アレの名前――あの視力検査のアレ

最近の視力検査というのは機械を覗いてパッパと計ってしまうものなのだろうか?
のっけから疑問形で恐縮だが、ここ数年の筆者の視力検査的なものは眼鏡屋かそこに併設されている眼科で機械を覗いておしまいである。それでいて視力は教えてもらったことがない。もう知っていてもしょうがないほどの近眼なので聞いてもいないのだが、ひょっとすると視力検査ではないのだろうか。今度聞いてみよう。


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ランドルト環柄。
行列時とか視力検査されそうですな

そんなことはさておき、一般的な視力検査を思い浮かべていただきたい。「はい、これ見えますか?」と聞かれる表の列、たいてい3列ありましたね。そのうちの2列はひらがなとカタカナで、もうひとつは……そう、上とか下とか右下とか答えるアレ。あの“C”字のアレはいったいなんて名前なのでしょうか。

さっそく答えを上げるとアレは「ランドルト環」。フランスの眼科医であるエドマンド・ランドルトが開発し、1909年に行なわれた国際眼科学会で標準指標として採用されていまに至っている。
ランドルト環は『円の直径:線の太さ:切れ目の幅=5:1:1』と規定されており、使用単位などを鑑みた日本の基準では5m離れた地点から直径7.5mm、線の太さと切れ目の幅がいずれも1.5mmのランドルト環が識別できた場合、視力を「1.0」としている。

ちなみに視力検査の際に片目を覆う器具は「遮眼子」という。おたまやレンゲで片目を覆うネタがあるが、ちゃんと専用の器具が存在するのである。当たり前ですが。