6月のカレンダーを眺めていると、平日に“赤い日”、祝日がないことに嫌でも気が付く。そのほか祝日がない月としては8月もあるが、こちらには“お盆休み”がある人もきっと多い。純粋に(?)週末以外は就業就学に励みましょう、教育と勤労は国民の義務でございます――こんな月こそが6月なのである。
そんなツライ月だと最初に気が付くのは、やっぱり小学生になったときだろうか。「なんで6月には“○○の日”がないんだ」という疑問のような憤りを感じつつ、そしてこう思った経験があるはずだ。
「『時の記念日』が休みならいいのに」と。
「時の記念日」を制定したのは現在の国立天文台。
こちらは本部のある三鷹キャンパス
(Wikipediaより)そう、今日6月10日は「時の記念日」。そんなわけで今回は「時の記念日」と「記念日」のおはなし。
近年、1年365日にありとあらゆる記念日が存在しているのはみなさんごぞんじかと思う。たとえば6月10日には時の記念日のほか、「てっぱん団らんの日、酸化防止剤無添加ワインの日、無添加の日、緑豆の日、夢の日、ムートンライフの日、無糖茶飲料の日、ミルクキャラメルの日」などが存在している(あくまでも一部)。このうち、時の記念日は“国もしくは国の機関”によって制定されているもので、これは祝日なども同じ。時の記念日の場合は、日本で始めて時計の鐘が打ち鳴らされたのが671年6月10日とされている(『日本書紀』より。天智天皇の和歌にその記述がある)ことから、東京天文台(現在の国立天文台)と生活改善同盟が1920年、「時間をきちんと守り、欧米並みに生活の改善・合理化を図ろう」という狙いから制定したものだ。
翻って先のカッコ内に示したものは、民間の任意団体である“日本記念日協会”が個人や団体から申請を受けて、(いわば勝手に)認定した記念日となる。たとえば「ミルクキャラメルの日」は、森永製菓が1913年の6月10日に『森永ミルクキャラメル』を発売したことから、森永製菓が申請して認定された、というわけである。
また、国や日本記念日協会が制定する以外にも、地方自治体などが独自に制定している記念日も山のようにある。千葉県習志野市では、市内の谷津干潟が自然保護条約である「ラムサール条約」に登録された日ということで、6月10日を「谷津干潟の日」としているなど、あなたが住む町にも独自の記念日がゴロゴロしているはずである。