『ソウ 』の監督と脚本コンビが『パラノーマル・アクティビティ 』のスタッフとタッグを組み、極上のホラーを作り上げた。全米・全英で5週連続TOP10入りした新たな恐怖が、いよいよ日本上陸だ。
三人の子供たちとともに新居に引っ越してきたルネ(ローズ・バーン)と夫のジョシュ(パトリック・ウィルソン)。だが、その新居には気味の悪い不可解な現象が絶えなかった。そんな時、小学生の息子ダルトンが梯子から落ちて昏睡状態に陥ってしまう。その“家”に忌まわしいものを感じた彼らは、即座に引っ越しを決意する。だが、引っ越し先の家でも怪現象は収まらなかった……。
“家”に何かが起こるという大概のホラーは、その家屋にこそ原因があり、そこから抜け出すことこそが大目標であり、だが霊の妨げでその家からなかなか抜け出せずに右往左往する、といったストーリーが多い。
だが本作の登場人物たちはどうやら裕福なようで、越してきたばかりの家を即座に捨てて違う家へと移り住む。それもそのはず、原因は家ではなく別のところにあったからだ……ということで、物語の前半はその原因が何なのかが非常にワクワクさせられるところ。
キャスティングも豪華だ。『特攻野郎Aチーム THE MOVIE 』のパトリック・ウィルソン、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション 』のローズ・バーンが、確かな演技でリアルさを醸し出している。そして何より物語のキーを握る息子役、タイ・シンプキンス(『宇宙戦争 』、『スリーデイズ』)の美少年加減も、この世のものとは思えないほどだ。
幸いなことに私自身は霊なるものを見たことはないし、この先も決して見たくはない。だが、本作に現れるユーレイの皆々様方は「きっと見える人にはこう見えるんだろうな」という、(たぶん)リアルな形でお出ましになる。あんな出方をされたら、小心者の私なんぞは発狂してそのまま人生終わりになってしまうかもしれない。
何を隠そう、ホラー映画が怖いか怖くないかを図る個人的なバロメーターは、「夜寝るときに照明を落とし、テレビを消しても眠れるか」である。後半は何やらトンデモな世界に突入する感があり、全体的にはまぁまぁ耐えられる怖さであった本作なので、余裕で真っ暗な部屋でテレビを消して眠れると思っていた。
が! 予想に反し、あのシーンやあの霊の顔やあれやこれやが浮かんで来、ものの1分と耐えられずにテレビを煌々とつけたまま床についてしまったのであります……。
全体的に画面が暗いため、DVDが出てから自宅で観るよりも、劇場での観覧が断然おススメ。公開は8月後半だが、この夏はきっと残暑も厳しいはず。
肝試しがてらの涼みがてらに、劇場に足を運んでみてはいかが?
監督:ジェームズ・ワン
編集:ジェームズ・ワン
脚本:リー・ワネル
出演:パトリック・ウィルソン/ローズ・バーン/タイ・シンプキンス/リン・シェイ
配給:ショウゲート
公開:8月27日(土)、シネマサンシャイン池袋、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー
公式HP:http://www.insidious.jp/
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