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主演の渋谷飛鳥のバースデーイベントでケーキをプレゼントした楳図だが、トレードマークの“グワシ”を手に、かけ声も「おめでとうグワシま〜す！」と底抜けに明るい。イベント中のトークでも「神の手と悪魔の手、どっちが右でどっちが左かわからないじゃないですか」と、原作者とは思えないボケをかましてくれる。「狂気は大事です、ハサミもありますけども」と、狂気と凶器をかけた、言わなくてもいいオヤジギャグも連発。本編には楳図本人も出演しており、とぼけた演技で絶妙な存在感を醸し出している。
いかにも“作り物”の小道具には興ざめだったし、「いやいや、そんな殺され方はしないだろう。あんなに時間があったらいくらでも逃げられるし。」と突っ込みたくなる間の悪さも満載だし、子役のセリフも棒読みだし…と、ケチならいくらでもつけられるのに、メチャクチャ怖いのである。

なんと言っても、父親役の田口トモロヲの演技には圧巻だ。狂気に満ちたあの表情、目つき。楳図が語っていた「外側からやってくるものではなく、人間の内側からやってくる恐怖」を見事に表現しきっていた。と、あぁ、やっと原稿書きが終わった。トイレに行くのも怖いのよ。この恐怖感は何だ？ 私は子供か。がんばって勇気を振り絞って寝床に着きなさい。…でも、後ろに何かいる気がするのは気のせい？ 誰か気のせいだって言って?！