バッキンガム宮殿。
このように王室旗がはためいている際は、
女王がご在宅です
去る4月29日、英国にてウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式、いわゆる“ロイヤル・ウェディング”が行なわれた。推定100万人の観衆が、ウエストミンスター寺院からバッキンガム宮殿までのパレードコースに訪れ、その模様は世界各国にも中継。我が国でもゴールデンタイムに生中継が行なわれ、24%の高視聴率を記録(ビデオリサーチ調べ)するなど、大きな関心を集めた。
筆者も中継に見入ったクチだが、パレードやバッキンガム宮殿のバルコニーでの王室集合、そして“ロイヤル・キス”という目玉イベントの前、ウエストミンスター寺院での挙式風景を眺めていて気が付いたことがある。式の後半に国歌斉唱があったのだが、そのタイトルが『God Save the Queen』(邦題としては『神よ女王を護りたまえ』などが充てられる)。映画などを観ても英国民から敬愛されている様子がうかがえる女王エリザベス2世陛下だけにピッタリのタイトルだと思ったのだが、これ、遠い将来にチャールズ皇太子やウィリアム王子が王位に就いたときはどうなるのだろう、また新しい国歌に変わるのだろうか? そう思って調べてみると……。
正解は「変わる」。ただし「タイトルと歌詞の一部が」である。女王が在位中は『God Save the Queen』だが、国王が在位中は『God Save the King』となり、邦題も『神よ国王を護りたまえ』などとなる。また6節まである歌詞も、Queenの部分がKingに、herがhimにそれぞれ変更される。
最後に日本ではそうそう紹介されないだろう1節目の歌詞の英文と邦訳をご紹介。なお、英国には国歌を規定する法律が存在せず、いわゆる“賛歌”なのだが、一般的には広く国歌として認知されている。
『God Save the Queen』※国王が在位時はQueen→King、her→him
God save our gracious Queen,
おお神よ我らが慈悲深き女王を護りたまえ
Long live our noble Queen,
我らが気高き女王よとこしえにあれ、
God save the Queen:
神よ女王を護りたまえ
Send her victorious,
君に勝利を、
Happy and glorious,
幸を栄光をたまわせ、
Long to reign over us,
御世の長からむことを、
God save the Queen
神よ女王を護りたまえ