第26回 邦楽編 PUFFY――俺とPUFFY……由美の”由”の字もないぞこの原稿(笑)

えー、前回はかなりマニアックなアーティストのことを書きましたので、今回は反対に大メジャーなアーティスト(どっちも同じくらい思い入れあり)のことを書こうと思います。「PUFFY」です!

まあ、いちいち説明する必要がないほど、皆さんご存知のことでしょう。いまや全世界で人気者になってしまったPUFFY。なので細かいことは書かず、自分の思い入れのみ……って、はい、いつものことですよね。わかってますってば。えーと、PUFFYのことはデビュー当時にはさほど興味がありませんでした。正直、「(奥田)民生がなんでこんなアイドルみたいなのプロデュースするの?」っていう、あまりよくない印象だったように記憶してます。

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デビュー15周年目のニューアルバム
Thank You
デビューシングル『アジアの純真 』は「奥田民生/井上陽水」というとんでもなくゴージャスな二人の共作で、出来が悪いはずがなく、良い曲だなとは思ったけど、それでもアーティストというよりは、アイドルみたいな認識でいました。しかも特に興味もなく……。ところがところが、テレビ番組の『パパパパパフィー』(テレビ朝日系)を観だしたところ、二人の可愛さ、ゆるーいようで、頭の回転の速いところ、そういったところが気に入って……気が付いたらね、俺はパフィーに恋をしてたんですよ(苦笑)。
特に(大貫)亜美ちゃん! 最初はどっちがどっちかわかんなかったぐらいなんだけど、見れば見るほど俺好みで(笑)、さらにルックスだけじゃなく、エッセイなんかの文章も面白い。結婚してお母さんになった今でも100点満点です!

……えー(苦笑)、そんなわけでやっぱり、最初はアーティストとしてではなく、アイドルやタレントとしてファンになったんですね。で、そのグッズを買うかのような気持ちでデビューアルバムを買ってみたら、これが凄く良かった。当時流行っていたダンスミュージックとは対極にあったルーツロック的な楽曲の素晴らしさ、二人の声の雰囲気、民生氏だけじゃなく、二人が書く歌詞のセンスの良さ、そういった部分が思いっきりストライク! もちろん、奥田民生氏の力が大きかったのは言うまでもないけども。

その後の、二人のソロをカップリングしたCDでは、これまた俺のお気に入り元「JELLY FISH」のアンディ・スターマーが作曲に加わっていたり。もうね、俺が気に入る要素だらけなわけですよ。二枚目のアルバム『JET CD 』では、陽水、民生に加え、トータス松本、奥居香、草野マサムネ(敬称略)という、豪華作曲陣による素晴らしい楽曲が勢ぞろい!
いや、これは名盤です。これだけ豪華なアーティストがひとつのユニットに曲を提供するというのも凄いし、それを柔軟に歌いこなしている(ように聴こえる)PUFFYも凄い。で、誰がどの曲を書いてるのかすぐわかるんだよね(笑)。それもまた凄い。個人的にはPUFFYって、アーティストが好きなアーティストだと思う。料理したくなるっていうのかな。出来ることなら俺の曲も歌ってもらいたい。ツッコミ無用。

そして、俺は勝手にPUFFYにとても大きな恩を感じていまして……、もう15年近く前の話しなんだけども、当時、バンドがうまくいかず、彼女ともうまくいかず、落ち込みまくっていたときに、深夜のコンビニで『BOON PUFFY BOON 』という本を立ち読みしたんですよ。そこにはまあ、可愛らしい彼女たちの姿が載っていたわけなんだけど、それよりも、ライヴのリハーサルの様子を写した写真、ステージ側からお客さんの入っていない青く薄暗い客席が写ってる様子を見て、体に電気が走ったんです。
「ああ、俺はこの景色をよく知っている!」って。「こっち側に戻らなきゃダメだ!」と、その写真を見て決心し、潰れかけてたバンドを立て直したんだよね。あれが無かったら、実家に帰っていたかもしれない。なかなか人には共感してもらいにくいエピソードだろうけど、ほんとにそう思った。あれがなかったら今の俺は無い……良かったのか悪かったのかわかんないけどね(笑)。

さて、そんな恩義まで感じてるPUFFYなので、当然ライヴも観てます。これがまた楽しいんだよなあ。どうしたって溢れ出る魅力的なキャラクターゆえに、いまだアイドル的な見方をしている人も多いかと思いますが、その辺のショボいロック・アーティストなんてふっとばすぐらいカッコいいライヴを見せてくれますよ! 俺はもう、亜美ちゃんが好き過ぎて、鼻の下を伸ばしっぱなしで見てるんですが(苦笑)、サポートメンバーは一流だし、二人もいまやデビュー15周年のアーティスト。
正直、まだまだPUFFYのことナメてる人っていると思うんだけど、そういう話しを聞くたび、「知らないままでいると損するぜ!やーい!」っていつもほくそ笑んでます(笑)。

それにしても、あのゆるーい雰囲気のまま、ポップ・アイコンとして世界に受け入れられたPUFFY。凄いよね。とても稀有な個性を持った二人組だと思ってます。大好き(笑)!