江夏豊と言えば「21球」、「9連続三振」、そして……「15」!?

今週末、23日と24日はプロ野球のオールスターゲームが開催される。セントラル・リーグとパシフィック・リーグに分かれた昭和26年から、両リーグ対抗の形となって昨年までで152戦が行なわれている(パ75勝、セ69勝、8引き分け)。

その152戦、どの試合にもオールスターならではのビッグプレーが存在すると言っても過言ではないが、年配者を中心に多くの人の心に残っているのは昭和46年のオールスター第1戦、セ・リーグ先発の江夏豊(阪神)による9連続奪三振だろう。
 


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9連続奪三振の地である西宮球場は現在、
阪急西宮ガーデンズになっております

オールスターでは投手は最大で3回しか投げることができないため(ただし、1/3や2/3から途中登板の場合は、次のイニングトップから3回投げられる。小さなウンチクでした)、先発しての9連続三振は打者が全員三振したということであり、「三振」として記録される“振り逃げ”がないとすれば、イニングトップから投げた投手としては最高にして最強の記録となる。

さて、「多くの人の心に残っている」などと書いたうえでこれで終わりではウンチクでもなんでもない。もう一歩進もう。
1試合の連続(最多でもある)奪三振はその江夏の9。では試合をまたいでの連続奪三振記録は誰でいくつだろうか? “誰”はやっぱり9の貯金を持つ江夏なのだが、その数は……これがなんと15
江夏は9連続の前年、昭和45年のオールスター第2戦に先発し、5連続奪三振で投球を締めくくっている(トータルでは8奪三振!)。そして昭和46年第1戦目の9、さらに同年の第3戦にも3番手として登板して、先頭の江藤慎一(ロッテ)を三振。続く野村克也(南海)のセカンドゴロでストップするまで、2年越しの3試合で15連続奪三振を記録したのである。

繰り返しになるが、「江夏の9連続奪三振」はとても有名。そこに少しプラスすると、もう少しだけ話を持たすことができるでしょう、はい。

※おまけ
過去152戦、オールスターでノーヒット・ノーランが達成されたのは1試合だけ。それは昭和46年の第1戦……そう、これがなんと江夏の9連続三振の試合。江夏以降、4投手のリレーで許したランナーは四球と失策の二人だけなのでした。