常夏の国ラオスクライミング―4―

■12月9日/滞在5日目■

【14.Climbers Home エリア】
5.Waiting for Bolts:6a/30m/4bolts,10slings tp

【18.Smaland エリア】【19.Highland エリア】
4.Stopselkind・Smaland:6b/14m/4bolts/5slings 連続でparasit・Highland:5b/20m/6bolts,1sling
つまり、こういうことだ。
SmalandとHighlandは隣り合わせのエリアでSmalandを登り続きでHighlandを登ったということになる。
だからね、14mと20mで34m、長いのよ〜そして上は暑いのよ。難しくはないんだが、なんせ暑い暑い!汗だくであったま温まっちゃってクラクラ〜


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写真上の木々の茂みを突き抜けるように左上するとしばらくはクライマーはビレイヤーの視野から外れことになる。次に見えた時は、今度は豆粒みたいでよくわからない。
で、このルート、疲れ果てたには長いばかりではない。大失敗して、それを悪戦苦闘して挽回しようとしたが、結局できなくて面目もなかった。
篠原ガイドがトップロープをセットし、次に登ったKさんが途中でギブだった。私はなんとかトップアウトしたのだが降りる時にしくじった。右下に、しかもかぶっているから、ルートから体が離れないようにヌンチャクで連結しておかないといけなかったのだが、うっかりした。結果、終了点直下からヌンチャクにロープをかけ直しできずじまいで降りるより他なかった。すなわち回収に当たった篠原ガイドはプリプロでリードする格好になってしまった。申し訳ありませんでした〜

1本は30m、も1本は都合34mのロングを2本やったら、「もういいや」になった。元来当日、もしくは前日はレストと設定されていたところだったが、レストでどこか出かけようにも周りには見て歩くに特筆すべき何物もなく、「ま、レストクライミングってことで」な気分だった。


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■12月10日/滞在6日目■

何時の頃からかクライミングは「リードして何ぼ」とは自覚していた。だからラオスの地でも「リードしなくちゃ」と内側からささやく声が聞こえてきていた。
もうウォーミングアップは十分。今日やらんで、いつやるか!よし、行くぞ!!そんな思いで岩場へ向かった。

【22.Elephant(III)エリア】
17.Rambo girl:5b/15m/6bolts os
18.Kleiner Wixer:5c/15m/5bolts os

【22.Elephant(I)エリア】
1.Mr.Nyai:5c/20m/8bolts os
9.Dancing Butterflie:5c/18m//9bolts os


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この日を「ラオスの奇跡」とでも呼べばいいだろうか!
一緒だったKさんはずっと「リードはしない」主義だった。ことあるごとに篠原ガイドが「トップロープで登っても登ったことにはならないんですよ。いい練習したね、ってことなんです」と言い続け、「トップロープと全く違う緊張感は味あわないなんと、もったいない至極じゃない?」と私もささやき続けてきた、それもだんだんに浸透してきてはいるだろうが、このラオスという地にありてのぼるという心持ちが後押ししたに違いない。もちろん、その日の私の怒涛のリードラッシュが拍車をかけたことだろう。
「ねえねえ、今やったところ余裕だったから、リードでトライしてみれば?」と誘いかけたら
「そうね、やってみようかしら」とすんなりこなし、
「じゃあ、次は隣のルートもリードしてみれば?」と畳み掛けたら、それもやってのけちゃった。
「初リード、初オンサイト、おめでとう!」とあいなった。

そして…
ターケークのグリーン・クライマーズ・ホームに到着して様子を見て回った時から、私には、これは「必ずリードでやる!」と心に決めたルートがあった。
私の中では、ルート名は「まいまいシャンデリア」。ずっとそう言ってたから、後になって実は「ルート名って何だっけ?」って考え込んだくらいだ。

【Hiltonエリア】
8.Dengue Queen:6a/28m/6bolts,5slings os


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いやいや、美しいではありませんか!
ほんとにまいまいシャンデリアでしょ!!
これを見た時から「絶対、登っちゃる!」と惚れ込んだのよ。シャンデリアまでが核心だった。ちょっと苦心した。「核心部は6bぐらいでもいいんじゃないかな」とは篠原ガイドの見立てだった。


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「まいまいちゃん、来たよ〜」
毎々にたどり着いた時、最高に幸せな気分だった。ほんと嬉しかった。

もう私がリードしたのをKさんがトップロープで登って、Kさんがリードしたのを私がトップロープせ登ってを繰り返してたら、「さて帰ろうか」となった時に篠原ガイドがぼそりと言った。
「今日は僕は登らせてもらえませんでした!」

大笑いした。
「すごいね私たち、篠原さんにあんなセリフなかなか言わせられないよね」

「日本に帰ったら、クイックドロウ後5本買うわ、やっぱり10本ぐらい持ってないとね」
Kさんが笑って言った。
あんなにリードはしないと言い続けたKさんがリードにトライして、しかもオンサイトを3本もして、しかもそれをもっと続けて行こうとしていることに、私はウルッと来るぐらい感動した。

■12月11日/滞在7日目■
午前中クライミングで午後はグリーン・クライマーズ・ホームを後にして、ターケークの街で一泊がこの日のスケジュールだった。

【22.Elephant(II)エリア】
10.Sunrise:6a/20m/7bolts top out
1テンかかってしまった。トップロープでも試してみたらノーテンで行けた。次にターケーククライミングに来るときは、これ、ノーテンでリードだな。


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課題はたくさんある。6a以上、すなわち10b、10cにチャレンジすること。テンションかかってもね…
もちろん、オンサイトは狙う。どこもお初なんだからテンションかからないでリードできれば全部オンサイトさ。
な〜んてシアワセ!!!


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