連載開始から前回の邦題変、でなくて邦題編も含め、ずっと海外アーティストのことを書いてきたこのコーナーですが、今回からしばらく日本のアーティストについて書いていきますね! 音楽の良し悪しに洋邦は関係なし! ただ、やっぱりどっちも古めのものが多いんですけど……。正直なところ、あんまり最近のアーティストにはグッとこなくてねえ。歳ですかね(苦笑)。
さて、そんな邦楽アーティストの記念すべき第一回目ですが、誰にしよう、とか悩みもせず、すんなりと「沢田研二」氏に決定しました! そう、ごぞんじ「ジュリー」ですよ。正直言って最近の活動はフォローしてないんですが、幼少時の俺に多大なる影響を与えてくれてしまったのは、何を隠そう、あの“ジュリー”でした。
ジュリー還暦ライブのDVD。
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ikkieも自分で買うように(笑) うちの親によると、俺は物心もついてないようなころからジュリーに夢中だったそうです。実家に、そんなころのうちの三姉弟が遊んでるところをテープに録ったものが残ってるんだけど、二人の姉が山本リンダを歌ったあとに、さかんに「ヒデちゃん、ジュリーは? ジュリーは?」と俺をあおってるんですよ。ジュリーの真似をしろ、と。そのテープの中の俺は、単語をいくつか話すものの、他は「あばば。」って感じで、印象としては赤ちゃん。なのに、すでにジュリー好き!
さすがにそのテープを録ったときのことは覚えてないんだけど、家中のアクセサリーを身に付け、さらに風呂敷をマントにして、帽子を斜めにかぶってジュリーの曲を歌ったり、お風呂場で『カサブランカ・ダンディ』気取りで霧吹きしてみたり……。そうやって真似をしていたことは、よーく覚えています。当時の子供たちはみんなやってたと思うんだけどね。
ただ、みんなやっていたかどうか、ということもひとつありまして……。子供用のイヤリングが欲しいとデパートに行き、お店の人に無いと言われて暴れたらしいです、わたくし。「あのときは大変だった」と、親にいまだに言われます……(苦笑)。この時の事はなんとなく覚えてるんだけど、ジュリーのようにメイクして、イヤリングもしたかったんだんだろうね。今思えば恥ずかしい出来事だけども、ちょっとかわいくない? ねえ? かわいいでしょ(泣)?
ジュリーの何が俺をそんなに夢中にさせたのか? あのルックス、艶っぽい歌声、といろいろ憧れる要素は考えられるけども、俺の予想としては、「刷り込み」かな、と(笑)。鳥が生まれて最初に見たものを親と思うあれですよ、あれ。俺、初めて見た歌手がジュリーだったんじゃないかな(笑)。……だって、長髪が好きなのも、色っぽい男に憧れるのも、退廃的な雰囲気が好きなのも……、挙げ出したらきりがないぐらい、全部ジュリーのせいなんだもの! 三つ子の魂百まで。もう、俺のDNAが反応しちゃってるとしか思えない。物凄く影響を受けてるし、ジュリーに出会って俺の人生は決まった……って、前にもこんなこと書いたような気がするけど、気のせいだよね。
まあ、先に書いた予想は冗談としても(結構本気)、当時の俺は、子供ながらにジュリーにロックを感じてたんじゃないかな?なんてことも思います。ロックなんて言葉はおそらく知らなかっただろうけど、のちに自分が夢中になってしまうロックの要素を、ジュリーからいっぱい感じてたんじゃないかな。ジュリーが当時やっていた音楽がロックだったかどうか、ということはとりあえず置いといて、歌謡曲にロックのスタイルを加えてはいるよね。そして、彼の存在感というか、スタンスというのかな? そういう部分は、今の俺が見てもロックを感じます。アイドルというよりは、ロックスターという言葉が似合う!
そして、ジュリーは俺だけではなく、その後の日本の音楽界、特にロックバンドに大きな影響を与えてるよね。「THE YELLOW MONKEY」なんかは、凄くジュリー的なものを感じるし、「すかんち」のローリーさんや、及川光博さんとかもきっと好きだったんじゃないのかなあ。他にも本田恭章さんとか。たくさんいるよね。みんな、俺と同じように、他の歌手とは違う、なにかロックなものを感じてたんじゃないのかな……。
最近、残念ながらジュリーをテレビで見かけることは少なくなったけど、舞台や、音楽活動は今も精力的にやっていて、08年には、なんと60歳(!)を記念して、東京と大阪の二大ドームで、両日ともに6時間半で80曲を演奏したというライヴを! 前にちょっとだけ映像を観たんだけど、艶のある歌声は健在だし、ほんとに凄すぎる。日本音楽界の至宝だよ!
ちなみにこのライヴ、DVDが出てるんだけど、連載10回突破記念ってことで、編集部から俺にプレゼント……なんてことありませんかね。うふふ。
さて、今回紹介する動画は、ジュリーのヒット曲を編集したもの。『サムライ』、超色っぽい! 俺もこうなってるはずだったんだけどなあ……。思えば遠くへ来たもんだす。