさらされるバルスームの惨状が、彼の中に新たな感情を芽生えさせる。それは、愛する者を二度と失いたくないという強い思いが……。
『スターウォーズ』、『アバター』に影響を与えたと言う通り、ターザン張りの登場人物がお姫様を助け、権力者や悪党たちに立ち向かうストーリー展開に。また、クリチャーたちも個性的で恐ろしかったり愛嬌があったりと、とても楽しめる。そして飛行艇はどことなくノスタルジックでもあり新しくもあり、この星全体がそういったテイストになっている。地球人に似た姿の“ヘリウムの民”と“ゾダンガの民”の争い。宇宙でもっとも進化した存在の“サーン族”が“ゾダンガの民”を操る。そこに“サーク族”という牙と4本の腕を持つ3m近くの身長を誇る砂漠の民が参戦。なんともワクワク、ドキドキの展開ではあるが、どこかで観たことのある物語とビジュアルという形になってしまっている。そもそもこちらが最初であるはずなのに……。
しかし、背景すべてがCGである昨今のSF作品にくらべ荘厳な大自然の中に作られた広大なセットと少々のCG処理は、私のようなSFファンには嬉しい。『スターウォーズ』作品が大好きな方には同系列の作品として楽しめるだろう。ディズニー・スペクタクル巨編というだけあって映像のクオリティは高い。
また、別の楽しみとして“サーク族”に注目してほしい。モーションキャプチャーという技法を使って、このクリチャーの演技をウィレム・デフォーをはじめ名優人が演じていること。顔や身体中に黒いドットがついたジャンプスーツを着込んでの演技に俳優たちの姿を想像して観てほしい。
ラストはそれまでのSF王道ストーリーからちょっと外れて意外な展開になっているので、そこはお楽しみに。なぜジョン・カーターはエドガーに日記を残したのか?
監督:アンドリュー・スタントン
出演:テイラー・キッチュ/リン・コリンズ/ウィレム・デフォー
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
公開:4月13日(金)2D/3D同時公開
あそびすと記者会見:キャスト&監督来日会見
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