数字のおはなし。
わざわざ言うまでもなく、さまざまな物の数を数えるときに使う数字。たとえば果物屋でりんごを買うとして、「りんご5個で300円」などと個数にも金額にも数字が出てくる。当たり前だが、毎日の暮らしの中で欠くことのできない要素が数字なのである。
アラビア数字は真ん中のアラビア半島ではなく……
左上のほうの国の発明です
さて、そんな数字。日本国内で生活していると、多くて3種類の数字を目にすることができる。ひとつは一、二、三、四、五……という「漢数字」。もうひとつはIやV、Xなどの「ローマ数字」(ちなみに1、5、10。ローマ数字はネット上では機種依存が高い数字なので、単純にアルファベットにあるやつで代用)。そして1、2、3、4、5……の「アラビア数字」。漢数字は漢字にも登場するとしても、ローマ数字なんかは時計の文字盤とか競馬など公営競技の格付け(GIとか)で目にするくらいか。利用頻度が高いのはやっぱりこのアラビア数字だ。
「1234567890」の十種類を組み合わせて使用するアラビア数字(日本では算用数字とも。ただし、公的にはアラビア数字としている)。もちろん名前の通りアラビア半島を中心としたアラビア人による発明……かと思いきやそうではない。もともとは数学発祥の地と言われるインドでの発明であり、それが9世紀ごろ交易によってアラビアに伝播、そこからさらに交易によって伝わったヨーロッパにて「アラビアから持ち帰った“アラビア数字”」となってしまったのである。ヨーロッパからしたらアラビアがオリジナルかと思いきや、数百年後の“大航海時代”まで見ぬインドがその元祖だった、というわけだ。
では、アラビア半島周辺では、12345……はアラビア数字と呼んでいるのか。その答えは否。アラビアの地ではちゃんと伝わってきた土地である「インド数字」とされております。