江戸情緒たっぷりの粋な船遊び

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こちら屋形船船内
東京へ戻り、30年以上もご無沙汰していた旧友に連絡を取るのは楽しいものだ。久しぶりの連絡、そして久しぶりの日本ということで、皆も趣向を凝らして、日本独特の色々なイベントに私を連れ出してくれる。

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舟で舟盛り。おいしい刺身に感激

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ビール片手に話は尽きないそのひとつに「古典の会」があった。私の直接の恩師ではないが、友人の卒業した広尾高校で古典を教えていた先生から、毎月1回昔のように授業をしてもらうのだ。受講生は教え子ばかりだが、年齢も様々で上は73歳から40代の方までいる。先生の小山氏は82歳。17年前奥様を亡くされて独り暮らし。昔の教え子が、飲み会だけではきっと長く続かないからと、6年前から先生の本領を発揮できる「古典」の授業をしていただくようになった。
試験も予・復習もいらない今となっては、余裕で楽しみながら勉強ができる。そんな広尾高校の皆さまのお仲間に入って古典の勉強を始めた私も楽しくて、だんだん日本古来の文化に引き込まれていく毎日だ。

古典の会らしく、平安時代から親しまれてきた“船遊び”に今回参加して日本文化に触れることが出来た。普段は家のベランダ、遊歩道にて屋形舟を眺めているが、なかなか風情があってウキウキしてしまう。

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レインボーブリッジの夜景にうっとり
藤原道綱の母が原作の大作「蜻蛉日記」の授業のあと、送迎バスに乗って潮見で屋形船に乗り、そしてお台場、隅田川。最後に潮見に戻るというコース。
船旅の途中、天ぷらを揚げるためにお台場のレインボーブリッジの下で結構長く逗留しており、この間に窓を開けてシャッターを切る人も多い。ちなみに先生はカラオケが大好きらしく、歌を披露しては満面笑みを浮かべている。ビール片手の会話はどんどん花が咲き、初対面の人もいたが、参加した18名はすっかり打ち解けて自己紹介をしたり……親友の恵美子も、高校こそ違うが出身小学校が同じという方と新しく友達になったりしていた。

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やはり定番!天ぷら
築地から仕入れている刺身も絶品で、揚げたての天ぷら、炊き込みご飯と何もかも美味しい。隣に座っている女性も「天ぷらが美味しいわ。普段揚げているとお腹がいっぱいになってまともに食べることないからね」と嬉しそうだ。
そう、屋形舟といえば天ぷら。
かつては屋形船から魚を釣り、そのまま刺身にしたり、三枚に下ろして天ぷらにしたそうだ。天つゆは中骨を出汁にして作ったとか。今でもお台場の界隈ではスズキやハゼ釣りが盛んなことから、スズキとハゼは定番メニュー。アツアツの天ぷら、私も充分に堪能したのだった。