陰謀の代償

20110705picm.jpgG.I.ジョー』のチャニング・テイタムを主演に、アル・パチーノ、ジュリエット・ビノシュ、レイ・リオッタ、ケイティ・ホームズら豪華名優たちによる、先が読めないクライム・サスペンス・アクション映画が登場!

9・11事件の翌2002年、アメリカでもっとも多くの人種が渦巻くニューヨーク市クイーンズ区。人々はいまだテロの影響下にあり、治安の悪化が著しいこの街は猥雑なエネルギーに包まれていた。新しく配属されてきた警官ジョナサン(チャニング・テイタム)は、かつてここで生まれ育ち、貧困と差別から抜け出すため、少年のころ誤って犯した殺人事件を闇に葬った過去を持っていた。
そして、彼を殺人罪から助け出したのはジョナサンの父親の相棒刑事であるスタンフォード(アル・パチーノ)だった。ジョナサンがクイーンズに戻った途端、何者かから過去の殺人をほのめかす脅迫状が届き始める。地元紙に過去の事件が隠匿されたことを告発する手紙が大々的に掲載され、警察腐敗の噂が広がることを恐れたマサース警部(レイ・リオッタ)はこれ以上ブリッジス記者(ジュリエット・ビノシュ)が記事を掲載しないようジョナサンに命じるが……。
すべての登場人物たちが善と悪の間のグレーゾーンをなぞり続け、あぶり出されてゆく腐敗した権力機構の真実に迫る――。

20110705pic1.jpgこの作品はアメリカのシリアスな社会問題がテーマになっている。ニューヨークの低所得者向き公営住宅に多くの黒人やヒスパニックが住み着き、麻薬や犯罪の温床に。そこから抜け出すことが出来ない彼らにしたって、最初から悪事を働きたいわけではない。
少年が引き起こしてしまった正当防衛にも見える、なんともやるせない気持ちにさせる殺人事件がそのことを隠してしまったために、とんでもない結末を引き起こしてしまう。
また、警察は自分たちの保身のため、身内の不祥事を隠してしまう体質がある。悪事そのものではなく隠してしまうという罪の重さをこの作品では問いかけている。

20110705pic2.jpg監督のディート・モンティエルはハードコア・パンクバンドのボーカリストで小説も書くという異色の人物。若いストリート・ファイターをドラマチックに描いた『ファイティング』(09年)でチャニング・テイタムを主役に起用し注目を集めたが、今回もまた2人がタッグを組むかたちになった。
スタンフォードを演じるはアメリカを代表する俳優のアル・パチーノで、『狼たちの午後 』、『ゴッドファーザー 』シリーズなど歴史に残る名演技と多くの賞を受賞。最近ではロバート・デ・ニーロと共演した『ボーダー』がある。そのせいなのかチラシには主役以上にど真ん中アップで扱われている!! 本作では中堅の刑事時代と年老いた警察委員長を演じ分けていて、その辺りも注目して観るのも面白いだろう。

悪事を隠して幸せに生きるのか? 正直に生きて不幸になるのか? どちらが良いのだろう……。


監督・脚本:ディート・モンティエル
出演:チャニング・テイタム/トレイシー・モーガン/ケイティ・ホームズ/レイ・リオッタ/ジュリエット・ビノシュ/アル・パチーノ
配給:日活
公開:7月9日(土)より、銀座シネパトスほか全国順次ロードショー
公式HP:http://inbou-daishou.com/

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