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<ウチから “バス!”>
私はココに半世紀以上住んでいる。
が、この半世紀以上基本的に変わった気がしない。
確かに 昔転んでは痛い目にあったじゃり道は舗装され、あちこちにあった空き地は殆ど無くなり、家はこまごましてきた。でも相変わらず線路沿いの小さな商店街まで降りなければ1軒の店、コンビニさえ無く、ポストも、今はあんまり必要じゃないかもしれないけど公衆電話も昔から無い。昔は、"電話貸してください" なんて飛び込みはしょっちゅうだった。
一応見渡す限り人が住んでいるんですけどね。
だから私たちは線路沿いへ用足しに行く事を"下へ降りる"と言います。まるで下界に降りる みたいじゃありませんか。年賀状の時期なんていつもギリギリの私たちは "降りる人" を捕まえては1枚でも早く出そうと足掻きます。勿論その辺を歩いている人じゃありませんよ。
そんなココにバスが通った!
案自体はずっと以前からあって、線路の反対側やらココ以外は何年も前に開通してかなりの稼働率。コミュニティバスとしては大成功でしょう。が、ココは初めから案があったにも関わらず最後まで取り残された。
ココらの期待を背負って走り始めたバス。
が、びっくりな事に停留所の著しい偏りにより殆ど利用し難い!
ココから駅まで徒歩で15分。私には何でも無い距離だが、お年寄りには坂道でもあってバスがあるとどんなにか助かることだろう。公平というのは難しいが、常識で考えても不思議な停留所。走らせないよりは先ずはとスタートさせたと書いてあったけど、まあ色々あるのね。
で、案の定乗る人が殆どいません。
このバスは駅からスタートして8の字を描くように走っているのだが、丁度ウチの前近くを通っている。1時間に2〜3本、独特のエンジン音を響かせてやって来る。カラカラと軽い音、今日も人が乗ってないのね〜。チラリとバスに目をやるのが癖になっている。
ウチからバスが見える? この自体はこの半世紀で大きな変化ではありませんか!
朝から昼間も、そして暗くなっても走っている。何だかその事自体に感動してしまう。
一応東京都なんですけどね。
ある日、駅で停車しているバスを見つけ、乗ってみました。
バスから見る自分の町の新鮮なこと!
こんなにカーブだらけ、こんなに街路樹張り出してる…
駅からはナント5人も乗りましたよ! いつも殆ど空のバスしか見てないですからね。みんな廃止になってはならじと使命感に感じてるのかな?
5分ほどで家に近い停留所に到着。ここから家まで4分位歩くのだから意味は無さそうだけど、夜だし荷物あったしラクでした。
タイミング合えばいいかな。
去っていくバスの後ろ姿に何だかエールを送りたくなりました。
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