「8時ちょうど」に「霧の街」

ヒット曲の舞台、というおはなし。

昭和52年の今日3月25日は、兄弟デュオ「狩人」のあずさ2号の発売日である……と書いたついでの余談だが、今回この日に『あずさ2号』を取り上げたのはまったくの偶然(!)。書くつもりで調べてわかった話です。すごいねえ。

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あずさとともに運行されているスーパーあずさ。
現在の「8時ちょうど」はスーパーあずさ5号

で、この曲、「明日、あなたの知らない人と一緒に初春の長野へ行く」手段が「午前8時発の特急、あずさ2号」だと歌っている(大人の事情により歌詞は要約しております。以下同じ)。あずさは通常JR新宿から松本までを運行する特急だが、この歌詞から類推される8時に新宿を発車するあずさは、ホントに2号なのだろうか?

まず、リリース当時の昭和52年、当時の国鉄で平日8時新宿発のあずさは……まさに2号で、終点の松本には11時46分に到着する。また、昭和53年10月以降、国鉄では列車号数は東京方面への上りが偶数、下りが奇数となるのだが、それ以前は上りも下りも同じ号数があり、8時松本発のあずさも2号だった(新宿着11時30分)。なお、前述の通り昭和53年で号数に関する規定が変わったため、その当時の8時新宿発のあずさは3号となり、2号は甲府7時35分発の列車となった。
そして現在(今年3月のダイヤ改正を含む)、新宿8時発のあずさはスーパーあずさ5号で、松本着は当時より1時間以上早い10時38分。あずさ2号は松本6時8分発の上り始発となっている。

おまけでもう一曲。昭和59年1月1日に発売された中森明菜の北ウイング。「成田空港の北ウイング(第1ターミナル北ウイング)を夜に出発する飛行機で、霧の街に向かう」当時の飛行機はどの便か、これを人気歌番組『ザ・ベストテン』(TBS系)が調べたところ、日本航空かブリティッシュエアウェイズが運航するアンカレジ経由ロンドン行き(ロンドン=霧の街)、なんだとか。