桜丘の空気が包むTORO’Sという”縁”

「こちらのお店にもぜひ行ってみてください」
当コーナーも開始から約半年。桜丘で生活する人々すべてを主役として、さまざまなみなさんにご登場いただいたが、そういったご縁のおかげで後々にもいろいろなアドバイスをしていただける。冒頭の言葉などその最たるもので、人と人との結びつきがさらなるご縁を呼んでくれる。
いいなあ、桜丘。
そう思う瞬間である。

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今回ご登場いただくのは中央通り(仮称)の坂の麓にある『TORO’S』。飲食店が入ったビルにある雰囲気のいいこのお店は、以前、このコーナーにて登場いただいた『Bar Barista.』の高瀬健一さんのオススメである。高瀬さんの激賞ぶりはBar Barista.の回を読んでいただくとして、取材の翌日には「TORO’Sさんには取材の話を通してありますから」と動いてくれた高瀬さん。すぐさまご挨拶に行った数日後、取材日を決めるべく筆者がランチタイムにうかがったら「おやっ、たしか今日、取材の日を決めるのですよね?」とオススメのハンバーグを食べていた高瀬さんからひとこと。まるでTORO’Sの人のような、ツーカーな両店です(笑)。

「ハハハ、高瀬さんには本当によく来ていただいています。みなさんにもお伝えしてくれたわけですから、本当にありがたいですね」と笑うのは『TORO’S』のオーナーにして自慢のフードを生み出す中島朗さん。調理師となってから13年、務めていたある大手外食産業の本社が桜丘にあったことなどをきっかけに、この地にTORO’Sをオープンしたのが2年半前。
「桜丘は渋谷の中の“新橋”ですよね(笑)。会社や事務所、そして飲食店も多い。大人の街ですよね。いい人も多くて、とても居心地がいいです」(中島さん)
それじゃあオススメをしてもらったフードを作りましょう、と作業に掛かりつつ、「私もやっぱり……」と言葉が続く。
「私もやっぱり、よく行く場所、オススメは間違いなくBar Barista.です。飲んだことのあるドリンクの中で、カクテルでこんなに感動したお店はありません。それまでのカクテルの価値を覆され、バーテンダーという仕事の凄さ、素晴らしさを知りました。高瀬さんが作るカクテルはすべて本物で、味はもちろん手さばき、接客、なにより仕事に対する姿勢、どれも一流です。それと作るカクテルのアイデアやユーモア……こんなにハマッたバーは今までにありません」(中島さん)
お互いが一流と認め合う同士だからこそ出てくるこの賞賛。
いいなあ、この関係性。

どこか温かい気持ちになっていたとき、ディナータイムの開店時間を迎え、お客さんがやってくる。あれ、久しぶりだねー、そう笑顔で迎える中島さんと、それに応えるお客さんたち。筆者が感じた温かい気持ちは温かい空気となって、このお店を包み始めていた。
この地にお店を開いた縁、お客さんがこのお店にやってきた縁、一流の仕事仲間が来店した縁、そして筆者が取材に訪れた縁――これら「縁」が呼び込んだ温かい空気こそ、当コーナーに登場したみなさんが口にする「下町」や「人情の街」に必要不可欠なものだ。

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『TORO’S』とは、桜丘なのである。

「お待たせいたしました。自慢のハンバーグと、フライドチキンを始めたBar Barista.に対抗して(笑)ケイジャンチキンも作ってみましたよ」
そう言うが早いか、お客さんのフードの調理に取りかかった中島さん。その先には談笑しながらグラスを傾けつ、フードの登場を待ちわびるお客さんがいる。
さあ、自慢のフードたちをいただいて帰ろう。取材などというヤボはこの場には似合わない。なにせいまここは“桜丘”、ヤボを嫌う人情溢れる下町なのだから。
いただきます――

いいなあ、『TORO’S』。
いいよ。『TORO’S』。

Q・あなたにとって桜丘とは?
「私の夢を叶えてくれた場所」

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一面ウッディーな店内です。木目調で統一されているとなにより落ち着きますねえ。
右手のカウンター、イーティングスペースではなくドリンク&フードのサービスだけ ですが、ひろびろとしたキッチンと合わせてなかなか絵になっています

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さまざまな調度品……ハンガーだけ取ってみてもセンスを感じますね。イカした店内 では各種パーティや貸し切りイベントもOK!「お気軽にお問い合わせくださいね」

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さてお待ちかね、ゆっくりグラスを傾けましょう。まずは白ワイン(グラス550円 〜)『イワシのマリネ』(490円)を合わせましょうか。暑いこれからの時期、よ く冷えた白ワインと、オイルの海を泳ぐ光り物は相性抜群ですよ

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おおお、煮えてます煮えたぎっております。『海老のアンチョビガーリックオイル煮 込み』(790円)。“アヒージョ”なんて呼び方もありますこちら、火の通ったエビ に染みこんだアンチョビガーリックの味わいがたまりませんねえ。バケット(290 円)はエビちゃんを乗せて食べてよし、オイルに浸して食べてよし、でございます

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ポテトとバターがドーンと山盛りの『アンチョビポテト』(590円)。高瀬氏はおか わりをしてしまうと言うほどの人気定番メニュー! ジャガイモとバター、さらには アンチョビって進まないわけないですな、生ビアー(550円)が!!

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風味豊かなスパイスがビシッと下味付いてますよ、みんな大好き『ケイジャンフライ ドチキン』(590円)です。ジュワーッと肉汁、スキッとスパイス。こちらも
ゴクゴクと生ビールでやっつけちゃいましょう

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さ、やってきましたデミグラスソースに溺れる『特製柔らかハンバーグ』(990円)赤ワイン(グラス550円〜)でいただきますけれども、これやっぱりごはんと合っちゃう。ちなみにランチですと800円で大盛り無料のごはんが付いちゃったりします。「ランチはキツ……いや、ドーンとサービスなんです!」

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「夫婦だと思われるな、こりゃ……」それは男女揃い踏みの飲食店の宿命です (笑)。写真撮影に半分涙目の中島さんと、お店のあやこさん、ありがとうございました。気さくなトークも待っている、みなさん『TORO’S』に「お待ちしておりまーす!」



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【今回の桜な人々】
BAR&GRILL TORO’S
中島 朗
さん

〒150-0031
東京都渋谷区桜丘町16-2
桜ビル202(マップ

ホームページ
http://www.bg-toros.com/